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【アニメ白猫】ある1人の原作ファンのアニメ版への素直な感想【ゼロクロ】

どうも、ゼロ・クロニクルアニメ化が終了し、白猫の歴史に刻まれる出来事を最後まで見届けられたことに胸を撫で下ろしております。Macroと申します。

この記事は、先日晴れて最終話を迎えました、2020春アニメ「白猫プロジェクト Zero Chronicle」の、私なりの総括記事になります。
大いにアニメ版のネタバレを含む内容ですので、放送時期の関係でまだ最終話を見ていない人や、これからみる予定の人はご注意を。

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さて、まずもって初めに。

今回の感想記事、端的に申し上げますと今作に対するマイナス方面の言動・評価がかなり含まれます。
もしも、今この記事を読んでいるあなたが、今作をすごく愛していて、かつ他人の批判的な意見等をみるのが嫌だという場合は、申し訳ございませんがそっとブラウザの戻るボタンを押してください。恐らく貴方に不快な思いをさせる文章になります。どうか読まないで下さい。

ただ、今回のアニメに多少なりとも疑問を持たれた方や、純粋にアプリ版を遊んでいる人間がどんな感想を抱いているのかが気になる方、私の意見を1意見として建設的に見ていただける方は、どうぞこのまま読んでいただけますと幸いです。

これから綴るのは、この3か月、アニメ版ゼロクロニクルを見て、ある1人のアプリ版白猫プロジェクトのファンが感じた素直な感情……


では、以下ネタバレ回避用の空白を挟んで続きます。

---------(ネタバレ回避用)---------













では行きましょう。

今回の白猫のアニメ化。
なんとも中途半端で煮え切らないな、というのが自分の感想です。

1.アプリゲームアニメ化のゴールとは

突然ですが、ソーシャルゲームのアニメ化には、成功ビジョンが3つあると思っています。

①「円盤・グッズの売上」
商業的な指標で計られ、アニメ界隈ではいわゆる「覇権」と呼ばれるアレです。これは多分、あらゆるアニメに当てはめられる指標。

②「アプリへのプレイヤー誘引」
アニメきっかけでそれまでそのアプリを遊んでいなかった人、もしくは久々に遊ぶ人が増えてくれれば、それもまた1つの成功例なのではと思います。

③「既存プレイヤーの満足」
既にお話を知っている既存のプレイヤーがより楽しめる構成にすることで、一定数のファンに確実に刺さるものを作る。売上の数字には出にくいですが、これも1つの成功例だとは思います。

ではゼロクロアニメはどうだったのか、といいますと、①はまだ円盤発売から間もないですし一旦保留で。とはいえ他の作品を差し置くほどの勢いがあるわけでもありませんし、売上的には覇権と呼ばれるほどには伸びないのではないかなとは思います。

では②以降はどうでしょうか。

2.絶望的に初見さんに優しくない

これは1話の時点から相当言われてましたね。とにかくアニメから入ってくれた人に対しての説明が無さすぎます。

そもそもアニメきっかけの人達は、白猫のことを全く知らない状態で見に来るわけです。
そこに対していきなり本筋のストーリーを展開したとて、世界観もキャラクターも何も分からないまま進んでしまうことになります。

視聴者にとって、「分からない」という感情はものすごいストレスになります。わざわざ時間を割いてその作品を見ているわけですから、そりゃ当然です。

ですが今作の舞台背景の説明というと、ところどころで会話の中に出てくる要素や、Aパート終わりのCM明けに差し込まれる一瞬の説明くらいのもの。とにかく分かりづらい。これでアニメから見始めた人がついて来られるとは、自分には到底思えません。
実際、アデルの豹変や、ファイオス・シーマの闇堕ちの辺りは、アプリで事前にストーリーを知ってないと何が起こったのか意味が捉えにくいものだったでしょうし。

そんなわけで、②に関しても、この方向で成功するには難しい出来だったのではないかと感じています。

ただ、これに関しては制作サイドに同情できる側面はあります。
というのも、今回の話の題材となったイベント「ゼロ・クロニクル」自体が、完全な理解に相応の事前知識を必要とするものだからです。

アプリを知らない人向けに説明すると、今回のゼロ・クロニクルのお話は、アプリ版白猫プロジェクトの3周年記念イベントとして実装されたものです。折しも当時、3年かけて紡いできたメインストーリーが一区切りを迎えていました。
そのタイミングで出てきたこのイベントは、メインストーリーの1つの真相に迫る過去編ーーいわゆる「第0話」として打ち出されたわけです。

すなわち、お話をアプリ勢が読む頃には、3年かけて世界観の説明から人物同士の因縁から何から何まで仕込み終わってる訳です。
そんな状況下で公開された本イベントは、その入念な仕込みもあって白猫史上に残る感動超大作・神イベントとして名を残すことになりました。

ただこれってあくまで読み手がバックボーンを理解してたからつけられた評価であって、何も知らない状況で読もうもんならそれこそ置いてけぼりです。
これをアニメという尺が限られた媒体で刷り込むとなると、余程上手くやらないと尺が足りないか冗長になり過ぎるかの2択になるのは明白。

そういう意味では、制作側も相当苦労したんじゃないかと思います。
結論、アニメという媒体とお話の相性が悪すぎた。

3.原作勢のツボを捉え切れていない

では原作であるアプリ版を知っている人間であれば楽しめた作品だったかと言われると、これもなかなかに微妙なところです。

確かに原作にない描写や、原作では描かれなかった部分をしっかり描いてくれていて、アプリ版のストーリーを補完できる内容も多々ありました。これに関しては良かったと思います。山菜回や、ファイオスがアイリスのために雫を取りに行くところなんかは正しくそれですね。

ただ補完の方向に意識を割きすぎたのか、原作ファンが「ここは外せない!」と思っているであろう所が端折られたり改変されたりしていたのが非常に気になります。

例えば1話Aパートの闇の王子とスキアーズさんのやり取り。
ここって原作勢からすると、知る人ぞ知る超激アツ場面だったりするんですよ。

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ただそれも、Aパートの一部で終わってしまい…
闇の王子の人となりを語る上ですごく大切な部分なので、しっかり1話使って欲しかったところです。これに関しては同じ意見をちらほら見かけました。

最終話のクライマックスのBGMも、賛否両論でしたね。ゼロクロにはアプリ版でテーマソングとなった、「Ray-はじまりのセカイ-」という楽曲があるのですが、原作勢にとってはゼロクロといえばこの曲、と断言できるくらい特別な楽曲です。
アプリ版のクライマックスシーンではこの曲が使用されています。

しかし、アニメ版クライマックスで使用されたのは、アプリのメインストーリー内で使われた「やさしき闇の詩」という楽曲。
もちろん、あえて変えているのでしょうが、ここは変に奇をてらわずにRayで良かったのではないか…

そんなわけで、アニメオリジナルの話を展開する方向だけでなく、「このシーンをアニメで見たいんだ!」「このシーンをより深堀りしてほしいんだ!!」という需要にももっと意識が割けていれば、少なくとも③の方向性では大成功と言える作品になったのではないかと思うと、なんとも残念です。

4.一体どこをターゲットにした作品だったのか

そんなわけで、私がアニメ版ゼロクロニクルに抱いた感想は、

「初心者向けでも、玄人向けでもない、中途半端な作品」

これにつきます。

メインターゲットをどこに置いていたのかが全く分からなかった。これは最初から最後まで一貫して自分が感じた疑問点です。
初心者向け・アプリを遊んだことのない人向けにしては、あまりにも不親切すぎるし、玄人向け・アプリの熱心なファン向けにしては需要にこたえきれてない。

的に狙いを定めることができない射手が、矢を当てることができないのは必定です。

アニメという媒体との相性の悪さはあったとはいえ、もう少しなんとかできたのではないか。少なくとも原作を知っている人に向けて発信するものと割り切り、その方向性で作成するだけでかなり違ったものになったのではないか・・・そう思うと、なんだか1ファンとしてやり切れない気持ちになります。


ただ、あくまで原作ファンとして言うと、そもそも白猫のキャラが動いてしゃべっているところを見れたのは間違いなくうれしかったし、アニメ化という行為自体は、間違いなく白猫の歴史に残ることだったと思います。

しかし、それでももう少しやりようあったのではないか・・・
そう思えてならないのは、一個人のエゴなのか、はたまた。

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▲それでもアニメ化したこと自体は本当に嬉しかったです。

以上、よろしくお願いいたします。


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