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求職者からお金をもらう!?前代未聞の転職支援サービスに注目 #テンカイズ

コロナ禍で活況となった、転職ビジネス。
転職サイトや転職サポートサービスが乱立状態となっている一方、転職エージェントに登録すると求人情報が来すぎて困ってしまう、本当に自分に合っている仕事が分からなくなってしまう人も多いのが現実です。
今回はそうした転職シーンに一石を投じるサービスに迫ります。


1. “人生の膿を洗い出す” 全く新しい転職支援サービスとは

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宇賀:今回のゲストは、ポジウィル株式会社代表取締役の金井芽衣さんです。

金井:よろしくお願いします。

金井芽衣(かない・めい):1990年生まれ、群馬県出身。埼玉純真短期大学保育学科を経て、法政大学キャリアデザイン学部に編入。その後、リクルートキャリアに新卒入社し、人材紹介部門の法人営業として勤務。2017年にリクルートキャリアを退職し、株式会社ポジウィルを設立。総額2.5億円規模の資金調達を実現し、キャリアのパーソナルトレーニングサービス「POSIWILL CAREER」を運営。

宇賀:まずはポジウィルについて教えてください。

金井:今までの人材業界では、転職エージェントは法人からお金をもらって成り立つ仕組みだったため、求職者の方はお金を払う必要がありませんでした。
私達は逆に、求職者の方にお金をいただいていて、法人からは1円ももらっていない仕組みです。個人の方がどう生きたいかということを、2ヶ月半かけて一緒に考えていくプログラムを行なっています。

浜田:転職を希望している方が自分でお金を払うこと自体が、これまでにないですよね。

金井:初めてだと思います。

宇賀:それでも人が集まる強みとは?

金井:現代ではコロナもあり、自分の人生をどうしたらいいのか分からない方がとても多いです。そこに対して、今までの人生の振り返りや、今後の人生をどうしていきたいのかについて、仕事面、親との関係、友達との関係……と全て踏まえて整理をしていくのがポジウィルのプログラムです。人生の膿を洗い出していく感じです。

浜田:転職だけじゃなく、人生の壁打ちだ。
「どの会社で働きたいか」ということ以前の問題ですね。「どんな人生を歩みたいか」というところから一緒に考えてくれるパートナーを、多くの人が探していたと。

昔なら一社で生涯キャリアを重ねていくから、職場の先輩や上司に悩みを聞いてもらう人が多かった。でも今ではみんなそれぞれ会社に対する考え方も違うから、会社に人生を預けたり、私生活をオープンにすることに抵抗があるのかもしれませんね。お金を払ってでも、第三者のプロに聞いてもらいたいのかもしれない。

宇賀:最初からこの方向性だったんですか?

金井:もともと私はキャリアカウンセリングを学んでいたので、それを広めたい想いでした。
最初はTwitterを通して「そうだん.me」という単発のオンラインキャリア相談サービスをしていました。それを続ける中であるユーザーさんにお会いした時に聞いたのが、「3〜40社受けても全部落ちた」というエピソード。しかもそのサービスを5回も使ってくださったと。結構ショックでした。

それからその方に、電話もメールもし放題で1ヶ月全面サポートをさせていただいたら、1社受けて1社受かったんです。翌月も同じようにやると、良い結果が出ました。軽く相談に乗ったくらいでは、人は変わらないんだと気づきましたね。

浜田:がっつり伴走しないといけないんだ。

金井:細かく深く整理しないと、何につまずいているのかや思考の癖も分かりません。そこを変えていかないと、やっぱり変わりませんね。
これで人生も大きく変わるし、年収も50万円から200万円くらい変わるので生涯年収も大きく変わります。何より生きやすくなります。
それなら完全にサービスをシフトしようと思い、2年前に今の「POSIWILL CAREER」へ移行しました。


2. 幼少期の経験が意思決定を左右する

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宇賀:このサービスの中に家庭環境や幼少期をヒアリングするとありますが、これはキャリアにとってもかなり重要なのでしょうか?

金井:そうなんです。
親の呪縛みたいなものが強い方、親に聞いて意思決定をする方がとても多いです。「お母さんが『いい』って言わないかもしれない」、「期待に応えられていないかもしれない」という意識に引っ張られているんです。

浜田:「この会社に入ったら、親が認めてくれる」という考えから、大手就職や安定思考になってしまうんですよね。

金井:今の20代、30代は特に、親の期待が大きい層なんだと思います。ユーザーでも最も多い層です。ご両親と仲が良いこともあり、好きだからこそ、「親のために」という気持ちが強いのではないでしょうか。

浜田:実際にどのぐらいの期間、伴走するんですか?

金井:1ヶ月の方もいれば、2ヶ月半の方もいらっしゃいます。1ヶ月の方は、転職というよりも、自分のことを考える時間だけを作る形です。

浜田:どのくらいの頻度でコーチングしてもらえるんですか?

金井:基本的には1週間に1回、オンラインで面談するという形です。
ただ毎日チャットもしているんです。考え方の癖を洗い出していったり、ワークを通して改善して行ったりしています。

浜田:でも、人って変われますか?

金井変わります!本当にびっくりするくらい。顔つきから変わるんです。

多分皆さん、人生において人に言えなかったことがあると思うんです。親が失踪していたとか、お母さんに「あんたなんて産まなければよかった」と言われたとか、虐待を受けたとか、友達にいじめられたとか、いろんなことを抱えて生きてきているんです。

でもそれらを言えなかったことによって、自分なんて生きている価値がないんじゃないかと考えてしまう方も多い。

それを全部出していただいて、存在する価値があるということを伝えていくだけで、人間って変わるんです。

浜田:転職支援というより、人生の支援。その人自身を肯定して、自信をつけていくんですね。


3. コロナで増える不安。これからのポジウィルは?

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宇賀:コロナの影響はありましたか?

金井:不安が増していますね。
人とも会えなくなっているし、思考のベクトルが自分に向くことがすごく増えているので、自分の存在価値について考える方が増えているんです。

浜田:特に若い人は不安かもしれない。いきなり新入社員として入社して、リモートワークで職場に知り合いもいなくて、一人で取り残されている感覚になって……

金井:そうなんです。
なので、ユーザーには地方出身者の方もすごく多いです。寂しさはあると思います。

浜田:本来ならば会社で上司と部下がやる1 on 1で、まさに「どういうキャリアを歩みたいのか」ということを聞き出していかなければいけないんですよね。そこで上司が、その部下の能力を最大に発揮できるような環境にしてあげなければいけない。でもそんな能力、私が管理職の時も無かったなあ。

宇賀:必要な勉強もできないですからね。

浜田:だから単に管理するだけになってしまう。でも管理職になる人は、そうした技術が必要ですよね。

宇賀:最後に、金井さんとポジウィルの今後の展開を教えてください。

金井:キャリアで悩んでいる方には、同時に婚活やお金、人生について悩まれている方がすごく多いです。近い将来、そういう人生に伴走できる会社になっていけるよう、事業展開も一緒に進めていきたいです。

宇賀:まだまだこれからも楽しみです!
今回のゲストは、ポジウィル株式会社代表取締役の金井芽衣さんでした。 ありがとうございました。


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