すべり倒す。

Rー1グランプリ一回戦、通過してました。
いやー、よかった。

一回戦ぐらい大したことないやろと言われそうですが、通過したこと以上に、お客様に向き合ってネタができて、ウケることもできたのがよかったです。

去年、落語教室の生徒さんが、社会人落語選手権の二次予選に参加したんですが、「全然、ウケませんでした」と連絡があり、私は「滑るのも経験なので、気にせず、また頑張ってください」と返事をしました。

見に行った他の生徒さんが「だって、アウェーでしたもん」と言っていて、「いや、みんな、アウェーや!」とつっ込んだことへの面目が保たれました。

そりゃ、発表会だけに出る人に対して、「ええ?!友達や家族にウケた?そんなん当たり前やん!繁昌亭昼席の地方のお客さん笑わしてから喜べ!」とか、サイコパスなことは言いません。

それに、発表会後の打ち上げの講評では、生徒さんのいいところを主に言います。
来てくれた知人や友人、家族(いわゆる身内)の方が喜んでくれるのが発表会の意義だから。


ただ、コンテストとなると、いくら応援団を呼んでも、100%知り合いで埋めることは難しいと思います。

私も若手噺家グランプリというのに出てますが、正直、自分のお客さんは10分1か、多くて2ぐらいです。
昔、とある演者のファンの方が「○○さん以外には笑わんとこな」とその演者以外の高座には笑わないよう指示していたそうですが、そんなもんは論外です。(そのおかげか、一応、その○○さんは忙しそうにしているみたいですが)が、自分を知ってるお客様も、知らないお客様も巻き込まないと勝てないと思ってます。

もちろん自分の味方ばっかりの独演会、もしくは自分が有名になってみんなが知ってる状況の方が安心感ありますが、スパワールドみたいな自分のことを知らないところというか、まさか、こんなところで落語聞かされるとは?!みたいなところで、今日初めて会った人の集中力をどう繋げて、切らさないようにするかは、ちょっと魚釣りのようで楽しいです。(お客様を魚に喩えているわけではない)

まあ、こんな偉そうに言いつつ、次で敗退するかもしれませんが…
そこは、もう、ピンの芸を一年ずっと考えてはる方と比べると、費やした時間が違いますしね。負けても、ウケたらいいなぁぐらいに思ってます。

とにかく、もしかしたら、客席に1人ぐらいは知り合いがいたかもしれませんが、今日はほぼアウェーの中、お客様を見て喋れました。もちろん、緊張はしていたので、最後、めちゃ噛みしました。けど、ちゃんと聞いてくれて、面白いと思ったら笑ってくださるお客さんだったので、よかったです。

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