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30代・アラフォーの父親も惚れるラッパーZORN

家族を歌ったパンチラインの数々

9枚目となるアルバム『新小岩』を10月28日にリリースしたラッパーのZORN(ゾーン)。
※アルバム収録曲はこちら

私もZORNのファンで、ここ一ヶ月間、通勤時などヘビロテ中ですが、

今回は、『新小岩』をはじめ、近年のZORNの楽曲から、特に「家族」のことを歌ったリリック/パンチラインをご紹介しながら、
10代、20代だけでなく、30代、そして私のようなアラフォー(40歳前後)の父親も惚れるZORNの魅力をお伝えしたいと思います。

まずは、『新小岩』にも収録されたこちらの曲から…

OZROSAURUS(オジロザウルス)のMACCHOさんをフィーチャーした「Rep」。
クソカッコいいこの曲の、ZORNのパンチラインがこちら。

「今は三世代で海外旅行
 最愛の嫁にもサプライズ
 Thug Life じゃなく Hug Life

ZORNはサビでも、
仲間たちは Weed とコケイン 
 俺はいらねぇ Beet よこせ」と、

イリーガルな薬物に手を出すような「Thug Life」(凶悪な人生)ではなく、
家族を抱擁するような人生Hug Lifeを大事にしているのがうかがえます。

また、『新小岩』に収録された「Rollin’ feat. AKLO, NORIKIYO」でも、次のようなリリックが目につきます。

俺は ドンペリなんか空けなくても両手に花

この「両手に花」とは、ZORNの奥さんと子供たちを指しているのでしょう。

さらに、『新小岩』に収録された、THA BLUE HARB(以下、TBH)のBOSSさんとのコラボ曲「Life Story feat. ILL-BOSSTINO」より。

俺が見んのは夢と子供の面倒

これだけは覚えとけ まずは夫婦円満
 俺の意見より嫁の機嫌

TBHの大ファンの私にとっても、待ちに待ったお二人のコラボであり、最高にカッコいい一曲に仕上がっていますが(『新小岩』の全てのトラックを担当したのはBACHLOGIC全曲カッコいいっす)、

まさかHIPHOPで「夫婦円満」が歌われるとは夢にも思いませんでしたし(苦笑)、
俺の意見より嫁の機嫌」も、私にとっても納得のパンチラインでした(苦笑)。

「Life Story」の最初では、ZORNがどのような人間であるのかが、次のように歌われています。

俺は今日も作業着 タバコと缶コーヒー
 日々はパターン通りただの一般庶民
 何よりまずは衣食住の三拍子
 真っ当に生きるのがカッコいいと信じる

まさにZORNらしいリリックであり、
真っ当に生きるのがカッコいいと信じる」とラップし、実際に真っ当に生活している(と思われる)ZORN
これが、私が同じ「一般庶民」として、ZORNを「カッコいい」と支持する理由の一つでもあります。

ZORNとBOSSさんとの対談記事はこちら(2018年3月に実現)

アルバム『新小岩』は、まさに”パンチラインの宝庫”ですが、ここでは、私の心に響いた、そのほんの一部をご紹介します。

経験は価値が下がらない資産
(Memory Lane)

ガンジャ コケインより感謝と尊敬
(Don’t Look Back)

王座の称号より餃子の王将
(Don’t Look Back)

バースは魂の削りカス」(Changing)

以上、ZORNのニューアルバム『新小岩は超オススメですので、まだの方は是非チェックしてみてください。

加えて、もう4年前になりますが、「家族」にまつわるZORNの楽曲として、「Letter」(2016年)も欠かすことができませんね。

何度聴いてもうるっ(涙)ときますが、そんな「Letter」から、印象的なリリックをご紹介します。

「葛藤し 時に苦悩しつつ
 縮まる距離 少しづつ
 そして2年 あの日を忘れない
 初めてパパと呼ばれた日

他所と違う家族になった日
 お前らが生まれた日は知らない
 でも過ごした時間は血よりも濃い

これらの歌詞や楽曲全体からも、ZORNの家族像が鮮明に浮かび上がってきます。

ZORNと同じ、娘を持つ父親であれば、まさに「名曲」と感じる一曲だと思います。

余談ですが、「Letter」がリリースされた当時、ラッパーの呂布カルマさんが、以下のようなツイートを行っていました。

無題

それでは最後に、前作8枚目のアルバム『LOVE』に収録された「My Love」(アルバム最後の曲)のリリックをご紹介します。

「駆け出しの俺は金無しで
 ダイヤの指輪も買えやしねぇ
 ロマンティックとはいかずにさ
 あの団地でお前にひざついた

「永遠かなんてわかんない
 明日のことだってわかんない
 だけどお前がいなかったら
 爪切りの場所もわかんない

この曲は、現在の奥さんとの馴れ初めを歌ったものですが、曲のタイトル「My Love」の通り、ZORNの奥さんへの愛がラップされています。

ロマンチックとはいかずにさ」とは言うものの、「あの団地でお前にひざついた」という情景の浮かぶリリックが何ともロマンチック」で、

お前がいなかったら  爪切りの場所もわかんない」という素朴なリリックにも、ZORNと奥さんとの関係性が巧みに描写されています

以上、ニューアルバムの『新小岩』をはじめ、「Letter」や「My Love」からZORNが「家族」のことを歌ったリリック/パンチラインをご紹介させて頂きました。

ZORNには他にも名曲が多いので、関心を持たれた方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
現在までに920万回以上)視聴されている「My life」(2015年)は、ZORNの代表曲であり、名曲中の名曲です(DJ OKAWARIのビートも最高)。

かつてZORNが在籍した「昭和レコード」の、般若の奥さんSAYとのコラボ曲「Life gose on」(2014年)も最高です。

「昭和レコード」主宰の般若は、自信の著書『何者でもない』(幻冬舎)で、ZORNについて次のように綴っています。

「ライブが終わって楽屋にいた時、俺はZORNからアルバムを渡された。2008年以降、ZORNはMCバトルで名を馳せていたけど、音源も定期的にリリースしていた。そうやって、ラップで飯を食うために日々戦っている男を俺はもちろん嫌いじゃない。
 その日はそれで別れた。後日、もらったCDを聴いてみた。
 ――こいつカッコいいな……。
 結局のところ、ラッパーなんて理屈じゃないカッコいいかカッコ悪いか究極を言えばそれに尽きるライブや音源にそいつの人生が反映される何となくやってる奴はすぐに消える死ぬ気でやってる奴の名前は鳴り響く。ファッションの言葉だったら、浮かんでもやがて沈む。人生を乗っけた言葉だけが人の心の奥に突き刺さる
(中略)
 錦糸町で俺達は飯を食いながら色々な話をした。人生の話、音楽の話、未来の話。あいつの人生をここで簡単にまとめることはしたくない。ただ、朝から夕方までの仕事を週六で続けるあいつだからこそ表現できる喜怒哀楽があると思った。ここにホンモノがいる――俺はあいつの話を聞きながら、ただただそう思っていた。」(pp.258~259)

般若から「カッコいい」「ホンモノ」と言わしめた男…

そんなZORNが、来年1月24日(日)、満を持して日本武道館でライブを行います

新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される中、私も家族の手前、会場に行くべきかどうか、現在も悩んでおりますが、講演はきっと感動的なものになることでしょう。

ああ~ やっぱり私も行きたい!!(笑)


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