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在宅ワーク1周年、欲しい物2選。

・はじめに

在宅ワークが始まって、一年経った。
去年の今頃を思い返してみる。自粛生活が本格的に始まり、様々な有象無象が中止やら延期やら決断を迫られた。
マスクが店から消え、著名人が亡くなり、五輪は延期。一方で政府からは布マスクのお恵み。我が家では今も大切に、それはもう大切に、結局どこにしまったかはわからないけれどきっとタンスの奥深くに保管中だ。
そんな次から次へとトピックスが舞い込む情報の嵐の中で、それぞれが大なり小なり「この先、世界はどうなっていくんだろう」と思い始めていた頃だった、と思う。

僕の働いている企業(非正規だけど)は、ありがたいことに早々に在宅ワークを開始。3月の半ばくらいには僕を含む末端の非正規ネコチャンにもそれぞれ必要物資が買い与えられ、出勤することは一切なくなった。

はじめは妙に新鮮な気持ちで取り組んでいたことを覚えている。
それなりに良い椅子を買ったし、マグカップも新調した。ヘッドセットは今まで知り合いとの通話で使っていたからそのままだったけれど、酷使するようになったので途中で買い換えたりもした。

まあ、半年も経つとその新鮮からくる緊張は段々と薄れて、体調面でも精神面でも不具合が発生し始めた。一度大きな限界が来て少し働く日数を調整させて頂き、職場の皆さんの暖かなお気遣いもあり、なんとかいまもやっていっている。

と、ここまでが一年間のまとめと現状報告だ。
今回の本題はここではない。

僕だって考えた。せっかくの一周年だ。総括とか経験談とか、少しでも実のある記事を残しておこうかと。
けれど「在宅ワークあってよかったものリスト」や「おうち時間の楽しい過ごし方」、「東急ハンズで買える、リラックスグッズ」などなど……。
率直に思ったのだ。


それ、僕が書かなくてよくね?


とまあ、そんなことを。

じゃあ何を書くか。仕事終わりに晩ご飯を食べながらぼんやり考えた結果思いついたのが「在宅ワーク1周年、欲しい物2選。」この記事である。

この記事にはひみつな道具を生み出した偉大なる漫画家のような独創的な発想はない。僕の頭は平凡だからだ。
それゆえ、多額の資金をかければ現実でもギリギリ実現可能(たぶん)な凡人が頭をひねった程度の案のみで構成している。

前置きが長くなってきた。
そんなわけで紹介していきたいと思う。

・暗示用『疑似快適通勤電車』

まず僕個人の話から始めてしまうのを許してほしい。
在宅を始めて気づいた。僕は快適な通勤電車がどうやら好きだったらしい。
快適な、という枕詞がついたのは無論、満員電車が嫌いだからだ。あれは現代の拷問。滅ぼすべき文明だ。

とはいえ(少なくとも立っている人間はいないくらいに)人が多くなく、空調もしっかり効いている電車はなかなか居心地が良い。イヤフォンの音楽に耳を澄ませながら、仕事前の頭の整頓をする。
意外とこれがないと、自宅と仕事の精神的な区切りが上手くいかないことを、在宅生活の中で学んでいた。

そしてここで登場するのが暗示用『疑似快適通勤電車』だ!

①仕事とオフ、どちらでも使わない部屋を用意する。
(この時点でかなりきついが、続ける)
②電車の椅子を鉄道ジャンク市などで購入して設置する。
(僕は電車に詳しくないので思いつく名前はないが、鉄道オタクの皆様はこだわるとより楽しいかもしれない)
③音楽編集ソフト等で編集した電車の音を聞く。
(お好みでドア開閉音、駅内アナウンスを録音して加えるとなおリアリティが出るだろう)
④それでもリアリティにこだわりたい方はどうにかして椅子が電車の揺れを起こせるようにしよう。
(もし実現した人がいたら、僕は全力のスタンディングオベーションを贈らせて頂きたい)

以上だ!
現実でもギリギリ実現可能……だと思うのだけど、いかがだろうか……?
無理とかどないやねんとかその辺の言葉は一旦しまっておいて頂けると助かる。これからこんな調子のものがもう一つ続くのだから。

・『どこでも窓』

どこでもドアではない。どこでも窓だ。しかも、僕の案は四次元なポケットから出てくる系の未来の世界のサムシングではなく、一応現実的に可能なものであることだけは主張したい。

ただ単に、これは壁掛けのテレビ的モニターと空気清浄機やアロマディフューザーが合体したものだ。
モニターには窓枠やカーテンがついていて、どこか風景が良い土地が現時点での最高画質で映され、環境音も流れる。そしてそのモニターから、清浄な空気や森の香り等、好い風が吹いてくる。
エアコンをつけようが、窓を開けようが。そこに漂うのは自分の家の浴び慣れた空気だ。

そこで、窓枠の中だけでも非日常をつくる。非日常と感じるためには五感から感じることが必要なため、
・肌を撫でる好い風(触覚)
・非日常の香り(嗅覚)
・家にはない景色と音(視覚・聴覚)

という、味覚以外が揃った仕様に妄想してみた。

少なくとも僕らはもう幼くはない。勉強机の引き出しから青い狸……いや、耳をかじられたネズミのロボットがでてくるなんて望み薄だろう。悲しいことに。どこにでも行けるドアなんてものは夢のまた夢。
それならば『どこでも窓』の方が、はるかに実現可能だと思うのだが、いかがだろうか!!!

……。

…………。

………………。

そりゃあ、わかっているよ……
いくら電車を正確に近く再現できたとしても、目を開ければまるでドラマの撮影スタジオのように感じてしまうだろう。どんなに映像が美しかろうと、窓の外に乗り出して、一服することもできない。

『現実』と『虚構』では大きな隔たりがあるのだ。

・おわりに

以上、在宅疲れの頭が生み出した戯言祭りでした、ちゃんちゃん。
と締めてもいいのだが、もう少しだけ。
この記事で書いてきたことは戯言だったけれど、でも考えている間は確かに楽しかった。
在宅で辛いこと、悩みの根本的な解決にならなくても、少しでも楽しみを見つけて過ごすこと。それを続けていくことで、きっといつか終息の時にたどり着ける。そう信じている。

僕の書いた記事が、読んでいるあなたのきょう拾った楽しさのひとつになってくれれば、それ以上嬉しいことはない。

大変な状況ですが、やっていきましょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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