見出し画像

【公務員論】今やっている仕事は何のため?「そもそも論」を考える癖を身に着けよう

「公務員なんか一刻も早く辞めてしまいたい!」と思った私が、福島に移住し、公務員がカウンターパートとなる仕事を始めて「公務員って実はめちゃくちゃクリエイティブな仕事なんじゃん!」と気付き、
「クリエイティブな公務員になるためにはどうしたらいいのか??」と思考を巡らせ、日々仕事をしながら気付いたことを【公務員論】として書いていきたいと思います。
今回は「そもそも論」について。


そもそも論って

辞書を引くと「物事を原初に立ち返って論じること、さかのぼって必要性や存在意義などを問うこと、などを意味する表現。「どのようにするか」を議論しているときに「そもそも、どうしてそれが必要か」という問いを蒸し返すようなあり方。」と出てきます。

普段、仕事をしていると目の前のtodoをこなすことに精一杯になって、「そもそも」の視点を忘れがちになりませんか。
私が国家公務員だったころが、まさにその状態でした。
国会対応、上司から言われた資料作成、〆切が迫った回答作成、会議の設定・・・やらなきゃいけないことが山積みで、それをこなすことで仕事をしたつもりになっていました。

公務員は2~3年で担当する仕事が変わります。自分が新しい係についたときには、前任者がやってきたことや前任者が作った事業が用意されていて、自動的に業務が開始します。
「そもそも論」を考える余裕もないと思います。
でも、この担当が変わった時こそが、「そもそも論」に立ち返るいいタイミングでもあります。

そもそも論が大切だと思ったキッカケ

私が代表を務める「一般社団法人tenten」は、結婚やパートナーの転勤、Uターンなど色々な理由で福島県に転入した女性のサポート活動をしています。

県内各地で年間約20回、転入女性のおしゃべり会「tentencafe」を開催したり、転入女性向けに暮らしの情報発信WEBメディア「tenten fukushima」などを運営しており、そこに来てくれた方々をゆるくコミュニティ化しています。そのコミュニティには6年間で約900人が登録してくれており、いつのまにか「tenten=移住者の集まり」「tenten=女性の集まり」という認識を行政の方々に持ってもらえるようになりました。
「移住者、よそもの、女性としての意見をください」と移住者や女性代表として市や広域圏の有識者会議に呼ばれることも。
「福島市特色ある幼児教育・保育プロジェクト」の補助金の選定委員、「福島市文化振興計画」の策定委員、「ふくしま田園中枢都市圏ビジョン」の策定委員など、それぞれヨソモノ目線・女性目線はもちろん母親目線の意見を求められるようになりました。

その委員の打診がある際は、必ず担当者が説明に来てくれるのですが、自分の専門分野ではない時には、どんな意見を自分が言えるだろうかと想像を巡らせながら担当者の説明を聞くことにしています。
その思考で考えていると、「そもそもこの計画はなんで作らなければならないんだろうか」「そもそもこの補助金はなんのための補助金なんだろうか」「そもそもなんでこのプロジェクトを推進しないといけないんだろうか」「そもそも文化って何?そもそもなんで文化って振興しないといけないんだろう」と根本的な疑問がどんどん浮かび上がってくるのです。

素人であることをいいことに、担当者にその質問を投げかけると、うまく答えられえない人が多い。実は、担当者も分かっていないことが多いんです。担当課の中ですら共通認識がない場合もある。言語化ができていない場合が多い。そこを考えずにこの仕事に取り組んでいるの!?と驚くことが多いです。

tentenの関連分野である「移住」分野でも、「そもそも移住者を増やさなければいけないのはなぜなんだろう」という問いにぶち当たるし、女性活躍系のシンポジウムや講演会に呼ばれた時も、「そもそもなんで女性は活躍しなけれならないのか」という問いにぶち当たって、資料がなかなか作れなかった記憶があります。

そもそも論を大切にすると何が変わる?

何のためにこれをやっているのか。
改めて「そもそも論」突き詰めていくと、今やってることが正しくないかもしれない、もしかしたらもっと別の角度でやらなければいけないことがあるかもしれない、そこを考えなければならなくなってきます。

その視点が持てるかどうか、それがクリエイティブな公務員の一要素です。いわゆる「前例主義」を疑う視点です。
公務員の代名詞でもある「前例主義」。
前例はうまくいっていますか?
もし前例が上手くいってないとしたら、そこに違和感を感じるのであれば、もう一度「そもそも論」を突き詰め、新しい視点で考え、前例をぶち壊さないといけません。

「そもそも論」を大切にすると、施策が変わり、事業が変わっていくはずです。公務員の方は、まず自分のできることから変えていってほしい。
クリエイティブな一歩を、そもそも論を考えることから踏み出してください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?