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元公務員、やりたいことを見つけてから、動き出すまでに8年かかったワケ

キャリア官僚を辞め、福島に移住し、転勤族の妻となって人生の路頭に迷い、そこから抜け出してやっとやりたいことが見つかった私。
しかし、私は、元公務員。
言われたことだけ一生懸命やってきた、与えられた仕事しかやったことがなかった私は、その想いをどうやって実現させたらいいのか分かりませんでした。
そして、その想いを行動に移したのは2018年。南会津でやりたいことが見つかってから約8年後になります。


5年間で引越し3回。子育てに明け暮れる日々に限界を感じる

息子と娘が生まれ、しばらく子育てに翻弄していた私。その間に転勤・引っ越しを3回経験しました。2010年に喜多方市へ、2012年に須賀川市へ、2014年に福島市に引っ越し。
娘を妊娠・出産し、3歳と0歳の子育てをしていた須賀川市では、子育てに毎日疲弊し、南会津のあのご夫婦のような出会いはなく、ほとんど思い出がありません。須賀川は私の中でとりあえず住んだことがある場所であり、南会津のような愛着がないのです。(須賀川市の方すみません!自分のせいです。)

同じように期間限定で住んだ場所でも、人との繋がりや地域の事を知るか知らないかでこんなに地域に対する思い入れは変わってくるんだということも身をもって体感し、南会津で抱いた「人との出会いが大切だ。移住して地域に馴染むために大切なのは、時間じゃなくて、キッカケなんだ」ということを改めて実感しました。

2014年、福島市に引っ越してきたとき、息子は年中、娘が2歳でした。
引越しの疲れ、娘を連れての息子の幼稚園探し(調べて、見学の予約して、実際に二人連れて見に行く)で毎日疲弊しまくっていた頃・・・

「もう24時間子どもたちと一緒にいるのは無理だ・・・働きたい・・・一人になる時間がほしい・・・」

南会津にいたころはとある転妻の一言に危機感を覚え働きはじめた私。
今回は、一人になる時間が欲しくて仕事を探し始めました。

福島市で非営利団体でパートを始める


息子は夕方まで預かってくれる認可外の幼稚園に。娘は保育園の一時預かりの手配を済ませ、ハローワークで仕事を探し。

そこでピン!と来たのが「福島の復興を担う人材育成」を行う非営利団体「一般社団法人Bridge for Fukushima(以下:BFF)」のパートのお仕事でした。
3.11の震災時、息子が1歳半。私は息子を連れて実家に避難しました。あの頃の私は福島の復興のために何もできませんでした。
今ならその役に立てるかもしれない、とその求人に応募し面接へ。
しかし、非営利団体という組織の仕組みを良く分からない私。非営利ということはお商売はやってないということね、ぐらいの認識でした。
代表の方とは農水省時代に共通の知り合いがいたりと、色々話が弾みました。話が弾んだ勢いで、思い切って最後に聞いてみたのです。

「ここって何から私のお給料が出るんですか?」

代表は笑いながら「うちは、こういう団体のためにある補助金・助成金や、行政から受ける委託事業から活動資金を作っています」と教えてくれました。
「なるほど!こういう活動はそうやって運営するんだ!」と知った瞬間でした。元公務員なのに、知らなかったんです。霞が関で働く国家公務員だから知らなかったのかもしれません・・・(今になって地方公務員との違いをめちゃくちゃ感じています)

そして、めでたく私はその団体で週2のパートを始めることになったのです。

フットワーク軽く行動する高校生たちに衝撃を受ける

私は、いくつかの委託事業や助成金事業を担当させてもらいました。
こうやって事業を運営するんだ、事務処理をするんだ、と非営利事業の運営を仕事をしながら学ばせてもらいました。
これが今のtentenの活動を始めるときの基礎知識となりました。

そして、もう一つtentenを始める大きなキッカケが。
BFFは、いわゆる”マイプロ”と呼ばれる自分のやりたいことを実現するためのプログラムを運営していたので、そういう高校生たちと触れ合う時間ができたこと。
学校の勉強じゃない、誰に言われたわけでもない、自分がやりたいと思ったことをしている高校生たちって、本当無敵。
この人に会いに行ってみよう、話を聞きに行こう!そしてやってみよう!って躊躇なく行動するんです。
公務員時代、私はデスクでパソコンに向き合うことが仕事だと思っていました。何か調べるのも勉強するのもパソコンの前でした。そして仕事をしたつもりになっていました。
その感覚が、BFFに来ている高校生たちを見てガラガラと崩れていきました。

「あれ?私も実はマイプロあったよね・・・。「地方に結婚や転勤で転入した女性たちをサポートする活動をやりたい!これは世の中に必要だ!」って思ってたじゃん!」

BFFの高校生みたいに私も行動してみよう!
BFFで働きはじめて3年後、団体の代表に想いを打ち明けると「やってみたらいい」と背中を押していただいたのです。

8年越しに動き出す

まず私も高校生たちを見習って人に会いに行きました。
色々調べると、意外にも同じ県内で同じ想いで活動している団体があったのです。「いわき転入女性の会」といういわき市で活動する団体でした。
福島市からいわき市は高速を使っても2時間。でももう行くしかない!と団体の方に連絡を取り、日帰りで行ってきました。現地滞在時間は3時間ぐらいだったかも・・・
でも行こうと思ったら行けるんです。

ありがたく、いわき転入女性の会の方は温かく迎え入れてくれ、ちょうど転入女性の交流会に参加させていただけたのです。
そして「これを私は福島市でやりたいんです!」と伝え、快く運営方法などを教えていただきました。

私のやろうとしていたことはまさに非営利活動でした。
8年前、何から始めていいのか分からなかったのは、非営利活動の運営方法を知らなかったから。

福島に来て人生の路頭に迷い、地方に転入しさらには転勤族の妻としての女性たちの苦悩をジブンゴトとして経験したおかげでやりたいことを見つけたものの、その後、子育てに忙殺され、非営利団体で働くことになり、そのおかけで非営利活動の運営方法を学び、高校生から行動する大切さを学んだ今、ようやくスタートラインに立つことができたのでした。

やりたいことを見つけてから8年。
キャリア官僚を辞めて福島に来てからは10年が経っていました。


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