おやおや、今日も今日の日差しを浴びて、
いぬうた市はご自宅のお２階のあるベランダで、
この晴天の元において、
ずいぶんと満喫されているご様子ですが、
そんな、きゅん君も、ぐーちゃんも、
さぞかし性格はおおらかなんでしょうね。
細かいことなんて一切気にしないというか、
例えば、縁起を担いだりとか、ジンクスがあるとか、
ないとか、そんなことも全くないんでしょうね。
「おい、黙って聞いてりゃ、僕を無神経みたいに言いやがって。こんな風に見えたって、ただ寝転んでいるだけじゃなく、いろいろ考えているんだよ」
と、きゅん君に怒られてしまいました。
えへへのへ。それは大変失礼しました。
ということは、ぐーちゃんもおんなじ感じですか？
一見、のんべんだらりと何も考えてないように見えますが、
悩みなんて一切ないんでしょうね。
「こらこらのこらっ！ぐーが何にも考えていないですって！お悩みなんかないっですって！そんな訳さんないじゃない！今もお頭の中は考え事さんでいっぱいよ！今晩のご飯さんはゆっくり食べるか？それともがっついてお一気に食べるか？そんな事でお頭がいっぱいで悩みに悩んでいるのよ！」
とは、ぐーちゃんの精一杯の弁明です。
なるほどね。まあまあ想像はしていましたが、
やはりやはりのその程度の考えや悩みですか。
となると縁起やジンクスなんかも関係ないですね。
「何だよ。さっきから。縁起とか？ジンクスとか？あんまり難しいこというもんじゃないよ。
知識をひけらかすのもいい加減にしろよ」
「そうよ。でも、ぐーは、きゅんと違って頭さんの出来が違うから知っているわ。エリンギさんとパンプスさんでしょ。エリンギさんは美味しいモノで、パンプスさんはよく分からないけど、靴さんの一種ね」
ぐーちゃん、エリンギではなくて縁起で、
パンプスでなくてジンクスですよ。
「まあ、そうなの。でも、どちらさんにしても、ぐーにはお関係ないモノさんね」
まあ、そうでしょうね。
って、あら、ぐーちゃん、今、何をしました？
今、後ろの左足で頭掻こうとしたところ、急にそれを止めて、後ろ右足に変えましたね。それって何故ですか？
「あっ、よく見てるじゃない。じゃあその観察力さんに免じて教えてあげる。ぐーは右足さんで掻くほうが、そのあといい事があったりするのよ。不思議さんと。だからそれを思い出したから、左足さんから右足さんに変えたのよ」
ぐーちゃん、あるじゃないですか。
それが縁起を担ぐというか、ジンクスですよ。
すると、ぐーちゃん、大喜びです。
「何だ！そうなの！わーい！ぐー、あったわー！担いじゃったわー！エリンギさーん！パンプスさんあったー！」
縁起とジンクスですが、そうですか、ぐーちゃん、
ぐーちゃんは繊細な方ですもんね。
だから、やっぱりそうゆうことを気にするんですね。
「そうよ。ぐー、繊細さんだからー！誰かさんと違ってー！」
と、ぐーちゃん、ニッコニコ顔です。
が、一方の、誰かさんこそ、
きゅん君は正反対のふくれっつらで、
「ぼ、僕だってあるよ。縁起やジンクスくらい。えーと、ご飯は来たら、いち早く食べるとか、あとは、えーと、寝る時はなるべく丸くなるとか、あと、えーと」
と、やっぱりよく分かっていない、縁起や、ジンクスとは、
無縁の、きゅん君なのでありました。