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昔、着ていた洋服が!

そうそう、最近、いぬうた市の、きゅん君と、
ぐーちゃんにこんなことがありました。
それは、ある日の散歩の時です。
おふたりがママと道の端っこに、
てくてくと歩いていましたら、反対側の端っこを、
前から飼い主と歩いて来る、わんこがおりました。
その、わんこは、きゅん君や、ぐーちゃんよりも、
更にひとまわりほど小さかったのですが、
驚くべきは、そのわんこが着ていた洋服でありまして、
それはどこか、ふたりに見覚えのある服だったのです。
「あれ?ぐー、あの犬が着ている服って、僕らが前に着ていたのと同じじゃない?」
それにまず気付いたのは、きゅん君でした。
「そうだわ!前に、ぐーが着ていたのとおんなじさんだわ!確か、あのお洋服さん、いつの間にか小さくなっちゃったから、そのうち、ぐー、着れなくなったんだったー」
それは、ぐーちゃん、洋服が小さくなったのでなく、
ぐーちゃんが大きくなったからなんですけどね。
ぐーちゃんが着る前は、きゅん君も着ていましたね。
きゅん君も同じように大きくなったから、
ぐーちゃんに譲ったんでしたね。
「でも、そのお洋服さんを、何であの方が着ているのかしら?もしかしてそっくりさんのだけなのかもしれないわね」
と、その日はそれで終わったのですが、
その数日後、またそのわんことすれ違いまして、
今度はこの間着ていた服とまた別の服を着ていたのですが、
それがまた前に自分たちが着ていた服と、
そっくりだったのです。
その服を見て、きゅん君と、ぐーちゃんは、
キツネにつままれたような気分になりました。
「どうゆうことかしら?お最近着てなかったといえ、ママがおウチの何処かに置いてあるハズですけど」
そうゆうことですよねえ。ぐーちゃん。
だったらやっぱり、ただ似ているだけではないですか?
「いや、そんな訳ないよ!あれは絶対、僕らの服に間違えないよ!ということは?」
と、いうことは何ですか?きゅん君。
「と、いうことは何だろう?しかしこれはミステリーには違いない!ぐー、僕らでこのトリックを暴くんだ!」
そう言ってから、きゅん君は、ぐーちゃんと、
家に着いてからも、あーでもない。こーでもない。
と、この謎について、ずっと考えるのでした。
で、そろそろ分かりました?
結論は出ましたかね。
すると、きゅん君、ぐーちゃん、ニヤッと笑って、
「出た!出た!出ましたー!散々、ぐーと推理した結果、これしかない!という結論が出ましたー!それは、服が勝手に出ていったー!ということです!」
「そうよ!あのお洋服さんたち、ぐーたちはもう着れないから、いぬうた市の何処かの誰かさんで着れる方を求めて、ある日、こっそり出て行かれたのよー!」
とは、きゅん君、ぐーちゃんの推理結果でしたが、
残念ハズレです。
正解は、おふたりが着れなくなったあの服たちを、
ママが近所のペットサロンを通して、
誰か着れるわんこにあげて下さい。と、譲った訳でした。
だから、あのわんこはそのペットサロンで、
おふたりの服をもらったんでしょう。
「なーんだ。そうゆうことか。聞いてみれば、ごくごく単純な話だね」
と、きゅん君、納得な表情で、
「なーんだ。ぐー、お洋服さんが歩くの見たかったのにー」
と、ぐーちゃんはガッカリな表情でした。
で、そのまた数日後、またまた、道で、バッタリ、
そのわんこに会って、またまた元ふたりの服を着ていて、
またまた道の端っこと端っこだったから、
直接は話せませんでしたが、
「その服、よく似合っているよー!」
と、大声で声をかけた、
きゅん君と、ぐーちゃんでありました。

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