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みんなつながっているね

いぬうた市に住んでいる、わんこの、
きゅん君と、ぐーちゃんは、ふたり共、
黒い、わんこでルックスもどことなく似ています。
とは言っても、きゅん君は男の子で、
ぐーちゃんは女の子なので、
違うところは、いっぱいありますが、
同じ地域から来た、保護わんこなので、
もしかしたら、どこかで血がつながっているのかもしれません。
「僕と、ぐーがつながっているだって?おかしなこと言わないでよ」
「それは、ぐーのセリフよ!イヤなのは全然、ぐーなんだから。こともあろうか、きゅんと血管さんがつながっているだなんて、冗談じゃないわ」
ぐーちゃん、血管じゃなくて、血なんですけどね。
ルーツがどこかで一緒じゃないか?っていうことなんですが、
今だって、同じようなリアクションですし、
それでなくても、雰囲気がよく似てるって、
もっぱらの評判ですよ。
「えーっ!」っと、これまた同時に同じ反応をした、
そんな、きゅん君と、ぐーちゃんです。
「僕はママとはつながっているけどね。それは心でね。でも、ぐーはリードでしかつながってないけど」
おや、きゅん君、そんなこと言っていいんですか?
ぐーちゃんは大層怒っていますよ。
「いい加減なこと、言わないでよ!きゅん!ぐーほど、ママと心がつながっている方は他にはいないわ。それが例え、きゅんだって!だいたい、きゅんは、ママが何故、ぐーたちを散歩に行く時、リードにつなぐのか?その気持ちが前分かっていないわよ。リードでつなぐのは、ぐーたちを大事にしてくれている証拠なのよ」
ぐーちゃんは、そう、いきり立って、
きゅん君に、話しまくりましたが、
まあまあ、おふたりの気持ちはそれぞれ分かりましたから、
これ以上のケンカは止めて、気分直しに散歩でもどうですか?
ほら、ママが散歩に行こうと言っていますよ。
さあ、リードをつけて、おふたり、心も身体も、
ママとつながっているということで、いいじゃないですか。
と、進言すると、きゅん君も、ぐーちゃんも、
頭が冷えたようで、これから、いぬうた市内に、
散歩に出発です。
そうして街中にいざ出ると、街には、
いろいろつながっているものがありますね。
きゅん君がまず、それに気付いて言いました。
「あっ、あそこの、ドッグカフェ、あそこに行くと、おいしいおやつや、ミルクとかくれる。
あそこと、僕は確実につながっているよ。僕のお腹の中と、しっかりね」
それを聞いた、ぐーちゃんは言います。
「きゅんは結局、食べ物のことしか興味がないわね。それに比べて、ぐーは、一味も二味もランクが違うわ。ぐーとつながっているのは、お空よ。一見、あんなに遠い、お空だけど、雲さんや、風さんや、鳥さんなどを経て、地上の、ぐーと、確実につながっているの」
さすがは、ぐーちゃん、言うことが、きゅん君と、
ちょっと違いますね。
あっ、きゅん君、その表情は、何か反論でもありますか?
「当たり前じゃないか。ぐーの言っていることはただの綺麗事に過ぎないね。僕みたいに正直なことを言わないと」
確かにそうかもしれませんが。
おっと、ここでまた、ぐーちゃんが何か、
言いたい顔をしていますが、
そんなこんなしているうちに、そろそろ散歩も終わって、
お家に着いたようですよ。
「まあ、この決着はまた後日だな」
「望むとこよ。なんなら今晩の夢の中でも」
そんな、おふたりのお言葉を受けて、
その夜、きゅん君と、ぐーちゃんは、
夢で決着をつけるようです。
寝入った、ふたりは、おんなじ夢の中に入って入って。
まあ、この先は、おふたりに任せましょうか?
きゅん君、ぐーちゃん、どうやら、おふたり、
おんなじ夢を見ているようで、
そこで、お互い言いたいこと、いろいろ言い合っているようですが、
ここでも、結局、なんだかんだ、めちゃくちゃつながっている、
きゅん君と、ぐーちゃんなのでした。

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