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愛情物語

「どうもですー!いぬうた市の、ぐーです!ぐー、歯磨きさんは嫌いですけど、歯磨き粉さんは好きな、ぐーこと、ぐーですー!このお場合、一体、どうすればいいのー?」
と、冒頭から、ぐーちゃんの問いかけから始まりましたが、
そうですね。きゅん君、どうすればいいと思いますか?
「そんなの簡単だよ。ぐー、歯磨きが嫌いなことと歯磨き粉が好きなこと、どっちが、ぐーの中で大きいことなんだ?重いことなんだ?」
そう、きゅん君が、ぐーちゃんに逆に問うと、
「そうねえ。それは、ぐー、歯磨き粉さん、大好きだから、歯磨き粉さんね」
と、ぐーちゃん、答えました。
「だったら歯磨きを我慢すればいい。歯磨き粉を食べれるんだから、それくらいは我慢だ」
「そうかあ。分かったわ!ぐー、歯磨きさん、我慢するー」
きゅん君のその導きに、ぐーちゃん、スカッと、
納得したようで、ではこれでこの件は解決ですね。
では本日はこれでー!
と、あら?今度は、きゅん君、
何か、引っかかったような顔をしてますけど、
どうされました?
「いやいや、何でもないよ。何でもない」
と、口では、きゅん君そう言いましたが、
心中では、こう思っていました。
「ヤバい!このままだと、ぐーは歯磨き好きになってしまう。僕は歯磨きも歯磨き粉も嫌いなのに、これでは、ぐーだけ歯磨き好きのいい子になって、ママは僕を、一方未だ歯磨きを克服出来ないしょうもない子と認定するだろう。ヤバい。あんなアドバイスするんじゃなかった」
と、先程、ぐーちゃんに言ったことを、
後悔していたのでありました。
そこで今度はまた歯磨きに対する悪いイメージを、
ぐーちゃんに植えつけようとし始めたのです。
「ぐー、言い忘れたが、歯磨きの時、僕らは飼い主に抱っこされるが、これはどのように感じている?」
そうなんです。きゅん君と、ぐーちゃんは、
歯磨きタイムの時、ママが歯磨きをしてくれるんですが、
歯磨きしやすいように飼い主が、
抱っこを担当しているのです。
しかし、ぐーちゃんは飼い主のことを、
こころよく思っていませんから、
このことを、ぐーちゃんに思い出させて、
歯磨きに積極的になりかけた心に、
悪いイメージを浮かび上がらせて、
また歯磨きのことがイヤになるように、
仕向けたのでありました。
しかし、きゅん君、この作戦はどうやら失敗に終わりそうですよ。
ぐーちゃん、歯磨き粉に対する愛に芽生えたようで、
「ぐー、今はもう歯磨き粉さんへの愛情がいっぱいだから、飼い主程度のおマイナスがあっても全然大丈夫さんだからー」
と、いつ間にか、ぐーちゃん、
同時に精神も強くなっていたのでした。
やっぱり好きなモノがひとつでもあると、
強くなれるんですね。
「いっそ、ママ、歯磨き粉さんをおご飯に混ぜてくれないかしらー」
と、そんなことまで言ったりして、
以上、ぐーちゃんと歯磨き粉の愛情物語でしたー。

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