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オモチャは新しい方がいい

さあ、やってきましたよ。
って、何が?というと、アレですね。
例のアレです。
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんが、
毎月来るのを楽しみにしている例のアレです。
「まあ、今月もいらっしゃったのね。アレさんが。今回はどうゆうアレさんでしょう?」
と、ぐーちゃんも期待がワクワクです。
「ちょっと待ってよ。何だよ、ぐーまで。アレとか言っちゃってさ。ちゃんと説明しないと分からないじゃないか。アレというのは、わんずボックスという、犬グッズがいろいろ入った宅配便で、ママが、それを毎月注文してくれていて、その中に必ず入っているのが、それが毎回その季節季節に沿ったオモチャのぬいぐるみなんだよ。それがアレでございます」
と、きゅん君、アレもとい、今月のぬいぐるみを、
早く見たい気持ちを抑えて、しっかり説明してくれました。
ご苦労様でした。
では、いよいよ、ママが箱を開封しますよ。
さてさて、今月のオモチャは何だろな?
っと、ママが取り出しましたのは、何と、
ツタがロープになっているイチゴのぬいぐるみでありました。
これは遊び甲斐があるんではないですか?
ロープのツタを、きゅん君と、ぐーちゃんで、
引っ張りあったりできるし、
これならおふたりで遊べますね。
なんて間に、きゅん君が素早くママから、
イチゴのぬいぐるみを奪取して、
口に咥えたまま2階へ逃げ去りました。
きゅん君、だからこのぬいぐるみは、
ぐーちゃんと遊べるんですってば。
「イヤーなこったい!僕はこの新しいイチゴのぬいぐるみをひとり独占して遊びたいんだよ。ぐーは先月来たカバンのぬいぐるみでせいぜい遊べばいいんだよ」
それを聞いた、ぐーちゃん、いたく憤然とします。
「何ですって!ぐーに新しくいらっしゃったイチゴさんで遊ばせないつもりなの!ぐー、お先月のカバンさんだって大好きだけど、今は新しいイチゴさんで遊びたい気分なのよ!」
と、言って、ぐーちゃん、2階に逃げた、
きゅん君を追いかけます。
「きゅん!どこにいるの?」
ぐーちゃんが階段を駆け登りながら、声をあげます。
ぐーちゃん、きゅん君はどうやら寝室のベッドの上ですよ。
「本当だわ!きゅん!見つけたー!」
と、ベッドの上で新しいイチゴのぬいぐるみを、
さあ、思い切りガジガジしようと思ったさなか、
ぐーちゃんという邪魔が入りました。
「何だよ!ぐー!あっち行けよ!僕は今からこの新しいオモチャのお試しをするんだから!」
と、きゅん君が言えば、
「何よ!ズルイわよ!きゅんばっかり!ぐーだって新しいイチゴさんと遊びたいのにー!」
ぐーちゃん、そのイチゴのぬいぐるみの、
ロープになっているツタを口で引っ張ります。
「やめろよ!ぐー!邪魔すんな!」
きゅん君、負けずに、イチゴ部分を咥え直して、
ぐーちゃんの引っ張り攻撃に防戦して、
オーエス!オーエス!と
引っ張りっこというか、綱引きというか、
結果、とにかくこのぬいぐるみに用途にピッタリな、
遊び方をおふたりがして、最高に楽しい、
イチゴのオモチャのぬいぐるみが、
きゅん君と、ぐーちゃんの家にやってきたのでありました。

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