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空には食べ物がいっぱい

そろそろ秋から冬に移り変わりそうな昨今の、
いぬうた市です。
わんこであられるところの、きゅん君と、ぐーちゃんとしては、
まだそんなに寒くもなく、暑さも終わった、
今がとても快適な季節であります。
なので最近の散歩が楽しくて仕方がない、
おふたりなのでありました。
その上、今日は大好きなママとの散歩です。
天気もよく、午前中の明るい空の下、
ウキウキとテンポよく歩いていると、
自然と顔も上を向くのでありました。
青く澄んだ空には白い雲が満面と集まり、
住宅街ながらも庭が大きい家が立ち並ぶこの区域は、
まだ紅葉にはちょっと早い木々がここそこに見えて、
きゅん君と、ぐーちゃんは、今の季節を満喫しております。
そんな散歩の途中、あることに気付いた、きゅん君です。
「ぐー、見てみろよ。上空には食べ物がいっぱいだ」
ぐーちゃんは、どうゆうことだろう?
と思って、
更に空をよく見てみます。
そこに、きゅん君が解説をしました。
「木には柿やみかんや柚子がなり、空の雲はイワシ雲だ。何と美味しそうな食べ物ばかりなんだろう。ひとつ上空を見上げるだけで、こんなにも食べ物があふれているだなんて」
でも、きゅん君。
木になっている柿やみかんや柚子は確かに食べ物ですが、
イワシ雲というのは、雲の形が、
泳いでいるイワシの大群に見えるだけで、
食べれるイワシではないと思うのですが。
しかし、ぐーちゃんはそんなことに全く気付かず、
「わあ、本当ね!どれもこれも美味しそう!ぐーのところに落ちてこないかしら!」
と、素直に感動しています。
「果物は落ちてくる可能性はあるけど、雲は難しいんじゃないかなあ」
と、きゅん君、冷静にこれを受けると、
「果たして本当にそうかしら?きゅんの言うことはイマイチ信じられないから」
ぐーちゃんにこんな感じで言われてしまいました。
さて、そんな感じで、いぬうた市は夜になり、
きゅん君と、ぐーちゃんが家でくつろいでいると、
外から何やら、音が聞こえて、きゅん君が耳をすませば、
ポツポツとそれは雨でした。
「ぐー、雨が降ってきたみたいだな」
きゅん君が何気なく、ぐーちゃんに言うと、
「えっ、本当!やったー!イワシさんが落ちてくるわー!」
ぐーちゃん、大喜びの様子です。
どうやら、ぐーちゃんは、イワシ雲が、
雨になって地上に落ちてくると思ったようで、
でも、きゅん君には何のことか分からず、
きょとんとする中、
「明日の朝が楽しみだわー!きっと、お外はイワシさんでいっぱいなハズよ」
などと言って、わんわん!家の中を喜び走り回る、
ぐーちゃんなのでした。

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