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一人ひとりの声に向き合う、TENTIALの「従業員パルスサーベイ」手法を全部公開します!予算ゼロでも大丈夫!

こんにちは!「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」会社、TENTIALでCFOをしている酒井です。気づいたら人事部長としても1年以上経ってしまいました。

突然ですが、あなたの会社の組織コンディションって良いですか?悪いですか?、改善していますか?悪化していますか?

答えられなかった方はもちろん、これに答えられた方にも、何か新しいノウハウをお伝えできるとよいなと思って、この記事をしたためます。

当社がサーベイを開始した背景

私が1年前にCFO(兼 人事)に就任した際、とにかく不安でした笑

どちらかといえば「守り」の経営者であるCFOが、伸び盛りのスタートアップに入っていくことで、組織のコンディションや、良い文化を壊してしまうことがとても怖かったのです。
この不安、特に創業者でない経営者は、みな感じるところではないでしょうか。

そのなか、たまたま、私はデータの可視化・分析マニアでした。 大学時代は野球の統計解析、新卒のコンサルではビジネスモデリングやサーベイの設計、前職のマネーフォワード社では分析組織/データウェアハウスの立ち上げを行っていました。

そういった不安と経験が合致して、サーベイを取ることを決めたのは、自然ななりゆきでした。

GoogleFormでOK!

思い立った翌日にはパルスサーベイを開始したのですが、すぐサーベイを始められたのは、ひとえにGoogleFormのおかげです。
これからお話することは、全てGoogleFormの機能で事足ります。

市販のSaaSを使うメリットとしては、

  1. 専門的なノウハウの、コンサルを受けることができる。

  2. スコアを他社の平均値と比較できる。

  3. リッチな分析が自動で行われる。

あたりでしょうか。
私としてもタダで使えるなら使いたいのですが、GoogleFormを使っていて特段困りごとはないです。

パルスサーベイとは、そして基本的なコツ。

MiTERASより引用:https://www.persol-pt.co.jp/miteras/column/pulsesurvey/ (2022-05-02)

従業員パルスサーベイとは、週1回~隔月程度の短いスパンで、従業員が何を思っているか・組織コンディションを測るために行うものです。

このとき、頻度と設問数はトレードオフだと思ってください。 目安としては、1年あたりの負荷が1時間程度に収まるようにするといいでしょう。 ただし、後述するとおり設問の抜き差しを限定しつつ、将来の設問増加に耐えるため、当社の場合は5分で回答できる調査を隔月で行っています。(5分/回×6回/年=30分/年)

また、全数調査を基本としてください。 ひとりひとりの声を拾うことが重要な調査であり、またサンプル調査では必ず偏りが出るため、場合によっては特定の属性に偏って声が拾えなくなる恐れがあるためです。
国勢調査が全数調査であるのと、だいたい同じ理由です。

匿名性への配慮

また、他にトレードオフとなるやすいのが、匿名性と率直性です。 統計があるわけではないですが、匿名性が下がるほど、従業員はサーベイが評価等に繋がったり、上長との関係性を意識することで、率直性が下がる≒実際よりも良い結果が出てしまうと考えられます。

これは、氏名やメアドを収集しない(いわゆる匿名)ならば良いというものでは”ありません”。
たとえば、所属チーム、年代、職種を聞くアンケートを想定しましょう。 この聞き方の粒度を間違えると、例えば、あるチームに20代のデザイナーが一人しか所属していなければそれらの情報から特定の1名を推定できてしまいます。
有用性の観点からこういった情報はとりたいと思いますが、すべての軸を使って分析したときに、少なくとも3名が、各グループに存在するような軸を取るのが理想的です。

また、記述式回答も、必ずサーベイのオーナーが内容を確認した上で共有するようにしてください。場合によっては、その回答で個人が特定できる可能性があり、またそれが従業員NPSなどクリティカルな回答と紐づいてしまう恐れがあるためです。
したがって、生データの共有はかなり限定することになります。

設問設計のコツ

まず、分析するとは、集計したものを「何かと比較する」ところまでがセットであることを意識してください。
そして、今回の比較対象は、大きくは「他社」と「過去の自社」です。 この観点で、いわゆるApple to Appleな調査を心がけます。

この文章はりんごジュースを飲みながら書いています。

まず、「他社」と比較を容易にするために、従業員NPSはなるべくプレーンに取得しましょう。具体的には、バイアスが掛かりにくい1問目に、「あなたは[会社名]で働くことをどの程度親しい友人や家族にすすめたいと思いますか?」という文章をそのまま入れてください。 そうすることで、例えば当社の従業員NPSである22に比べ、高いか低いかということが、高い信頼度で確認できます。

次に、「過去の自社」と比較するために、設問内容を磨けるだけ磨き込んで、設問数も減らしてください。 設問内容の文言や順番はなるべく変えないでください。順番や聞き方によって多かれ少なかれバイアスがかかるからで、これはローンチする際に1年以上先を見据える意識が重要になります。 設問数を減らすのは、今後設問を絶対増やしたくなるからです。そのときに回答負荷が上がりすぎないようにする配慮です。
特に、設問を静的にすることは、サーベイ集計の効率にも関わってきますので、最初にしっかり考えることをおすすめします。

依頼時のコツ

依頼する際にも、Apple to Appleを意識してください。 神は細部に宿ります。
具体的には、当社は必ず隔月第1水曜日の午前中にサーベイを送るようにしています。 これは、会社の会議体や、祝日の影響、「ブルーマンデー」といった効果を除くためです。 (たまに忘れちゃうこともありますが…。)
依頼する際には、

  • 全数調査なので全員回答してほしい

  • [5]分で回答できる内容

  • とはいえ、大事なサーベイなのでしっかり時間をとって回答してほしい

といった点を強調しています。
私の依頼文面は以下のとおりで、これもなるべく毎回同じ文面を使うようにしています。

はやいもので第X回TENTIALサーベイを実施します!
隔月行う全数調査ですので、社員全員必ず回答をお願いします:love_letter:
MTGが早めに終わったあとの5分で回答できる調査です:clock1:
こちらのリンクからさくっと回答できます。
[リンク]

今日中の対応をおすすめしますが、月曜の12:00が締め切りです。
みなさまどうぞ宜しくおねがいします!:man-bowing:

※初めての方へ
TENTIALサーベイとは、完全匿名の組織定点調査アンケートです。
定量的な意見を統計的に確認しコンディションを理解することと、
定性的な意見のひとつひとつと向き合って対応することを目的に行っています。
難しいことは考えずに、気軽にご回答くださいませ!

活用のコツ

活用のコツはこちらに記載の通りです! 大事なことは、表面の数字に一喜一憂せずに、自由記述回答の内容にしっかり目を通すことです。 これは、人事を管掌する役員が主導すると良いでしょう。

担当者レベルとしては、サーベイがあつまったらすぐに集計すること。 とくに時系列の推移を意識して、示唆とともにレポートすることが、経営が活用するために需要になってきます。
例えば、5分×50人として、4時間超の他人の時間を使っているので、それに見合ったアウトプットを常に意識してください。

最後に

この度は、最後まで読んで頂きありがとうございました! もしよければ、スキやシェアいただけると幸いです!

TENTIALは、科学的な視点も活用して、従業員ひとりひとりを大切に経営している会社です。そんな会社に興味を持ってくださった方は、ぜひこちらから当社のことを、もっと知って頂けるとうれしいです。

また、詳細について詳しく知りたい方は、お気軽に私にDMしてください!

最後まで読んでくれた方へのおまけ: 当社の設問一覧

※ 記事中で5分って言ってましたが、もう10分弱くらいまで負荷高まってそうですね…
※ FA…フリーアンサー(自由記述) SA…シングルアンサー

基本
あなたはTENTIALで働くことをどの程度親しい友人や家族にすすめたいと思いますか? (0~10のSA)
上の設問のように回答した背景を教えて下さい。 (FA)

分析軸の調査 
社して何ヶ月が経過していますか? (SA)
職種はなんですか?最も近いものを選んでください。 (SA)
現在、主にどの事業を運営していますか? (SA)
どのような部下がいますか? (SA)

従業員NPSの因数
TENTIALのミッション・ビジョンに共感している。 (1~5のSA)
TENTIALのバリュー・カルチャーを意識して仕事をしている。 (1~5のSA)
経営に対して、意見を持つために必要な社内外の情報が、手に入る環境である。 (1~5のSA)
自分の意見を、経営に反映できる機会が与えられている。 (1~5のSA)
会社経営全般に対して、何か感じていることがあれば教えて下さい。 (FA)
自分の所属している部に対して、意見を持つために必要な社内外の情報が、手に入る環境である。 (1~5のSA)
自分の意見を、自分の所属している部に反映できる機会が与えられている。 (1~5のSA)
自分の所属している部の改善案があれば教えて下さい。 (FA)
その他、自分の所属している部に対して、何か感じていることがあれば教えて下さい。 (FA)

コーポレート組織360度評価
人事に関する制度やツール等を通じた個人の生産性は、3ヶ月前と比べて向上している。 (1~5のSA)
人事に関する制度や、その案内はわかりやすい。 (1~5のSA)
人事以外(例:経理、ITインフラ、労務)に関する制度やツール等を通じた個人の生産性は、3ヶ月前と比べて向上している。 (1~5のSA)
人事以外(例:経理、ITインフラ、労務)に関する制度や、その案内はわかりやすい。 (1~5のSA)
管理基盤部の対応は、快適さと安心さを兼ね備えている。 (1~5のSA)
コーポレート本部の業務に対して、何か感じていることがあれば教えて下さい。 (FA)

DE&I
自分自身について、DE&I(多様性、平等性、包括性)を意識した行動ができている。 (1~5のSA)
会社の身の回りの人について、DE&I(多様性、平等性、包括性)を意識した行動ができている。 (1~5のSA)
経営者は、DE&I(多様性、平等性、包括性)を意識した行動ができている。 (1~5のSA)
当社のDE&Iポリシーを読んだことがありますか? (読んだことがある、これから読む、読む気がないの三択SA)
当社のDE&Iの進めかたについて、感じることがあれば教えてください。 (FA)