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いつのまにかFが押さえられた

13歳の時、BEATLESの赤盤を聴いてロックに目覚めました。それで貰い物でギターを練習してみたのですが、一晩頑張ってFが抑えられなくてやめました。非常によくある話です。ありふれすぎていて「ふーん」としか言えない話ですね。

それから17年くらい経って30歳。同居していた友人のギターを何気なく触っていると、いつの間にかFが押さえられるようになっていました。あら不思議。
さらに一か月するとなんとBが押さえられるようになり、さらに二カ月後には「Blackbird」という曲が弾けるようになっていました。やだ素敵。
今でも暇を見つけてコピーしたり、コードで遊んだりしています。でら楽しい。

さて、なんで13歳の時にできなかったことが、30歳になってできるようになったのだろう、と考えてみました。
手が大きくなったから?自分に合ったギターだったから?ちがいます。答えは簡単で「根気」です。これは「のんき」と言い換えてもいい。

あの頃の私は、ギターを手にして一晩かそこらで、ジョージ・ハリスンと同じギターを弾きたがっていたのですね。そして、それができない自分に耐えられず、悲観的になってしまったのですね。そんな一晩で上手くなるかよ、とあの頃の自分に言ってあげたい。天才かお前はと。
対して、年をとってある程度のんきになった私は、「こんなふうに弾きたい、弾けなくてはならない」という構えではなく、ビール片手にたどたどしく、のんきに演っていたわけです。非常に楽観的です。でもいつの間にか弾けるようになっていた。少しずつでも毎晩、楽器に触ってたからです。

「なりたい自分」に対して、人はつい急いだり、大きな目標をたててしまったりします。それ自体は別段悪いことだとは思いませんが、うまくいかなくて悲観し、ついにはやめてしまうことは、即トドメになってしまいます。諦めたらそこで演奏終了なのです。
であれば、ゆっくりでも、自分なりに毎日楽器に触ったらいい。遠くの目標よりも、足下の一歩。

Fなんか、いつの間にか押さえられるようになるのですよ。


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