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逆転してるかは怪しいけど勉強になる『マンガで分かる逆転発想勉強術』

とにかくやれ!

勉強術みたいな本を手に取る理由って「やらないで済む方法ないかな?」なんですが、基本書いてあるのは「とにかくやれ!」なんですよね。

そりゃそうです。世界一の天才だって赤ん坊の時に「1192作ろう?」と聞かれて答えられるわけありません(今は1192じゃないとか言わない)。知らなければ(勉強しなければ)答えられないのです。

本書でも以下のように書かれています。

いわゆる「習うより慣れよ」です
〔中略〕
「やること」そのものが「ベストのしかた」です。

『マンガで分かる逆転発想勉強術』p.35

『成功する方法はたった一つ』
『成功まで失敗し続けることだ』

『マンガで分かる逆転発想勉強術(2)』p.113

耳が痛い…。しかし、言ってることは同じでも、本書はクラスメイトと「〇×▽□☼♡🙂(本文ママ)」するために美人お姉さん先生が緩く勉強法を教えてくれる漫画です。耳の痛みも致命傷で済みます

読んだ直後は「やっぱり漫画だから内容が薄いな…」なんて偉そうなことを思ったのですが、結論が「とにかくやれ!」だと考えるとこれがベストかもしれません。スケジュールの立て方や勉強術を山ほど学んで、あれをやらなきゃこれをやらなきゃと考えて肝心の勉強が始まらなければ意味がないですよね。

本書を本棚にしまって背表紙を見る度にやる気スイッチを入れられれば、それだけでも値段の数十倍の価値があるでしょう。

この「とにかくやれ!」は先日第二部が完結した『左ききのエレン』とinゼリーのコラボ漫画でも感じました。効率等はもちろん大切ですが手を動かさないと始まらないのは勉強でも仕事でも世の常…。

逆転してるかな…?

とはいえ原作が精神科医のゆうきゆう先生でもあるので、心理学等に裏付けられた勉強を始めるための逆転発想勉強術がいくつも紹介されます。

正直「逆転してるか…?」と思うことは多かったです。最初の「やる気がないなら勉強するか遊ぶかギャンブルで決める」が最も逆転感あったような気がしました。

ということで逆転感はあまりないのですが、一つ一つの内容は参考になります。中でも好きなのが「心から出た言葉を否定しない」という教え。『漂白剤で本のシミ抜きに挑戦する』で使用した書籍『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』でも似たようなことが書いてありました。

「クルマ」や「経営者」は、その本音を象徴するアイテムにすぎない。「みんなから思いっきりチヤホヤされたい」という本音が自分の「理想像」だなどとは認めたくないから、ていよく「クルマ」や「経営者」と書いたのではないですか?

『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』p.63

自分がよく考えているのが、金銭・地位・名誉が完全に満たされて死ぬまで何の心配もなく全く不自由のない人生を送れると決まったら自分は何がしたいのだろうということです。

よく不老不死キャラが「死にたい」とか言っていて子供の時は浅いと思っていましたが、このように考えるようになって最近は「確かにそう思うかもしれない…」と思ってきました。

勿論こんなことは起きないですし、この仮定を信じ込んで行動をするのは現実的ではないのですが、今やりたいと思っていることの本音は何だろうと考えるようにしています。

「心から出た言葉を否定しない」は大切ですが、心から出たと思い込んでいるだけで実はそうでないことも多いですからね。これは意外にも子供の時より大人になってからの方が自分自身含め周囲で感じますね。

トイレが詰まっても大丈夫

本書は結構前に読んだ本で年末年始の大掃除ついでに読み直していたのですが、これ最近聞いたなという内容がありました。

『自分と同じレベルの異性』をイメージすることで自分のことを客観的に見てアドバイスすることができるの

『マンガで分かる逆転発想勉強術(2)』p.8

これはまさに骨しゃぶりさんの『自分事を他人事として捉える思考法』ですね。本音を隠すこともそうですが、自分を客観視するとダサいことって山ほどありますよね。

自分を客観視するのは難しいので、週刊少年ジャンプが好きな自分はバットマン効果のようになりきりヒーローを意識しています。飛影はそんなこと言わない(違う)!

本書の第14回『誰でも、ヒーローを持っている』でも似た話が出てきますね。まあ第8回『ライバルを、ライバルと思うな』で同一化の説明をしているのに、第14回でまた同一化の説明を始めて頭がおかしくなったのかと思いましたね…。原作、作画、編集、誰か気が付かなかったのでしょうか…。

なりきりは特定のヒーローだけじゃなくて場面にも使えます。トイレを詰まらせて水が止まらなくなったような場面でも『ジョジョの奇妙な冒険』のように「なにィーーー!」と大げさに慌てることで逆に落ち着くことが出来るでしょう。フー、スッとしたぜ。

(この場合は『トリック新作スペシャル1』の方が良いかも)

全く関係ないですが、BUMP OF CHICKENの藤原基央さんが上京した当時の苦労話を知って自分も頑張らなきゃなあという気持ちになりました。「藤原基央 バイト」とかで調べると出てくると思います。

美人教師マナ先生

最後に、美人教師マナ先生の魅力の話を。

一巻のカバー裏で着替えをしたりしている美人教師マナ先生ですが、とつぜん成田悠輔さんの「人類みんなちょっと不安と思えばそんなにつらくない」みたいなことを言い出してビックリしました。

みんなつまらなくて寂しくて退屈でしょうがないけど精一杯自分なりの『面白さ』を探しているの
そしてその中で精一杯笑っている人こそ『楽しんでいる』ように見えるのよ
放っておいても楽しくて面白い人生なんて人の嫉妬の中にしか存在しない幻でしかない

『マンガで分かる逆転発想勉強術』p.78

原作のゆうきゆう先生の人生観なんですかね?明るくて優しいマナ先生が見せる闇にグッと来る方もいるのではないでしょうか。ちなみに終盤ではマナ先生がとある男性の影響を受けているような描写がありました。あれは別の作品の関連を匂わせてたりするのでしょうか。

ゆうきゆう先生や成田悠輔さんが頭をよぎってしまうと助からない人は急いで一巻のカバー裏の着替えを見て上書きしましょう!二巻のカバー裏もご褒美イラストです!


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