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着物で行きやすい東京のレストラン

三月、歌舞伎の鬼連チャンで腰痛に。整体の先生が言うには、凝り固まった「梨状筋」が坐骨神経を刺激しているとのこと。腰が痛い原因はお尻の筋肉ってどういうこと? 三度、整体に通って半月かかって治したが、すり切れるような思いをすると上達するのは、三味線も着付けも同じで、急に手慣れてきた感じ。そこで、苦手意識のあった「着物で会食」にチャレンジしてみた。

訪れたのは百段階段の見学で訪れた「雅叙園観光ホテル」。ホテルなので、駐車場がある。お値段は高いが、観光地なので、敷居は高くない。そんな、雅叙園にはいくつかのレストランがある。

・バイキング →他の人とぶつかったら大変。
・ステーキハウス →臭いが心配。
・和食レストラン →ほり炬燵にモタモタしそう。
・イタリアン →林真理子さんが「着物の日はドレッシングとメロンには手を出さない」とエッセイに綴っていたので遠慮した。

そして、選んだのは、お箸で食べられる中華。小皿に取り分けて出してくれる。そもそも、雅叙園は中華が有名なのだ。呉服屋さんで派手な小紋や紬を薦められて「着て行く場所がないから」と断ると、薦めてくるのが「会食」だ。レストランを探して同行する相手を見つければいつでも実行できるが、心配事が多い。汗と雨を除けば、シミを作る液体は食べ物なのだ。

昼の中華のコース5500円はデザート含め、9品。店内は5名がけの丸テーブルが2列にゆったり、並んでいて、壁側はブース席。そこに隣り合って座り、脱いだ羽織りは椅子の上で畳んで、バッグと並べて置いておく。向かい側の列は母娘の二人連れ、隣に先生らしき初老の男性を囲んだ女性七人のグループがいて、他はパーテーションがあって見えない。4種類の豆皿をのせたオードブルをお箸で摘みつつ、恐る恐る背の高いグラスを掲げ、お食事スタート。

ハマグリの濃厚なお出汁が美味
茶碗蒸し

飲茶、炒め物とあって、鴨ロースを北京ダックの食べ方でいただく。唐辛子をのせた炒め物は箸が進む。

と、突然の叫び声「おおおっ!」

向かいのテーブルに座る初老の男性が小籠包をかじって、ピュッとやってしまったのだ。幸い襟元にナフキンを挟んであったが、ネクタイにシミができたとかできないとか、奥さんが心配している。これは危険。私も恐る恐るかじりついたが、中のソースが溢れ出て、慌ててクチに詰め込んだ。セーフだったけど、見苦しい? 緊張して、トイレに行きたくなってしまった。「お食事」のオリーブオイル炒飯までは耐えたが、デザートが中々出てこない。フロア係のお姉さんに断って、私は席を立った。

さて、雅叙園には名物のトイレがある。

螺鈿細工の扉の奥にある天井画や漆塗りのしつらえが豪華な広いトイレで、たくさんある個室にたどり着くには太鼓橋(短い)を渡らねばならない。面白いけど、私はブライダルサロンの横にあるフツーのトイレを愛用している。フツーのトイレは空いていた。個室の中で一枚目、二枚目、三枚目と裾を整えて「さすがは人間国宝。手触りがイイのね」とご満悦の私の耳に、人の動く気配が届いた。観光バスが到着したのか、トイレ内に十人以上の列があっという間にできていて、個室から出てきた私はギロギロ、ギロリと睨まれ「もし、これが着物警察だったら」と身を案ずるのでした。

その後、席に戻ると、アニバーサリーのプレートが運ばれてきた。係のお姉さんはまだかなぁって、思ってたんだろうな。結婚記念日で予約したの、忘れてた。あゝ恥ずかしい。

アニバーサリーのサービス有り!


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