和風一年生

趣味は長唄三味線と陶器集め。着物に学び、己を知る

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    着物エッセイや着付け・コーデのハウトゥ本をまとめました。

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    歌舞伎を見に行った感想です。

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PN「和風一年生」です。長唄三味線を習っています。発表会でのしくじりから、着付けに再チャレンジ。成長行事ナシ、仕事での着用ナシ、お稽古事で着る機会は年一回の私が、どうやって着物を楽しんでいるか。成長の記録をエッセイに綴っています。ちなみに、noteを始めたのは一年前。正確には、二年生です きもの本棚 → 着物の本の紹介 歌舞伎座  → 観劇&演目のやや、大袈裟な感想 長唄の聖地をゆく → 長唄の曲紹介と旅のエッセイ #自己紹介

    • 円居(着付け教室)に通って三ヶ月。捨松の帯がすっかり、欲しくなってしまった。

      円居に通い始めて三ヶ月。三味線の先生の演奏会に着物デビューした。この日、着用したのは黒の角通しの江戸小紋で、こちらは人間国宝の型染めと違って布地が硬めなので、胸周りがよれない。同じ江戸小紋でも、人間国宝の型染めは座った時に太腿へかかる着物の圧がトロントロンして、心地良い。着心地にも、一長一短があるようだ。 この日は着付け教室を受講して、講師の先生に着付けてもらった。大事なところを大幅にはしょって話を進めると、円居の企画展で「帯屋捨松」をやっていたので、そちらも見せてもらった

      • 着物で行きやすい東京のレストラン

        三月、歌舞伎の鬼連チャンで腰痛に。整体の先生が言うには、凝り固まった「梨状筋」が坐骨神経を刺激しているとのこと。腰が痛い原因はお尻の筋肉ってどういうこと? 三度、整体に通って半月かかって治したが、すり切れるような思いをすると上達するのは、三味線も着付けも同じで、急に手慣れてきた感じ。そこで、苦手意識のあった「着物で会食」にチャレンジしてみた。 訪れたのは百段階段の見学で訪れた「雅叙園観光ホテル」。ホテルなので、駐車場がある。お値段は高いが、観光地なので、敷居は高くない。そん

        • 三月大歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃』メンズ着物をウォッチング

          狂気の美しさを堪能した幸四郎丈、振り返り。 近頃「無我」について、良く考える。例えば、マラソンのゴール目前にトップ争いをする選手たちは無我だ。狂気というのは、やがて「無我」に繋がるのかもしれない。『伊勢音頭恋寝刃』の松本幸四郎丈はスッキリと美しく、心の底にあるモノを見たようで、大満足だった。 通し狂言なので、スピンオフ・ドラマ風に場ごとの主役が登場し、金儲けを企む小悪党を退治して活躍する。「伊勢講」は庶民の信仰であると同時に、高級腕時計や投資マンションのような扱いを受けて

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          きもの本棚⑯青木奈緒さんの本で、着物の過去と未来を知る

          青木奈緒さんは映画で話題の『木』を書かれた随筆家・幸田文さんのお孫さんだ。著書『きものだより 他が袖、わが袖』とは二子玉川の蔦屋書店で出会った。茶道雑誌『なごみ』での十二ヶ月に渡る連載テーマは、幸田文さんが奈緒さんのために誂えた「濡れ描き」の手描き友禅のイマから、取材がスタートする。訪問先には、茶席では着ない「伊勢木綿」や「デジタル捺染」が含まれていた。多くは「〇〇〇を復刻する」などして、市場にのせた作家さんたちだった。思えば、昭和の卒業式、体育館に並んだお母さんの黒い羽織。

          きもの本棚⑯青木奈緒さんの本で、着物の過去と未来を知る

          今年も、東京キモノショーへ行ってみた!

          快晴の日曜日。車の少ないオフィス街をスマホのマップ片手に連れ立って歩く和服姿。キモノスタイルの今年のテーマは「きものと装束と日本の色」。『光る君へ』は大好きだけど、十二単は雑誌やテレビで十分。なんて、思っていたのにナマで見ると綺麗。目の前にあるだけで嬉しい。 男性用の「束帯」も、展示。  私が今年、やってみたいのは和の心を知る、和事体験の数々。是非、お抹茶をいただいて帰ろうと思ったが、混み合っているので、代わりに人力車に乗ってみた。ピカピカの大きな車輪。思ってたよりも、ず

          今年も、東京キモノショーへ行ってみた!

          きもの本棚⑮『大原千鶴さんの京都きもの暮らし』京都人の仕事着

          桐箪笥の中身が見てみたい…。 続いては『きょうの料理』でお馴染み、大原千鶴さん。 私が最初に大原さんを知ったのは、BSの番組『京都人の密かなたのしみ』だ。ドラマにミニコーナーがあって、大原さんは男性アナウンサーを相手に、京都の食文化を紹介していた。料理をしながら、淀みなく繰り出す京言葉。『花背』のドキュメンタリーや、カウンターキッチンのアトリエで、ゲストに料理を振る舞う『あてなよる』を楽しみに見ているうち、大原さんは『きょうの料理』でコロッケでカツ丼を作る大胆さに至り、シュ

          きもの本棚⑮『大原千鶴さんの京都きもの暮らし』京都人の仕事着

          きもの本棚⑭工芸ライター・田中敦子さんの無地系紬とは?

          目下の関心事項は、着尺の枚数だ。アンティークの愛好家は30枚以上をお持ちというお方もチラホラ。では、正統派コーデなら? 工芸ライターの田中敦子さんは『和楽』の森田空美さんの連載を手がけ、着物の分野の書籍も多い。田中敦子さんが自前の着物と、師と仰ぐ森田空美さん、染色史家の吉岡幸雄さんとの対談、“憑かれたように”語られる帯や履き物の歴史と、見た目はコンパクトながら、濃いぃぃぃ内容の本。知りたかった日本製生糸の歴史も載っていて、まさに、目から鱗である。 『きもの自分流入門』田中

          きもの本棚⑭工芸ライター・田中敦子さんの無地系紬とは?

          スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』千秋楽で、大人の礼装をウォッチング

          あれもこれも、初めてづくしの新橋演舞場。千秋楽なので、客席へ挨拶をして回る礼装姿の女性を幾人も見かけた。この日は札止めだったそうだ。1回目のカーテンコールは花道から、團子丈が登場。2回目は米吉丈とおふたり。米吉丈の手を取り、團子丈からの「お疲れ様でした」の仕草があって「ああ! 大阪では壱太郎丈とやるんだもんね」と客席の観客は思ったに違いない。スタンディングオベーションも初めて、見たけど、かかげた掌がヒラヒラと揺れて綺麗だった。舞台役者はこういう光景を見てるんだもん。辞められな

          スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』千秋楽で、大人の礼装をウォッチング

          プロの目線で、襟合わせの悩みをスッキリ解消!!着付け教室

          年の瀬の恒例、着付けの集中レッスンの振り返り。前回は最寄駅でワンデイレッスンを探したけど、今回はちゃんと、電車に乗って、日本橋・浜町の明治座の交差点を人形町方面に2ブロック進んだ『円居』の「自分で着るコース」を受講しました。 私の悩みは着れるけど、着れない。趣味の三味線を思えば、そんなのあたりまえ。新しい曲を習いました。ひと通り弾けるようになりました。そこから、やってもやってもの、本当のお稽古が始まるのだ〜!  さて、着付けの悩みに話を戻しまして。一番目に付く悩みはジワリ

          プロの目線で、襟合わせの悩みをスッキリ解消!!着付け教室

          きもの本棚⑬『銀太郎さんお頼み申す』と、私の振袖写真

          近頃、月刊誌で『銀太郎さんお頼み申す』を毎月、買うようになった。新宿のカフェで働くさとりちゃん(25歳)が元芸妓で、器のギャラリーを営む銀太郎さんに魅せられ、着物に目覚める話だ。四月号では、さとりちゃんがホテルの結婚式に振袖を着て出るために奔走し、友達だけでなく、いろんな世代の人が振袖の価値を見直す。読んでいて、腑に落ちた。去年の夏、私が長唄の演奏会に集まった着物姿の観客について書いたのも、こういう話をしたかったのだ。 さて、トンチンカンな私にも、振袖で結婚式に出た経験があ

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          歌舞伎・演目覚書④『女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)』

          三月の京都・南座は中村隼人丈が壱太郎丈と『女殺油地獄』をやっているそうだ。 有料チャンネルがハシリの頃に『パーフェクトデイズ』のベンダース監督の『都会のアリス』や、なぜか、結婚する動機に繋がった『ポンヌフの恋人』を盛んに放送していた。思えばこの頃が私の真の映画デビューで、モノクロの日本映画を見るようになったのも、有料放送からの映画館通いの流れだった。 テレビの画面で観た『女殺油地獄』は1957年版の映画で、お吉役は『洲崎パラダイス』の新珠三千代(あらたま みちよ)。そして

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          きもの本棚⑫『おしゃれきもの見立て帖』田園調布・秀やの帯と着物初心者の私が薦められた帯の柄を比べてみた。

          サンローランのような着姿というのが、私の印象だ。くすみのない地色のお着物に、明度・彩度を合わせた帯を組み合わせ、帯の柄はワンポイントなら、お太鼓からはみ出す程に自由で…。連続した柄ならば若松菱・七宝繋ぎ・華文も三列と…。年齢や家庭環境によっては必要不可欠なフォーマル着物に、軽やかさを演出している。 この本の見所は二章の「秀やの見立て」だ。秀や流の見立ての手順と選んだお着物の着姿のお写真が、自然なポーズで載せられている。よくよく見ると、見たことのないようなものばかりなのに、個

          きもの本棚⑫『おしゃれきもの見立て帖』田園調布・秀やの帯と着物初心者の私が薦められた帯の柄を比べてみた。

          猿若祭二月大歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』で雨ゴートをウォッチング

          『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』勘三郎丈の十三回忌。勘九郎丈の佐野次郎左衛門と兵庫屋八ツ橋を七之助丈。いやらしい悪役に松緑丈、仁左衛門丈の魅了みたっぷりで、ハラハラ見守る女房おきつは時蔵丈。おっちょこちょいの下男に橋之助丈。その他、あのお役も、このお役も、豪華豪華。 今まで見てきた歌舞伎と違ってた。始まりは暗転。真っ暗な中に幕を引く音が聞こえ、バッとライトに照らされた舞台はお馴染み・吉原仲之町のセット。中央の桜はやや、小さめ。おずおずと花道から現れた次藤左衛門

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          シネマ歌舞伎『阿弖流爲』は、劇団⭐︎新感線の大活劇だった!

          阿弖流為(アテルイ)は松本幸四郎の役名。新橋演舞場で上演された新作歌舞伎のタイトルです。上演は2015年なので、まだ、染五郎の時代。こうした過去の舞台映像を「月イチ歌舞伎」という縛りで、シネコンで観られるそうで、約180分の上映時間のうちに10分間の休憩がありました。 太陽が水瓶座なので(おっと、関係ないか?)イヤフォンガイドのアプリもダウンロードしてみました。スマホのイヤフォンの収音マイクから劇場に流れる音を拾って、ナレーションが始まるんですって。不思議ですよね。 薦め

          シネマ歌舞伎『阿弖流爲』は、劇団⭐︎新感線の大活劇だった!

          きもの本棚⑪『安心の着物あわせ』着物の揃え方に、方針を立ててみた。

          いろんな人の帯合わせのこだわりをもっと、知りたくなって、河村公美さんの『毎日、きもの』にあった「青山・八木」を取材した本を偶然に見つけた。店主の八木健司さん曰く、上質のものを選ぶことで“自分の価値観が定まり、指針となってくれる“のだそう。指針ってすごいなって思ったんだけど、辞書でひくと、まさにピッタリな単語。 他にも約10人の方の考えを知ることができ、そのストイックさにはクチがあんぐり。特に参考になったのはお茶をやっている方で、自宅でも、雨の日でも、夏でも「お稽古は、着物で

          きもの本棚⑪『安心の着物あわせ』着物の揃え方に、方針を立ててみた。