きもの本棚⑯青木奈緒さんの本で、着物の過去と未来を知る
青木奈緒さんは映画で話題の『木』を書かれた随筆家・幸田文さんのお孫さんだ。著書『きものだより 他が袖、わが袖』とは二子玉川の蔦屋書店で出会った。茶道雑誌『なごみ』での十二ヶ月に渡る連載テーマは、幸田文さんが奈緒さんのために誂えた「濡れ描き」の手描き友禅のイマから、取材がスタートする。訪問先には、茶席では着ない「伊勢木綿」や「デジタル捺染」が含まれていた。多くは「〇〇〇を復刻する」などして、市場にのせた作家さんたちだった。思えば、昭和の卒業式、体育館に並んだお母さんの黒い羽織。