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バスばあちゃん

混んでいたバスやっとスペースが空いた。
1番後ろの窓際に座るおばあちゃん
その隣に座った
すごく周りをキョロキョロしている
ずっとなのか、僕がせきとめるように座ったから不安になってしまったのか、僕の方を見てる気もする

もしかして降りる場所がわからなくなったか
モニターも遠くて見えないのか
運転士の声もバス特有のやつだからここが
どこかもわからないのか
キョロキョロ外を見たりするばあちゃんを横目に
不安になってきてしまった。
どうにかしてお困りですかの声を出そうと思ったけどなんだかためらってしまってなかなか出ない。
まずイヤホンをしまってNintendo Switchのことを調べていたスマホ画面を地図画面にしたりした
個人情報のこともあるので、どうにかして
おばあちゃんから声かけられるのを待っていました。
でも若者(28歳)がスマホいじってるより
普通に座ってる方が声かけやすいかなと思って
一緒にキョロキョロしてみる
なかなか声がかからない。
どうしたんだいばあちゃん舞台は着々と整っているのに。

そうだハンドクリーム作戦
なんとなくいけると思ったその作戦が見事にハマった。
カサカサの手をハンドクリームで潤す
おばあちゃんが完全に俺の手を見てる
すかさず手をおばあちゃんに見せる
👵「カサカサだ〜」
キターー!
👵「わたしもカサカサ」
あざやかな俺のアシストにばあちゃんも
たまらずシュート
2人のナイスゴールです
ハンドクリームをおばあちゃんにみせて
使います?のサイン
おばあちゃん遠慮〜

本題だ!忘れていたがすかさず
👩‍🦲「どこまで行かれますか?」
👵「終点まで」

  終点!?
  大誤算!!

👵「終点からまた家に戻るのよ」 

何それ!いいな!全然困ってなかった!

👩‍🦲「バスお好きなんですね」
👵「好き嫌いじゃないのよ」

こちらの方が困ってしまった。
おばあちゃんは何故が終点まで行って
また家に戻るらしい
プライバシーや意外な闇とかあるかもしれないから深くは聞かない様にした。

暗いからどこかもわからないねーなんて時折話しかけてくるので1人でキメ込みたい訳ではなさそう。
おばあちゃんは終点でトイレに行ってからまた戻るらしい。
あまりいかない場所らしくトイレがあるか心配していた。
おばあちゃんは今どこを通ってるか気になっていたので僕が地図をみてここですねーなんて
話していた。(混んでてモニターが見えなかった)

終点に近づくにつれてだんだん席が空くけど
移動するのもあれだったので
空いてるバスの端っこに2人かたまってるみたいになってた。
おばあちゃんは僕が動かないと動けないので
完全な僕のエゴだったかもしれないな。

もうすぐ終点ねなんて言いながらモニターに
映るバス停を何度も読み上げていた
モニター見えてるんだ
最初の僕の不安は何ひとつ合っていなかった。
よかったけれど

終点が少し寂しくなってきた
おばあちゃんの思い出になったらいいな
バスから一緒に降りると
僕はバス停から駅に繋がる道へ
おばあちゃんは反対の行き止まりの道へ

何故!

おばあちゃんこっちと指をさすと
少し離れたトイレを指して最短距離で向かっていった
めっちゃ駅把握してるじゃん
しかも横断歩道ないとこ渡るじゃん
さよならも言ってないじゃん

気をつけなよー
じゃね!✋

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