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ツンドラスワン(小白鳥)の渡りを見に行った

気温ががくんと零下数度に下がり強風に小雪という天気だった先週土曜日、女友達2人とミシシッピ川河畔まで、アラスカから避寒地へと南下途中のツンドラスワンを見に行った。

数年前から11月に友達とスワンを見に行っているが、2020年21年は親しい友だちといえども感染対策で車の相乗りを避けたので白鳥の渡りを見に行けなかった。そういえば同じメンバーで2020年の3月下旬に3泊でネブラスカ州に鶴の渡りも見に行く計画だったのにロックダウンになりキャンセルしたのだった。そんな経緯もあり、気軽に乗り合って途中でコーヒーを買ったり車中でおしゃべりしながらの道中がことのほか楽しい。

着いた自然保護区ではパウパウと特有の鳴き声をあげ大量の白鳥が集う。観察用の見晴台には大きな望遠レンズのついたカメラを三脚に据えた人たちが数人。みんなバッチリ防寒している。自然保護団体のボランティアの人が白鳥の生態や野鳥保護区についての資料が見れるようにテーブルを出していて、「グループ写真を撮ってあげましょう。」と言ってくれたので自分のIphoneを差し出したが、十分充電してあったはずなのに外気温が極端に低いせいか電力不足のサインがでて画面が開かなくなってしまった。慌てて友達の携帯を借りて写真を撮ってもらう。

自分のスマートフォンが閉じてしまうまえに白鳥の動画を少し撮影できてよかった。大きなカメラで撮影している人たちはたくさん予備の電池をもっているのだろうか。こんな気温のときは、昔のフィルムカメラのほうが使い勝手がよかったかもしれないと思ったが、アナログカメラもフィルムが凍るかもしれないし実際のところはよくわからない。

帰り道、野鳥保護区から一番近い町のリバービューのカフェで昼食をと思っていたが、2時までの営業らしく、店に着いた時点で既に1時45分だったため入店出来なかった。

仕方がないのでグーグルマップで帰路沿いの別の小さな町で開いている店を探す。「ここがいいんじゃない?ポークテンダーロイン(とんかつ)が州のランキング一位になったことがあるって書いてあるわ。」とその日のドライバーの友人がいうのでカフェは諦めて車で一時間ほど走り、小さな町のさらに町外れにぽつんと建つパブに車を停めた。

車のドアを開ければびゅうううと唸る強風に巻きあげられた粉雪が吹き付けて、それぞれひいぃと声を上げながら急ぎ足でお店に入る。中では数人の男の人たちがテレビの前の席に陣取って大学対抗のフットボールの試合を見ている。

一人の友達はなるべくヘルシーなものを注文しようとメニューをくまなく探していたが、全部が揚げ物だったので諦めて3人揃ってカツサンドと、つけあわせにはベークドポテトを注文した。

しばらくすると新たに3人の客が入ってきた。その人達を見て私の友達が立ち上がり、「〇〇さんじゃない?えーこんなところで会うなんてー」と話しかけた。相手も相当驚いていた。その人たちはこのパブからそう遠くないワイナリーに行った帰りだという。
まるでその時間にその寂れた場所でその知人に会うために最初のカフェに入れなかったのだろうかと思うほどにこの偶然に驚いた。

出てきたカツサンドは丁度いい感じのおいしさで、サワークリームを塗った熱々のベークドポテトがお腹の中からじんわりと身体を温めてくれたので、お店を出るときには風が強いのも気にならなかった。