見出し画像

コービッド19の日々が過去に変わっていく中で

夫の定期検診に付き添ってクリニックへ行った。ドクターに会う前に看護師が身長、体重、血圧を測り、事前スクリーニングの問診をするが、今回は精神衛生に関した質問が以前より増えていた。前から気持ちが落ち込んでいないか、自殺願望があるかなどの質問はあったが、今回は

  • 家族や友達とと連絡をとっているか

  • 一週間に何回くらい家族や友達と会っているか

  • 教会や別の宗教関連の行事に参加するか?どれくらいの頻度で参加するか?

などの日常的にどのようなソーシャルアクティビティをしているか、何らかのコミュニティに属しているかを調べる質問がこちらが怪訝に思うほどに増えていた。コービッド19で社会的距離や自主隔離続いたからこんな質問を増やしたのだろうか。

もしもこれらの質問に対する答えが全部Noだったら、健康に支障が出るのか?カウンセラーかソーシャルワーカーがつくとか、何か対策をしてくれるというのだろうか?それともただデータを集めているだけ?そのデータはどこに行くのだろう。州や国の保険機関?

かかりつけ医だから、過去の病歴も揃っているし、これからの病歴も積まれていく。ソーシャルアクティビティの少ない人はどういう病気に罹りやすいとか長期で追跡する研究にでも使うのだろうか?

ところで、夫の定期検診には付き添って行ったが、自分の定期検診は3年行っていない。行けばコービッド19のワクチンを強く勧められるだろうと思って、流行が落ち着くまで病院に行かない覚悟でいた。この3年ワクチンを打つ打たないを巡ってずいぶんと嫌な経験をした。注射関係の話題は極力用心して話さないでいても何人かの友達からしばらく距離を取らざるを得なくなった。あるいは情弱なのだと思われて純粋な親切心から「なんで打たないの?このワクチンで死んだ人は1人もいないから大丈夫だよ。」と推してくれる人もいた。

気持ちはありがたかったけれども死んだ人や重篤な副作用で苦しむ人がいることをなぜ知らないのかが不思議だった。参考にしているメディアがぜんぜん違うようだった。同時にその頃私が参考にしていた情報源はどんどんニセ情報扱いとなって主要メディアからバンされていった。だんだん自分もひとりで潜伏している人のような気持ちになった。

最近になってやっとTwitterファイルの公開等で当時SNSのセンサーシップで有用な情報も政策に合わなければブロックされていたことがわかって来たが、Twitterファイルのことも知らない人が多いだろう。うちの夫もそう。我が家で、せめてもの救いは、彼は私に打てと強制しなかったし、私も彼が打つのを止めなかった。お互い少し相手に失望しながらも同じ家で静かにパンデミックの終わりを待った。

マイノリティ側の自分はまずは疑ってみることに慣れてしまい、定期検診で訊かれた質問がなんか変だ、隠されたわけがあるのではと思ってしまう。野生動物なら孤独であることや群れに属していないことがまわりからすぐわかるのは捕食者に狙われやすくなる。人間でも同じなのじゃないか?病院がデータの悪用するわけじゃなくても、外部に漏れたら詐欺のターゲットにされたりもあるかもしれない。次に医者にかかる時にもし同じ質問をされたら、本当は教会とか行ってないけど、保身のために盛りに盛った答えをしておこうと思うのだった。