terada ryohei

日本とシベリアを行ったりきたりしているミュージシャンです。 http://terada…

terada ryohei

日本とシベリアを行ったりきたりしているミュージシャンです。 http://teradaryohei.com/ 連絡先 terada@halvatokyo.com

最近の記事

2023年の雑感

みなさま、今年1年色々とお世話になりました。 僕の2023年ですが、何と言ってもソロアルバムが完成し、発売出来たことが最も大きな出来事でした。 長いこと試行錯誤してきましたが、とりあえずアルバムとしてひとつの作品を完成させることが出来ました。 沢山の皆さんがご協力してくださったおかげです。本当にありがとうございました! リリースしたことで良かったことが沢山あります。 何よりも今まで応援して下さった皆さんに、今の自分の作品を届けることができたことで、これが1番です。

    • 「クズル・トーキョー」がロシア・ワールドミュージック・チャート2023 にて7位になりました

      先日からSNSなどで少しお伝えしていましたが、11/8に発売した僕のソロアルバム「クズル・トーキョー」は、ロシアの主要なフォーク/民族音楽作品を扱うチャート「Russian World Music Chart(RWMC)」の事務局から発売後に連絡があり、2023年発売作品としてノミネートされていました。先日12/17にヴェレスク文化財団の20周年を祝うフェスティバル「ヴェレスク ー 20」において、モスクワで2023年のベストアルバムの結果発表が行われました。 結果は以下の

      • 【先行シングル「メロディー」配信&プロモーションビデオ公開】

        11/8 発売の寺田亮平のアルバム「クズル・トーキョー」のリード曲「メロディー」を先行シングルとして配信し、プロモーションビデオを公開します。 PVの監督は木村輝一郎さん。配信シングルの写真は在本彌生の撮影です。 ※日本語・英語・ロシア語3ヶ国語字幕対応 Subtitles in Japanese, English and Russian Translation support : Nadejda Popova, Tomomi Paromita _________

        • 11月8日にソロアルバムをリリースします!

          皆さまへ 11月8日に、ここ数年ずっと取り組んできたソロアルバムをリリースします。 Kyzyl Tokyo 特設ページ リリースまで色々とあり時間は掛かったんですが、本当に沢山の方にご協力いただいて、良い作品を完成させる事ができました。 トゥバの音楽を好きになってから、その後現地で学ぶようになり、日本人の自分にどういった表現ができるのかずっと試行錯誤を続けてきましたが、とりあえずひとつの形を作る事ができました。時間は掛かりましたが、以前は年取った頃までにこんな感じのアルバ

        2023年の雑感

          ブザーンチュの話

          今日はブザーンチュという楽器の話をしようと思います。 「Бызаанчы /ブザーンチュ 」はトゥバに伝わる4弦の擦弦楽器です。トゥバに古くから伝わるポピュラーな楽器で、口承文芸作品にもしばしば登場します。 まずちょっと演奏の様子を見てみましょう。トゥバ・ナショナルオーケストラのカン・フレル・サーヤのソロ演奏です。 なんとなく、中国の二胡みたいな形をしていますよね。二胡は2本の弦の間に挟んだ1本の弓で弾きますが、ブザーンチュはそれぞれ弦と弓の数が倍で4本の弦の間に2本の

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          ブザーンチュの話

          ドシプルールとチャンズの話

          トゥバの音楽に関心がある方でしたら、YouTubeの動画などをご覧になった際に「源氏パイ」みたいな形の、なんだかギターみたいな三味線みたいな楽器をトゥバ人がジャカジャカ弾いている様子を見たことがあると思います。これらの楽器はドシプルールとかチャンズとか呼ばれる、トゥバ共和国の3弦の撥弦(はつげん)楽器です。トゥバでとても人気がある楽器で、トゥバの民族楽器といえばまずイギルかドシプルールという感じかなと思います。 トゥバの著名な喉歌歌手の中には、コンガルオール・オンダールやゲ

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          ドシプルールとチャンズの話

          イギルの伝説

          トゥバ共和国には民族楽器「イギル」の伝説があります。筆者が知るだけでいくつかの話が存在しますが、著名な音楽グループ「アラッシュ」のホームページに掲載されている以下の英語のテキストから日本語に翻訳しました。なお英語から翻訳しましたが、基本的に同じ話が掲載されたВ.Ю. СУЗУКЕЙ / МУЗЫКАЛЬНАЯ КУЛЬТУРА ТУВЫ В XX СТОЛЕТИИも参照し、説明が必要と判断したものに関しては筆者が注を付けました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          イギルの伝説

          イギルの話

          イギルは、トゥバ共和国に伝わる2弦の弓奏楽器、擦弦(さつげん)楽器です。 写真を見て「馬頭琴ですね!」と思った方は沢山いらっしゃるでしょう。確かに馬の彫刻がヘッド部分に付いているので、日本語でそう表現もできるかもしれません。ただこの楽器はモンゴルの「モリンホール」では無く、トゥバ人の民族楽器で「イギル」と言います。良かったらこの機会に是非覚えてみてくださいね。 モリンホールと形状はとてもよく似ていますが、ボディが台形でなくスプーンのような形をしています。ホームベースのよう

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          イギルの話

          ショールの話

          皆さんはショールという名前の楽器を聞いたことがあるでしょうか? コレです。 ショールはトゥバ共和国に伝わる縦型の笛で、似たような楽器としてバシコルトスタンのクライ、モンゴルのツォール、カザフスタンのスブズグなどがあります。穴の数や手の構え方にそれぞれ違いはあるんですが、歯に当てた状態で息を吹き込む吹き方は(おそらく)共通しており、ユーラシア大陸の内陸部に共通して見られる「かじる」タイプの縦笛です。 トゥバ音楽の熱心なファンの方であれば、フンフルトゥのラディック・テューリ

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          ショールの話

          昨今の情勢の雑感と次回4/21のコンサートについて

          昨今のロシアとウクライナの情勢に関して、心落ち着かない日々を過ごしています。僕が音楽を通して長く関わってきたトゥバ共和国も、トゥバがロシア連邦内の共和国ですから、当事国です。 日々報道やインターネットから流れてくる情報が、今まで自分が知り得ていた常識をはるかに超えるもので、暫く何も手につかない状態が続いていました。 これでもかと流れてくるウクライナのあまりにも悲惨なニュースと、ロシアの状況にただただ毎日引き裂かれる様な思いでいます。2月24日以降、何度もまとまった文章を書

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          昨今の情勢の雑感と次回4/21のコンサートについて

          私の自己紹介

          こんにちは。ミュージシャンの寺田亮平と申します。 私は「トゥバ 音楽演奏家」「喉歌歌手」とも名乗ったりしているのですが、ここ10数年ほどトゥバ 共和国の民族音楽を現地に長期滞在しながら師匠の元で学んでいます。 トゥバ 共和国と言っても多分多くの方はご存知ないかと思います。 ロシアのシベリア南部、モンゴル国と国境を接する地域にトゥバ 人という人達が30万人くらい住んでいます。そのトゥバ の人達の間に伝承されてきた民族音楽はワールドミュージックのファンの間ではそれなりに知ら

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