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卒業生インタビュー(菅原さん)

1年間お疲れ様でした。1年間を終えてみた感想を、ひと言お願いします。

菅原さん:
1年間を無事に完遂できてよかったです。途中で辞めてしまうのかなってよぎったこともあったので、それもなく終われてまるっと島に入れたのが良かったです。

島食の寺子屋に入塾した理由を改めて教えてください。

菅原さん:
看護師をしていて、それを辞めてからオーガニックスーパーの食に関わることがあったり、ヴィーガンの食事文化に触れることがあって。実際に自分が食事に気を付けたら、今までにない体の軽さだったりとかを経験して。

看護師をしていた頃の自分は、そんな知識がない状態で、病気になったら病院に行ってすぐに薬をもらって治してっていうのが普通で、よく風邪をひいたりしてて。そういう文化だったり、食材に触れて、病気になる前の段階でなにか自分ができることがあるんじゃないかなと思って、料理の勉強をしたいと思っている時に、島食の寺子屋のことを知りました。

何から始めていいかって未知すぎて分からなかったので、そのきっかけとして寺子屋がいいんじゃないかなって入塾を決めました。

この1年で自分自身に変わったことはありますか?

菅原さん:
人との接し方であったり、自分の心の持ちようだったりとかは変わったかなって感じていて。島という中で8人しかいないクラスメイトで、関わる人数の母数が少ない中で、合う合わないがやっぱりあって。元々の生活だったら距離を置ける人でも接していかないといけないとか、向き合わなくてもいいことでも向き合わないといけないんだろうなって、来てから暫くしてから感じ始めて。

漁船に乗る前に防波堤で朝ごはん

今までだったら、そういうことを急いで解決しないとって思いがちだったんですけど、一旦自分の中で置いてみようって。ちょっと客観的に良いように捉えてみようとか。あとは私以外の生徒が色んな物事に対してものすごく一生懸命に取り組んで、真摯に純粋に向き合っている感じだったので。凄いなって思うのが、掃除ひとつとっても「そこまでちゃんと掃除するんだ」って位にしっかり箒もモップもして、なおかつ穏やかでいてくれるので。そういう面が自分にとって良い経験で良い時間になったなと思いました。

「島」という環境で料理を学んでみるのはどんな影響があった?

菅原さん:
香川に帰って魚のコーナーを見て思ったのは、今までだったら並んでいる魚を見て、並んでるな~くらいにしか思っていなかったんですけど、今だったら魚の目を見てみて魚の状態を確認するようになったりとか。

カジキを目の当たりにすることも

寺子屋の実践授業で色々と料理を作っていると、メニューがあって食材を使うのではなくて、食材があってどう料理をするのかっていうこととか。あと、思い通りに揃わない食材もあったりで、それが最初は不安でしかなかったんですけど。卒業制作を作っているときも思ったんですけど、これがないときはこれで代用しようとかっていうのが、8人のなかでもそれが問題になるわけでなく、普通に対応できている自分たちがいるなっていうのを思って。

卒業制作弁当 「結」

だから、家に帰って自炊をするときでも、その時にある食材を使って家族のご飯を作るとか。あるもので作れるようになったのは、ここにきて培った力かなって思います。

島での季節をどんな風に感じていましたか?

菅原さん:
植物を見るようになったと思います。変化を注意して見るようになったというか。
他の生徒たちが、離島キッチン海士まで行く道中の景色を見ながらぱっと話してくれることが、気付きになったり。「色が付き始めているね」「大きくなってきてる」とか。

私自身はそういったことにあまり興味がある方ではなかったんですけど、そこを言ってくれるからそういうのを見る視点があるんだなって思うことはありました。個人的には雪が降ったりとかの方が嬉しかったんですけど(笑)

雪が降った日にかまくら作り

卒業後の予定を教えてください。

菅原さん:
上勝町のタップルームで働きます。徳島で香川の隣なので、もともと知っていて。ゼロウェイストの町があるというのも知っていて、クラフトビールを作っているのも知ってて。

職場というよりかはライフスタイルとして通過してみたい気持ちがあって。
実際に行ってみたら直感的にすごくいいなって思えて。人が良かったんですよね。

食事を作ることに関しても、生ごみとか食品廃棄を出さない為に、どういう量とか盛り付けで提供するのかって実践されてて。そういう風な視点も持てるようになりたいと思って、そこで働くことを決めました。

最後に。これから島食の寺子屋に入塾してくる方々にひと言。

菅原さん:
難しいなぁ。
総じて言えるのは、色々思うことはあったりなかったりなんですけど。

終わりが近づくにつれて「来なかったらよかったな」と思うことはなくて、「ここに来て正解だったな」ってなんの疑いもなく思えて。だから、良い一年が過ごせると思います。

ありがとうございました!

(収録:2024年3月14日 島食の寺子屋校舎前)