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幸せってなんだっけ

昨日久しぶりに映画を観てきました。
役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」です。

ヴィム・ベンダース監督の作品は
以前にも観たことがありました。

作風は想像どおりでしたが、
多くを語らない叙情的な作品を
日本人の役者で
全て日本語で創っていたのは
とても新鮮でした。

役所広司さんはもちろんですが、
脇を固める役者さんも
「ああっ、この人!!」
という絶妙な人選の方ばかりでした。

終わった後は、
とても爽やかな気持ちになりました。

余韻がとても良かったので
映画館の近くのワインバーで
一杯呑みました。

その時ふと考えたのは
「幸せってなんだろうな」
ということでした。

役所さんが演じた主人公の男性は、
風呂もない
オンボロアパートに住んでいて、
毎朝早くから
東京の公衆トイレの掃除に勤しみます。

終わったら帰宅して
自転車に乗り銭湯に行き、
その足で浅草の一杯飲み屋で
本当に一杯だけ安酒を飲み、
古本屋の
100円コーナーで買った本を読みながら、
眠りにつく。

仕事に行く車の中では、
好きな音楽が入ったカセットテープを聴き、
たまの休みにだけ、
綺麗で歌の上手いママがいる
小料理屋に行く。

贅沢はほんの些細なものだけで、
夢を追いかけるわけでもなく、
淡々とした毎日を過ごします。

しかし、映画のラストの
主人公の顔は本当に幸せそうなのです。
(私はそう感じました。)

人間は欲深い生き物で、
現状に満足せず、
上を上を見がちです。
でも、自分の足元にあるものを
落ち着いて眺めてみれば、
実際は現状で十分幸せなことも
案外少なくないのかもしれません。

昨日はテレビで、
元旦の震災で放送延期になった
「芸能人格付けチェック」を見ました。

とても楽しかったのですが、
100万円のワインや、
ミシュランの星がつく店の料理だけを
良いもの、美味しいものとしか
感じられない人生は、
実際には幸せではないのかもしれないな
などと考えたのでした。
(カツオでも一級品のマグロのお寿司だと
思える方が遥かに幸せかもしれません。)

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