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11回目の3月11日


今日は、東北の震災が起こった日。
地震が起きた14時46分には、私も黙祷しました。

当時、私は名古屋の法律事務所に勤務していたのですが、日弁連の仕事のために東京に出張しに来ていて、地震が起こったときは、霞ヶ関の弁護士会館の16階にいました。

突然大きな地震が起こり、急いで机の下に潜りました。
揺れは何度か続きましたが、なぜか会議は続きました。
あまり動じない強者が揃っていたのかもしれません。

会議が終わった後、エレベーターが止まっていたことがわかりました。
窓の外を見ると、付近の官庁の職員の人たちでしょうか、日比谷公園に避難しようとしていました。

この日は日帰りの予定でしたが、新幹線も止まってしまいました。
帰ることができなくなり、日弁連の建物に一泊することになりました。

地下にあったレストラン「メトロ」がありったけのカツカレーを会館に残された人のために振る舞ってくれました。

会館で働いていた職員は、付近のコンビニやその他のお店から、カップラーメンやお弁当を買ってきてくれました。

災害用の毛布が配布されました。

私はカツカレーを食べ、とある先輩弁護士から借りたテレフォンカードで公衆電話から札幌の実家に電話して、無事であること、弁護士会館に泊まることを伝え、寝るより仕方ないと思ってソファの上で眠りにつきました。

なかなか寝つけませんでした。

翌日は朝から東海道新幹線が動いていたので、私は地下鉄で東京駅に向かい、長蛇の列に並んで新幹線のチケットを買いました。

前日訪れたときには、明るくライトが照っていたマルビルや新丸ビルが真っ暗で、震災があったのだなと実感しました。気持ちが暗くなりました。

新幹線に乗るまで2時間かかり、乗ってもいつもより1時間ほど長くかかって名古屋につきました。

震災が起きた日と翌日の体験は、今でも鮮明に覚えています。
私が体験したことなんて、ほんのプチ被災で、たかが1日家に帰れなかったに過ぎません。

その裏で、どれほどの人、動物たちの命が奪われていったのかと思うと、11年経った今も、胸にうずきを覚えます。

震災の時に建物に残された人にカツカレーを振る舞ってくれた「メトロ」も経営母体の業績付近で、少し前に店を閉じてしまいました。

私はこの店にとても感謝していて、霞ヶ関にいる時には良く訪れ、応援していました。

閉店は突然のことで、本当に残念でなりませんでした。

東北の震災は、私に様々な思いを残しました。

これからもこの震災のことは忘れならないだろうし、忘れないようにしたいと思います。

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