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私にとって、初めての猫。


私には忘れられない猫がいます。


小学生の頃に出会ったルルというシャム猫です。
確か男の子だったと思います。


父が公務員で、当時は公務員宿舎に住んでいました。
我が家は2階で、1階には、おそらくその頃60代だったご夫婦が住んでいました。
その家で飼っていたのが、ルルでした。


当時は猫は放し飼いが普通でした(今も地方はそうなのだと思いますが)。


ルルはとても自由に振る舞っていて、宿舎の階段の手すりに香箱座りしていたり、ポンと飛んで我が家のベランダに遊びに来たり、裏庭にあるうちの畑にウンチしたりしていました。


神出鬼没なルルは私には不思議な存在で、気ままにマイペースに生きているように見えました。


実際には他の猫と喧嘩して大怪我したこともあり、それなりに大変だったのだとは思うのですが。


そこのご夫婦が引っ越したタイミングで、ルルとはお別れになったのですが、その後もルルのことは、なんとなく頭の片隅にありました。


撫でたこともなければ、ほとんど声をかけたこともなかったのに。


ご近所猫さんと遊んでいると、たまに小さな子供がやってきて、不思議そうに眺めたり、恐る恐る撫でたりしています。


きっと、この子達の胸にも、私にとってのルルのように、ご近所猫さんが遠い将来まで残るのだろうと思います。

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