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【後継者のいないお墓】そのままにしておくと様々な問題が...

ここ数年、霊苑を歩いていると、
手入れをされることなく荒れ果てている
お墓を目にすることが増えました。

核家族化や日本の伝統的な価値観の変化、
人口減少・都市部への人口の集中といった
さまざまな理由によってお墓の維持管理をする人、
お墓を継承する人が減少しているのです。

その結果、手入れされず荒れてしまったお墓が、
この数年で全国的に増加。

では、お墓の跡継ぎがいない場合、
どんな問題が起こってしまうのでしょうか。

本記事では、お墓の跡継ぎがいないと発生する
具体的な問題とその対処法についてお伝えいたします。


お墓の後継ぎがいないと発生する問題とは?

1. 維持管理の問題が発生

1つ目は、維持管理ができなくなってしまうという問題。

これは想像がしやすい問題かもしれませんが、
跡継ぎがいない場合、草むしりや清掃などの
定期的な維持管理が困難になり、
お墓が荒れ果ててしまうということに。

一般的なお墓では、霊園や寺院が
お墓を管理してくれるわけではありません。

そのため、お墓参りに行かないうちに
雑草が増えたり、汚れてしまったりと
故人を偲ぶための大切なお墓が荒れてしまうのです。

2:無縁墓になってしまう

後継者がいないことの一番の問題は、
大切な故人のお墓が無くなってしまうこと。

後継者のいない、もしくは
後継者がわからないお墓は「無縁墓」とみなされて、
霊園や墓地管理者によって撤去されてしまいます。

「無縁墓」の定義は、各霊園や墓地によって異なりますが、
その基準として一般的なものは、この2つ。

①管理費用の滞納が3〜5年以上続いている
②継承者・縁故者との連絡が取れない

上記のような状態が続くと、無縁墓とみなされ
日本の機関紙である官報に記載。

なおかつ該当する墓地の見やすい場所に、
立札を立てて、使用者・縁故者に向けて
1年間通告されます。

そして、この通告から1年以上、
使用者・縁故者から申し出がない場合、
正式に無縁墓と認定されます。

そうなると、永代使用権が取り消されます。

その後、墓地管理者によってご遺骨が取り出され、
墓石・墓碑の撤去が強制的に行われる場合があります。

残念なことに、お墓から取り出された遺骨は、
自治体や民間業者の運営する無縁仏合祀墓に合祀され、
一生取り出すことはできません。

そして、この無縁墓になってしまう
大きな要因の一つが先ほどお伝えした、

官報や立札による通告から
撤去までの期間が1年と非常に短いこと。

「なかなかお墓参りに行けなくて、 
 2年ぶりになってしまった」

そんな風にお墓参りに行ったら、
すでに撤去され更地になっていた...

という、やりきれない事態になる可能性もあります。

また改めてお伝えしますが、
撤去されたお墓から取り出された遺骨は、
どれほどあがいても戻ってくることはありません。

つまり、後継者がいない、
もしくは誰が後継者かはっきりしていない状態で

お墓の手入れや維持・管理を行っていると、
墓地を失い大切な故人の遺骨を失ってしまうという
深刻なトラブルにつながってしまう可能性があるのです。

親族トラブルに発展することも

・遠方に住んでいて維持管理ができない
・後継者がわからない
・後継者不在

こういった理由で、
大切なご先祖・両親のお墓を無縁墓に
しないために、近年増えてきているのが墓じまい。

しかし、墓じまいをする際によく起こるのが、
撤去費用の問題、そして親族間のトラブルです。

ご遺骨を今のお住まいの近くにお墓を移したり、
後継者不在でも安心できる永代供養墓に移すにしても、
現在のお墓の撤去費用等が発生します。

その費用が予想以上にかかってしまい、
墓じまい・お墓の引っ越しを諦める人もいるとか。

また、先祖代々守ってきたお墓であるということもあり、
親族間で心情的な衝突が起こることもあります。

維持管理をする人や後継者がいない、
もしくはいなくなる可能性がある場合は、

無縁墓になるという悲しい事態を防ぐためにも、
事前に親族間で話し合いの場を設け、

故人や残された人々にとって最適な選択を
することをおすすめ致します。

後継者不在の問題に対する解決策3選

ここまでお話してきたような事態を防ぐための
解決策を3つほどご紹介致します。

友人・知人をお墓の継承者として指名する

継承者の指名は自分のお墓が
無縁墓になりそうな場合におすすめです。

お墓を相続する人が慣習的に行われ、
長男や長女などがなることが多く、

子どもがいない場合も血縁関係の
近い人がお墓の継承者になることがほとんど。

しかし、実はお墓の継承者については法律上で
しっかりと定められているのです。

お墓の継承について規定する民法第897条では、
以下のように記載されています。

「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、相続分の規定によらず、
慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。

ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を
主宰すべき者があるときは、その者が承継する」

この条文の後半に注目してください。

つまり、生前に継承者を指名すれば、
血縁関係のない信頼のできる友人・知人や
遠い親戚を指名してお墓を継承してもらうことも可能なのです。

そのため、ご自身のお墓を継承してくれる人がいない
子どもにお墓の心配をかけたくなという方は、

心から信頼できる人をお墓の継承者として指名する
という方法も選択肢の一つ。

ただ、友人や遠い親戚といった
血縁関係の薄い人に頼む場合には、

死後に遺族から頼むには心理的ハードルが
大きいため生前の早いうちから頼んでおくことを
おすすめします。

墓じまいを行う


「墓じまい」とは遺骨を取り出してお墓を撤去し、
お墓のあった土地を更地にして寺院や霊園に返却すること。

墓じまいを行うとその後のお墓参りは
できなくなりますが維持管理の負担は軽減されます。

また、墓じまいの際に取り出した遺骨は、
自宅で保管する「手元供養」にしたり、

細かく砕いて海や森に撒いてしまう
「散骨」の形式をとる人も多いです。

永代供養墓を利用する


永代供養は、故人の家族に代わって
霊園や墓地が責任をもって故人の遺骨をお守りする
近年注目されている供養の形です。

樹木葬などの場合は、費用を抑えることが
できるものの他人の遺骨と一緒に埋葬されてしまう
という欠点があります。

しかし、後継者不要であるため
お墓の手入れの手間が軽減され、
無縁墓になる心配もなくなることは
大きな魅力と言えます。

また、納骨堂など個別にご遺骨を
納める形のものもあるため、

故人やご家族と話し合って
最適な供養の形を検討することを
おすすめいたします。

お墓を持つのは大変...そんな方は海洋散骨という手段も

海洋散骨とは、ご遺骨を細かく砕いて
海に散骨する供養の形。

お墓の負担を子どもにかけたくないという思いから
生前に海洋散骨を選択される人も増えています。

新しい供養の形ですが、
ご自身が海好きで死後は自然に還りたいと
希望する人もいるほど人気の供養の方法です。

維持管理の心配はもちろん、
お墓を購入するほどの手間や費用がかからず

もしあなたが、
「後継者がいない・いなくなってしまう」という理由で、
自分を含めご先祖様の大切なお墓がなくなるかもしれないと
不安に感じているのであれば、
海洋散骨という供養の形を選んでみるのはいかがでしょうか。

株式会社TERASUでは、海洋散骨を始めとした
お墓の不安・お悩みに寄り添ってあなたに
最適なご提案をさせていただきます。

ぜひ、一度ご相談ください。


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