虚栄心に滅ぼされる

虚栄心は、自らを盲目にする


欲望を考えてみると、色々思いつく。

食欲、睡眠欲、性欲といった三大欲求は、
能動的な欲望だが、
逆にこれだけは避けたいという種の欲望もある。

人に汚く思われたくない欲、孤独になりたくない欲、
といったふうに。

そんな中、虚栄心というのは、
実に不思議な欲望だ。

能動的な欲望のような気もするが、
背景には、何かを忌避したい欲が
潜んでいるようにも思われる。

虚栄心は、
あらゆる欲に左右する。

性行為がしたいというのは、
性欲だろう。
本来これは物凄くシンプルで純粋な欲望なはずだ。

だが、現実には、
容姿のいい相手を積極的に選ぼうとしたり、
容姿の良くない相手を忌避することもある。
なぜか。

これこそが虚栄心ではないか。

自分に自信をもてないとき、
自分は、こんなにも容姿のいい相手と
性行為ができるという点に
喜びを感じるのかもしれない。

つまり、虚栄心は、
自信のない自分を釣り上げたい欲望でもあるのかもしれない。

人より優れていると思われたいというのも
虚栄心だ。

その優れているという尺度は、
個人が勝手に決める。

だから、虚栄心はあらゆる欲望に左右する

虚栄心が寡黙になるとき、
人は寡黙になる(ラ・ロシュフコー箴言)

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