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恋ごころ

20歳のころ、某アウトドアブランドのショップで店員をしていた私。高校生の頃から4年間フラワーデザインの教室に通っていて、お花を飾る事が好きだった。

ある日、お店に飾る花を選びに駅前の小さなお花屋さんに行った。とてもおしゃべりが上手で愛想のいいお兄さん。通っているうちに仲良くなった。

でも、私の彼はお花屋さんではなかった。
初彼はマスコットみたいに小さい人だった。
確か身長が155センチぐらいで、ちなみにわたしは169センチなので、デコボココンビだった。

私のバイト先の向かいにあるアパレルショップで働く店員だった。

小さい彼と付き合いはじめて間もなく、お花屋さんから、今度会えないかと電話がかかってきた。

お花屋さんのことは好きではあったが、もう彼がいたので、ごめんなさいと言った。

しかし半年後、小さい彼から好きな子ができたから別れようと言われ、彼とは別れた。
その後見かけたのは、小さい彼と同じくらいの背丈の女の子と歩いていた姿。

今では、まあ自然なことよねと納得できる。

誰も自分のことを知らない場所に行きたくなり、北海道帯広市の牧場へ行った。住み込みだった。牛と大自然と住込先の小学生の男の子とゲームボーイが心を癒してくれた。

24歳の時、3歳下の彼氏ができた。
好きな物や趣味も同じで、とにかく仲が良かった。間違いなくいちばん好きだった人。

彼とは10年間一緒にいたが、結婚には至らなかった。

理由は、縁がなかったから。
親の反対やそもそも家柄の違いというやつだ。
冷静な第三者の意見は、結構的を得ているなという学びがあった。

別れる3年前、彼と彼の母にお寺に一緒に行き、私と彼の運命のようなものを見てもらった。生年月日と名前だったように思う。(四柱推命かな?)

彼の母上からのことば。
あなたは棺桶を運んでくる人だから、ウチの家にきて欲しく無いの。お互いが幸せになるためには、ねえ、ねっ。(別れてね)と手を握られた。

この帰りの車で、涙が止まらなかったのを覚えている。うすうす気づいてた、一緒にはなれないという現実を突き刺されたからだ。

頭では分かっている。
どうにもこうにも、気持ちが追いつかない。
好きという感情を無理矢理、ねじ曲げることが難しくて、気持ちの整理に4年ほどかかった。

この頃は動物病院で働いていて、飼い主さんが病院に贈ってくれた花束に、見たことのある名前が書いてあり、そこで私は昔、仲良くしていたお花屋さんがお店を出していることを知った。

寒い寒い季節。
クリスマスイブというのは、何かしらの魔法がかかっている。

わたしはお花屋さんに会いに行った。


つづく…かな。





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