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効率的な進捗会議の方法って、あるんでしょうか

大きなチームでよくある進捗会議。必要だからやるんですが、チームメンバーの時間を奪ってしまうのがつらいところ。ベストプラクティスはあるのでしょうか?


監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。

監査でもほかのプロジェクトでも、チームメンバーが多くなると定例の進捗会議を開くことがよくあります。
主要メンバーが対面やリモートで集まって、それぞれの担当の進捗を報告したり、問題が起こったことを共有したりします。

進捗会議は「実効性」を確保しつつ「効率的」に行うのが非常に難しい。
正解は見いだせていないのですが、これまで取り組んできたことをお話しします。


進捗会議での失敗

失敗❶ どんどん時間が足りなくなる

進捗会議は、だらだらやっていると半日くらいは平気で費やしてしまいます。そこで、30分や1時間など時間を決めて、その中で圧縮して実施することで効率化を図ろうとしました。
しかし、時間内に終わらないことが増えて延長戦が常態化します。

特にリーダーが忙しくて連絡が取りづらいと、進捗会議を千載一遇のチャンスととらえて相談する人が続出します。

また、次の進捗会議まで報告・相談することをためておこう、という気持ちになりがち、という問題もあります。
進捗会議の頻度にもよりますが、チームの行動が一拍遅れてしまいます。

失敗❷ 恩恵をこうむるのはリーダーだけ?

進捗会議で話しているのは報告者とリーダーだけということがよくあります。
ほかの人は自分の報告の順番を待っているか、報告が終わって内職しているか。
突然名前を呼ばれて「すいません、何の話ですか?」ということも。

待っているだけだと時間がもったいないし、内職でできることは限られるのでやはり効率が悪い。

あるとき、報告者がチームリーダーである私の方ばかり見て報告している(当時は対面でした)ことに気づきました。
進捗会議は全員のためなんだから、全員に向けて話してくれと言ったところ、報告者ほか数名が驚いた様子。
「え、てりたまさんのための会議だと思っていたんですけど…」

確かに、リーダーには都合がいいんです。
担当してくれている本人から直接報告が聞ける。
ほかのチームメンバーに聞きたいことが出てきたらその場で巻き込んで解決できる。
リーダー自身が悩んでいることを話して、意見をもらえる。

ただ、そのために忙しいメンバーの時間が無駄になるのはもったいなさすぎます。


情報共有の理想の方法を求めて

このような失敗を踏まえて、いろいろなやり方を模索しました。
どれもこれも、なかなかうまくいきません……

頻度を下げる

毎日だったのを月・水・金にする、毎週を隔週にするなど頻度を下げることはすぐにできます。

しかし、それだけでは一回に話すことが多くなってしまい、解決にはなりません。

メンバーを絞る

参加するメンバーを絞れば、一人当たり使える時間が増えます。
チーム内のサブチームを明確にして、サブチームリーダーのみ参加する、という方法です。

各サブチーム内でも情報共有が必要になり、サブチームリーダーの負担が増えてしまうことが大きな問題になりました。

時間管理を徹底する

一人当たりの時間を決めて、オーバーしないように厳しく管理します。

報告事項が少ない人は与えられた時間を安心して使ってしまい、報告事項が多い人は途中で時間切れになると、時間通り終わっても内容が薄くなってしまいます。

議論はしないことを徹底

議論しはじめると長くなるため、「進捗会議では議論はしない」ことを徹底することも必要。
議論になりそうになると、リーダーが「続きは別に時間をとってやろう」と仕切らないといけません。

しかし、リーダー自身がメンバーの報告に割り込んで質問し、議論が始まってしまうこともあります。
リーダーの自制が一番のポイントかもしれません。

リーダーが一人ひとりと個別にミーティング

「報告者以外はヒマ」問題を解決するために、進捗会議をやめてリーダーが一人ひとりと短くミーティングする方法もあります。

この方法には、メンバー間での情報共有をどうするか、という問題が残ります。ほかのメンバーの報告は関係ないものが多くても、一部の関係ある報告は知っておく必要があります。
リーダーにとっても、報告者以外のメンバーの状況や意見を聞きたいと思うと別に時間をとる必要があります。

非同期で情報共有する

対面やリモートで合わないと情報共有ができない、ということはないはずなので、テキストベースで非同期で共有する方法も考えました。

まず、各メンバーがメールで報告する方法。一人ひとりの報告をわざわざ開けて読まないといけないので、誰も読まなくなります。

Slack、Teams、Lineなどのチャットツールで情報共有することもできます。
情報共有だけの問題ではないのですが、書き込みが多いとタイムラインがどんどん流れてしまって追いかけられない、という問題があります。
専用のチャンネルを作ると、わざわざ開けないといけないので読まなくなってしまいます。

全員がアクセスできるところにエクセルなど置いておいて、みんなで書き込むこともできます。
エクセルを開けもしない人がいると、ほかの人がどんどん書き込んでいる様子が見えず、プレッシャーになりません。しつこく督促して書いてもらわないと、だんだん書かない人が増えていきます。

リーダーとメンバーの時間に余裕を持たせる

そもそもリーダーに余裕があっていつでも相談ができ、メンバー間でも随時連絡を取り合って必要な情報を共有できていれば、進捗会議の必要性は小さくなります。

これができれば世話ないですが、現実的な解とは言えません。


おわりに

結局、何事もチーム内に規律がないとうまくいかないですね。規律を生めなかったリーダーの私が一番の問題だったかもしれません。

本文では触れませんでしたが、ソフトウェア開発手法の「SCRUM」では、毎日15分だけ集まって「前回の会議以降、何をしたか」「問題はあるか」「次回の会議までに何をするつもりか」だけを報告することが提唱されています。
これも参加者全員に「それ以外は話さない」「全体で15分で終えられるように全力を尽くす」という意識が強くないと機能しません。

今回は延々と愚痴を聞いていただくような記事になってしまいましたが、何か皆さんのチーム運営のヒントになれば幸いです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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