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CINEMA 4Dでの物理演算をハイスピード撮影してみる実験

銃弾がバナナを撃ち抜いたり、水風船が破裂したり...CMやミュージックビデオなんかでもよく使われる、スローモーションの映像。なんてことない被写体でも、スローモーションってだけで面白みや見応え・シズルが出ます。 これはハイスピードカメラという、1秒間に1000コマとか撮れる特殊なカメラで撮影することで実現しているのですが、私のようなフリーランスが個人で導入するには少々敷居が高く...レンタルするだけでも1日10万〜30万以上かかります。 スローモーションの映像はずっと作りたかったんですが、機材が調達できない... というわけで、最近勉強しているCINEMA 4Dを使って、物理演算の実験も兼ねて、仮想的にハイスピード撮影をしてみました。 【制作手順】 ・以前作ったラクダのローポリモデルに衝突判定をつけて落下させ、それを、フレームレートを120fpsに上げたCINEMA 4Dのカメラでレンダリング ・Adobe Premiere Pro に読み込み、速度・デュレーションを12.5%に調整。このときフレーム補完方式を「オプティカルフロー」に設定 ・より「っぽさ」が出るように、ノイズやちらつきエフェクトを追加 (実際のハイスピードカメラはシャッタースピードがものすごく早く、ISO感度も上がってノイズも乗りがちで、蛍光灯の明滅もうつしてしまうので) という手順で作成しました。 本当はPremiereで速度を25%にしてちょうど30fpsにする予定だったんですが、それだと思ったより気持ち良いスローモーションになりきらなかったので、フレーム補完を使ってさらに引き伸ばしました。 Premiereで240fpsで書き出し直すのが画質的にはベストですが、120fpsのレンダリングでも52時間かかっているので、再レンダリングは断念しました...。 オプティカルフローは、もともとスローな映像だとわりかし綺麗に補完してくれます。 【所感】 ほんとに中身のない動画ですが、スローモーションにするだけで、やはりある程度見れるものになりますね。物理演算とスローモーションは相性が良い気がします。 C4Dは物理演算(ダイナミクス)がとっても簡単で気軽にできて面白いです。 カメラも理論カメラなので、フレームレートも自由だし、実際のカメラじゃ実現できないような設定(絞りを0.1にして過度にぼかしたり)にできたり、レンズも色々交換できるし、三脚もいらないし、動かせるし、いろんな構図を試せて楽しいです。 懸念すべきはレンダリング時間でしょうか...。レンダリングについては勉強不足なので今後いろいろ調べて試してみます。 【次回の課題】 引き続きC4Dのスキルを高めつつ、物理演算の可能性を探っていきます。もっと音楽に合わせたモーショングラフィックのようなものができれば、コンテンツになりうるかな... あとは効率の良いレンダリングについて調べます。 (追記)モデルがラクダなのは、故郷の鳥取にある砂丘へのリスペクトです。