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#577 ZPDを振り返る

前回の続き。

前回の記事では、「発達の最近接領域(ZPD)」を意識しためあて設定を、子ども一人ひとりにさせることを提案した。

今回は、それを振り返ることについて提案していきたい。

授業では、子ども一人ひとりが自己決定しためあてに向け、学習を進める。

教科書を使う子どももいれば、ドリル学習をする子どももいる。

AIドリルで学習を進める子どももいるだろう。

「達成できるか分からないギリギリのめあて」に向けて、子どもが1人または複数で協働しながら、学習を進めていくのである。

そして、一番重要になるのが、学習を終えた後の「振り返り」である。

この「振り返り」の段階において、自分の設定しためあてが「達成できるかギリギリ」のレベルであったかを省察する。

つまり、ZPD内のレベルであったかをリフレクションするのである。

さらに、自分の学習方略が適切であったかどうかも省察することが重要である。

このような「省察レベルの振り返り」は、訓練しないとできるようにはならない。

教師が子ども一人ひとりの振り返りをチェックし、省察できているかを評価する。

質的に省察できていればほめ、できていなければ改善点をフィードバックする。

「ギリギリのめあてを設定して、全部できませんでした。次はできなかったところの復習をしたり、友達と協力したりしたいです。」

「簡単にめあてを達成してしまいました。次回は、もう少しレベルの高い問題に挑戦したり、自力で解決したりしたいです。」

上記2つのような振り返りは、「自分のレベル設定」と「学習方略」を省察することができている。

このような振り返りができるようになれば、次回の授業の際、「ギリギリのめあて設定」を意識し、それを達成するための「学習方略の調整」をするだろう。

これが重要なのである。

このような「自分に合うレベルのめあて設定」「学習方略の自己調整」「省察レベルの振り返り」が、「自分の学習スタイルを知ること」「自分の強みを知ること」「自分の学び方の得意を知ること」につながるのである。

そしてその「学習スタイル」「強み」「学び方の得意」は、子ども一人ひとり違っていいのである。

「多様性」「個性」があるから当然なのである。

なので、授業終末の「省察レベルの振り返り」が重要なのである。

全てはその省察から始まるのである。


では授業中、子どもが自己調整しながら学習を進めているとき、教師は何をすればいいのだろうか?

一斉指導と違い、教師の手がガラ空きになってしまう。

教師は何もしなくてもいいのか?

そんなはずはない。

教師にはすべきことがあるのだ。

次回の記事では、子どもの学習中の「教師の働きかけ」について述べていきたい。

次回に続く・・・。

では。

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