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僕を見捨てた人の背中を忘れることはできないけれど

ライターとして独立して5年目を迎えました。なんとか生き残りました。これまで支えてくださって本当にありがとうございます。

今年は、年始からイベントが目白押しです。ステップアップを狙った中小企業診断士試験も無事に突破して登録への準備を進めています。コーヒーとかアフリカの専門的な執筆や、大学での講師もやりました。

よく頑張ったなと自分で思います。昨年は、新規の営業をセーブして、資格試験の勉強に邁進。11月からはアフリカに2ヶ月滞在して、コーヒー生産の現地調査を行いました。虎視眈々と進めてきた準備が今年になって実った形で、ひと安心です。今年は、このチャンスを捉えて飛躍の年にしたいです。

ここからは(ここからも)自分語りです。

僕は一橋大学出身です。大学名で生きるのは恥ずかしいけれど、先輩方が築き上げてくれたブランド力に下駄を履かせてもらってきたことも事実です。その学歴なら順風満帆でいいねと当てつけられることも多くありますが、でも、そんなに順風満帆ではなく挫折もたくさんありました。

最初の大きな挫折は、博士課程への進学失敗でした。普通落ちないんですよ、修士から博士課程への進学って。でも落ちました。口頭試験の当日まで進学できると本当に思っていて、これからの準備も、家族や知人への根回しもしていたのに落ちました。その報告をした時の皆の反応はいまだに覚えています。すごく惨めだったことも覚えています。

進学試験の後に、君は研究者にはなれないと先生に告げられて、僕は進学を諦めました。じゃあもっと早く言ってくれよと思いましたが、そんなことを言っても仕方ありません。そこから就職活動を始めたので、僕は3年間修士課程にいました。今度こそ専門性を身につけられる仕事に就きたいと考えて、銀行に就職することに決めました。

2つ目の大きな挫折は、銀行の退職でした。新卒で配属された部署は、周りから憐れまれるような部署でした。毎日のように怒鳴られ、サビ残のオンパレードで、家に帰ったらワケもなく涙が出てくるような状態でした。これはまずいと思って、病気になる前に逃げるように銀行を辞めました。いま考えたら、病気に既になっていたのかもしれません。

そこからの人生は、わりとハードモードでした。それまで仲良くしてくれていた友達は、本当に潮が引くように離れていきました。「時間に余裕ができたから飲みに行こう」と誘ったら、やんわりと断られるならまだいい方で、返事が来ないこともたくさんありました。ひどいなあとは思うものの、僕が逆の立場なら同じことをしたのかもしれないと思うので責めるつもりはないです。でも、僕の元から去っていった人の背中を忘れることはできません。

あの時は、本当に辛かったです。サラリーマンなんて安定志向はダメだと思い込まなければ、自分が潰れてしまいそうな日々でした。意味のない背伸びをしましたし、残ってくれた友達も何度も傷つけてしまいました。僕が悪かったです。本当にすみませんでした。

数年間、専業主夫をやりました。みんなが僕の元を去っていく中、銀行を辞めた直後の僕と結婚してくれたのが妻でした。妻の支えがなかったら、今の僕はないと思います。

2018年に、バーで働き始めました。バーテンダーに憧れがあったので、専業主夫をやめてバーに勤めることにしました。最初はアルバイトとして勤務を始めました。慣れてくれば社員になろうかなと考えていました。

突然、脱毛症になりました。櫛を入れたらゴッソリ髪が抜けてしまう状態で、バーをお休みすることになりました。席は空けておくからとマネージャーは約束してくれたものの、接客業に相応しい姿だと自分自身で思えなかったので、バーは辞めることにしました。
(注記しておくと、脱毛症が進行していたショックもあって、接客業に相応しくないと思い込んでしまっただけです。短髪でもスキンヘッドでも、魅力的な接客は必ずできます。実際、僕はスキンヘッドでお仕事していまして、トレードマークというかチャームポイント?というか、一生これでやると決めています。)

そのタイミングで、最初はお小遣い稼ぎ程度だったライター業が軌道に乗り始めます。きっかけは、コーヒーの記事執筆でした。それもあって、僕はコーヒーに特別な思い入れがあります。ご依頼してくれたのは、今はお取引のなくなってしまった企業様ですが、そのご縁とご恩は一生忘れません。

ライターとして、一生懸命頑張りました。フリーランスで生きていくコツは、一緒に働く人を幸せにして、お客様を喜ばせることだと知りました。もっといろんな角度からお役に立ちたいと考えて、もっといろんなことができるようになりたいと思いました。去年の試験勉強や現地調査は、その一環でした。実際にこれで多くの人に喜んでもらえていて、心の底から嬉しいなと思います。

改めて書き出すと、いろんなものを失って、いろんなことをやってきた人生ですね。これからは願わくば、たくさんのことを与えられる人間でありたいなあって思います。そうすれば失うものは最小限で済むし、いっぱい与えてもらえるし、自暴自棄になって失点を重ねることも減らせるし、失ったことを悔いずに済みそうですからね。どこまでも牧歌的にはもう生きていけないけれど、大義と優しさは忘れずに参ります。

サポートしていただいた分はコーヒーの勉強代に使います!