11. フレックスにすると人はサボるの?

● フレックス制度廃止に翻弄された前職

前職(ITコンサルと開発のベンチャー)で困ったのはフレックス制度が途中からなくなってしまったことだ。

メンタルクリニックへの通院は1週間に1回だったのでフレックスタイムがあるというのは私にとって転職するうえでかなり大事なことだった(一応、経営者と人事と直属上司だけには双極性障害のことをオープンにしていた)。制度がなくなっても通院をやめるわけにはいかないので、退職するまでは毎週通院の時間分、お給料から引かれ続けた。

フレックス制度がなくなってしまった理由。それは経営者が「フレックス制度があると社員がサボる」とみなしたためだ。フレックスを推進してくれた人事の責任者と仲が悪くなったとか、そういうのもあるかも知れないけれど。

フレックス制度があると本当に人はサボるのか?個人的に全くそうは思わないので反論を以下に書いておきたい。

● フレックスにしても人がサボらない理由

フレックスにしろ、リモートワークにしろ、それらの制度を利用しようがしまいが平等に評価を得るための達成目標があり、割り当てられた業務への責任や納期が存在する。サボると困るのは自分なことぐらい従業員は誰だって分かっていると思う。やるべきことをやるという点では何も変わらない。

また、反対に残業しなければならない時だってあるのだから、そうでない時はやるべきことを済ませさえすればむしろ健康維持のためにさっさと切り上げるべきだろう。

● フレックスで生じる不都合?

フレックス制度を利用してバラバラの時間帯でメンバーが働いていると、管理者目線としては、ひとりひとりのひっ迫度合いを目視して調整できない欠点がある。私もプロジェクトマネジメントをした際にそこは難しく感じた。しかしそれはそれで、効率が良いメンバーほどわんこそばの様に追加業務を詰め込まれる悪循環を生み出す。結果として優秀な人が辞めていくことになる。だからマイクロマネジメントや追加アサインという名の調整ができないのは一見不都合だが、これでいいのだと思っている。

● まとめ

フレックス制度は従業員の私生活と業務をより両立しやすくするとともに健康も促進するため、できる限り全ての雇用者に採用してほしい。業務時間が変則的になっても目の前のやるべき事、責任、納期、達成目標があるため雇用される側もサボるわけではない。だから信頼してほしい。横並びの管理・調整やマイクロマネジメントはやりにくくなるかも知れないが、それらはマイナス面もあるため、一概に悪いとは言えない。

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