バカハ・タカイトコスキ族の家事

学生時代の友人と今会ったとして、家事をしていると告げたらひどく驚かれるだろう。
当時の私は室内飼いの獣もいいところで、部屋には砂埃と30本のペットボトル、花の咲きかけた野菜があったし、スプーンの上にコンタクトレンズがあった。
今は整理整頓は下手だけれど清掃されて、ある程度秩序がある家でヒトとして暮らしている。

もし早い段階で生活能力が低いことを誰かが見抜いていたら、適切に能力は向上できたのだろうか。
子供時代から勉強は出来たが、両親は共働きでのびのび自由気ままにお一人様ライフを過ごしていた。机に飽きたら屋根の上にレジャーシートをひいて紅茶を飲みながら勉強したし、運動したい時はママチャリのスタンドを立ててサイクリングマシーンごっこをしながら単語を覚えた。勉強はひとりでもできた。あくまでも勉強は。

ちなみに屋根の上での学問は真似してはいけない。両親はさして注意しなかったが。父は父で小さい頃でかい石を高いところから落とせば剣になりそうと屋根に上がり、結果手の骨を粉砕骨折した。母は近場の崖から屋根に飛び移る遊びをしていたらしい。バカハ・タカイトコスキ族の血筋である。

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