平成最後のグランドクロス

★追記あり(2018年1月6日更新)

 2018年は、この社会がひた隠しにしてきた真実が明らかになり、地獄の門がひらく。新年度に「中高年ひきこもり」の全国調査が内閣府によって行われるからだ。

(上図:中高年ひきこもり初調査 内閣府18年度 40~59歳、実態把握へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201712/CK2017123102000117.html より)

 これまで「ひきこもり」として、統計データに計上されていたのは、15歳~39歳のいわゆる「若年層」にかぎられていた(推計では全国におよそ60万人近いひきこもりがいるとされている)。2018年度には、従来の統計には表れることのなかった中高年ひきこもりも調査対象となる。

 「中高年ひきこもり調査」は、現代社会のグランドクロスとなる。これまで日本社会が見て見ぬふりをしてきた諸問題へと、いやおうなしに人びとの視線を引きよせていくことになるだろう。

 2018年最初の白饅頭noteでは「中高年ひきこもり調査」がまもなく示すであろう日本社会の宿痾(しゅくあ)を、先んじて整理しておきたい。
 

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