「差別反対」のパラドックス

 インターネットの「反差別言論」界隈でよくいわれる、差別の定義がある。いわく「本人の努力では元来どうすることもできない(≒先天的な)性質や属性に対して行われる不当な扱いや不利益」である。この定義づけは、現代社会の差別問題の多くを説明できるものとみなされており、なるほど一定の支持を得ているようだ。

ここから先は

3,353字 / 1画像

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?