Ⅴ-#5 シートの作り方(2)
1.「それでもやめたらどうなるか」
今回紹介するのはシートの右上の部分です。まずは上段3列目の「それでもやめたらどうなるか」という部分です。
この部分はシートの一番の核心部です。バイアスが
昔は上手くいっていた仕組みが時代や環境の変化によって機能しなくなっているにもかかわらず、修正することができず、そのままの仕組みでやり続けてしまう性質は『経路依存性』と呼ばれます。
言うまでもなく学校とはこの経路依存が非常に強く働く組織です。そして特定のある活動が経路依存に陥っているかどうかを見分けるのがこの「それでもやめたらどうなるか」という問いです。
普段やめられないと思っていた活動が続けられなくなっても案外何とかなったといったことを、コロナ禍で学校の日常が多くの学校が経験したのではないでしょうか。
具体的な記載例を挙げてみます。
ここに書いてみたのはあくまでも一例ですが、「やめられない理由」の軽重とやめた場合の深刻さが一致するとはかぎりません。「やめられない」という固定観念のベールをはがしてみるのがこのパートです。
そしてもちろん、やめてしまったら本当に大きな問題となる部分、例えば「新採・若手は授業力がのびず、学級経営も難しくなる」といったことも考えられます。
当然、そうした事項に対しては次に示すように対策が必要です。
2.対応策
次に示すのが、対応策の一例です。
この対応策は、すべての課題に対して考える必要はありません。あくまでも必要なもののみについてでかまいません。対応策の方が負担が大きくなってしまっては本末転倒です。
対応策は、一対一対応である必要はありません。効率を高めるためにも、一つの対応策で、いくつかの課題にまとめて対応する方法方が有効です。
また、学校にとって重要な課題に対しては少し厚めに対応を考えるのも一案です。例えば若手の指導力向上といった課題に対しては「新採と希望者には校内メンターを配置して月一回お互いに授業を見合って対話する」といった方法も考えられます。
(次回につづく)