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栃木県高校野球「俺的注目選手30人」2022年 夏選手権


はじめに

 7月8日(金)に高校野球 夏の選手権 栃木大会が開幕します。それに先立って、俺的注目選手10選を挙げます。
 今年の代は観戦規制が緩和された為、多くの試合を見る事が出来ました。交流戦、秋季県大会/関東大会、1年生大会、春季大会/関東大会、練習試合など昨年9月から今年の6月末までに72試合の高校野球の現地観戦ができ、多くの選手の特徴を知る事が出来ました。その観戦を通して、私が特に素晴らしいと感じた10名の選手を紹介します。残念ながら、直接見られなかった選手は10選のノミネートから外しました。

 ※ 並びは春季大会優勝校の選手から

① 横尾潤 作新学院  3年

投手 左投左打 
168cm 65kg 坂西中 (足利リトルシニア)

 高校生離れしたスライダーとカーブのキレで勝負する左腕。作新学院の春季大会優勝の立役者となった絶対的エースの存在。春季県大会では21回を投げ、自責点がわずか1という驚異的な安定力を見せた。
 昨年までの投球スタイルは、コントロールに苦しみながら変化球主体でかわすスタイルであったが、今年はストレートが140キロ台まで上がり、速いストレートとキレの良い変化球を組み合わせる緩急の投球術でバッターと勝負できるようになった。
 コントロールは改善されてきており、四死球を連発して“自滅”する事はなくなったものの、内角をつく強気のピッチングのせいで死球を出すシーンは目立った。

② 小川哲平 作新学院  1年

投手 右投右打 
182cm 85kg 落合中

 中学軟式野球で既に144キロの剛速球を投げ、ALL栃木を全国準優勝に導いた実績を持つ。182cm、85kgと実績も体格もスケールが大きな投手。
 1年生ながら春季大会の決勝戦・佐野日大戦でデビュー。最速143キロ (春季県大会での最速タイ)のストレートで打者をグイグイ攻め立て、5回無失点、被安打2と結果を残し、優勝を決定する試合で大きく貢献した。彼の活躍は全国の野球雑誌にも取り上げられるほどとなり、関東大会ではNPBのスカウトも彼の存在を認識し、チェックをしていた。
 投球術やコントロールなど今から勉強する事は多くあるものの、1年夏にこれだけのピッチングが出来ている事に驚きを隠せない逸材である。「1年生の夏で150キロを出せたら」と言う目標が達成されるか、注目したい。

③ 武藤匠海 作新学院  2年

遊撃手 右投右打 
178cm 74kg 上三川中(下野リトルシニア)

 栃木県ナンバーワン遊撃手。グラブハンドリングが柔らかく、ゴロの対応が特に優れている。捕球態勢も良い為、捕って投げる動作の速さに繋がっている。
 メディアの方も彼の守備プレーを真っ先に褒めており、高校野球ドットコムの記事では、「来季の栃木県どころか関東地区を代表する有力遊撃手として注目されそうだ」と評価した。二塁や三塁の守備もハイレベルにこなす器用さもある。
 クリーンナップを打つほど打撃も良く、関東大会のつくば秀英戦ではホームランを放った。
 足も速く、外野のポテンヒットで二塁を積極的にっていく走塁も見せる。

④ 丸山詩温 佐野日大  3年

右翼手/三塁手 右投左打 
174cm 70kg 雀宮中(上三川ボーイズ)

 走攻守3拍子揃った好選手。鋭いスイングでボールを捉え、体がねじ切れそうなフォロースルーでホームランを量産する。2年時からチームのクリーンアップとして活躍した。
 春季大会ではサードにコンバートされ、打順は攻撃的な2番バッターとして起用された。春季大会では慣れないサードでの守備ミスが目立ち、自慢のスケールの大きな打撃にも影響したのか、ホームランこそ0本に終わった。それでも打率は.478と残した事は大したものである。その春季大会ではNPBの複数球団のスカウトが動画撮影を含む視察チェックをしていた。
 春以降の練習試合ではライトを守っており、慣れたライトの守備で持ち前のバッティングにも良い影響が出てくるか、注目である。

⑤ 盛永智也 國學院栃木 2年

投手 右投右打 
181cm 79kg 城南中

 中学軟式時代に最速144キロを記録し、「炎の体育会TV」にも出演するなど中学時代から有名な選手。
ワインドアップのフォームで指にかかった低めのストレートは圧巻。春季大会のストレート最速は141キロで県内3位の速さを記録した。
 また、コントロールも良く、ストライク先行のピッチングが出来る。ストライク先行のピッチングかつ、速いストレートで打者を詰まらせて打たせて捕るタイプである為、1試合の球数が少なく、完投する事が出来る。
春季大会では見せなかった変化球を春季大会後の試合で見せており、常に進化し続けている。
 打撃も良く、芯でとらえた強いヒットを放つ。

⑥ 石川蒼 青藍泰斗  3年

中堅手 右投左打 
175cm 70kg 鹿沼西中(栃木ヤングベースボール)

 走攻守のバランスが取れた身体能力が高い選手、主将。持ち前のバットコントロールで、上手い流し打ちによるヒットが多く、春季大会では打率.455を残した。足が速く、塁に出れば、すかさず盗塁を仕掛け、足でも攻撃をしてくる。青藍泰斗はこの石川を起点に得点を入れるパターンが多く、彼の存在は大きい。
 また、守備面では、栃木県の外野手ではトップクラスの強肩を誇り、ノックから他との違いが分かる。

⑦ 大豆生田優輝 青藍泰斗  3年

右翼手 右投左打 
168cm 73kg 栃木西中(下野リトルシニア)

 チャンスで頼りになる3番バッター。秋季大会では持ち前のバッティングが評価されて優秀選手として表彰された。そのバッティングは3年時でも凄みを増し、チャンスにとても強く、得点圏では無類の強さを発揮し、打点を稼ぐ。一方で、得点圏以外の状況ではヒットがほぼ出ない極端な打者である。
 ホームランを打てる能力もあり、春季大会や関東大会の銚子商業戦ではホームランを放つバッティングを見せた。

⑧ 曽我雄斗 文星芸大付  2年

二塁手 右投左打 
163cm 55kg 陽西中(鹿沼ボーイズ)

 栃木県ナンバーワン二塁手。1年生からレギュラーを獲得し、その時から華麗な守備を見せていた。今年になり、その守備は更に磨きがかかり、どんなゴロにも対応し、難しい態勢からでもスローイングが出来る。ノックの時からその守備の上手さは目を引く。
 課題はバッティング。春季大会では1番打者ながら差し込まれた打球が多く見られてしまい、チャンスメーカーにはなれなかった。

⑨ 檜山匠海 茂木  3年

投手 左投左打 
177cm 75kg 茂木中

 2年時からエースの好左腕。ストレートは130キロ中盤であるが、数字以上に速く見える為、相手バッターが芯でとらえる事は難しく、差し込まれていく。
 奪三振能力が非常に高く、秋季大会では大会記録に並ぶ16奪三振を記録するなど、そのピッチングは佐野日大や作新学院の強豪校の打線も苦しめた。春季大会では春ベスト4の栃木工業相手に、敗れはしたものの9回3失点2自責点9奪三振2四球と安定した投球を披露した。
 私個人的に好みの投手であり、複数のNPBや大学のスカウトに隠し玉的投手として、推薦をさせてもったので、最後の夏の飛躍に期待したい。(直接プロはなくても大学経由でプロを目指してくれたらと期待)

⑩ 小林央典 足利大附  3年

投手 左投左打 
177cm 74kg 栃木西中

 1年時から公式戦で好投を見せ、昨夏から背番号1を背負ったエース左腕。130キロ後半のノビの良いストレートを投げ、右打者へのクロスファイヤーを武器とし、三振能力が高い。
 春季大会は1回戦・高根沢戦で9回2失点完投で敗戦投手になったものの、味方のエラーに引っ張られた形になっての2失点であり、打ち込まれてはいない。足利大附のバックがしっかり守ってくれれば、ノーシード爆弾として面白い存在になるのではないか。
 小林は打撃も勝負強く、打点を挙げる試合が多い。

<春季大会の優秀選手>

 高野連が選出した春季大会の優秀選手にも注目してください。

<10選以外の注目選手20人>

 10選には漏れましたが、是非注目して欲しい選手20人を枠外で簡単に紹介します。

⑪菅原拓 作新学院 二塁手 3年 :堅守、広範囲守備
⑫菊地脩斗 作新学院 右翼手/投手 3年 :県内最速144キロ右腕
⑬斎藤綾介 作新学院 一塁手 2年 :勝負強い4番打者
⑭鈴木空 佐野日大 投手 3年 :最速141キロ速球派投手
⑮腰塚孔明 佐野日大 捕手 3年 :守備・打撃ともに要
⑯黒内佑大 青藍泰斗 三塁手/投手 3年:堅守、変化球投手
⑰赤羽根陽向 栃木工業 投手 3年 :変則サイド右腕
⑱塚原翔貴 栃木工業 投手 2年 :変則サイド左腕
⑲大山颯一朗 文星芸大付 左翼手 3年 :穴が無い大型打者
⑳高橋経 文星芸大付 三塁手 3年 :強打堅守
㉑神山由翔  宇都宮南 投手 3年  :キレイな投球フォーム
㉒斎藤祥汰 白鷗大足利 投手 3年 :投打で中心選手
㉓阿部快俐 白鷗大足利 三塁手 2年 :長打力
㉔大澤奏次郎 小山 投手 3年 :技巧派ノーヒットノーラン左腕
㉕平井悠馬 國學院栃木 三塁手 3年 :強肩堅守の主将
㉖長田悠也 國學院栃木 遊撃手 2年 :巧打堅守
㉗中村拓馬 宇都宮短大付 投手 3年 :連投タフネス投手
㉘藤田大雅 宇都宮工業 投手 3年 :速球派投手
㉙成瀬諒 栃木商 投手 3年 :本格派右腕
㉚佐藤慎之介 烏山 投手 3年 :投げっぷりの良さ

<参考記録>

春季県/関東大会の最速ランキング 
※栃木の高校の選手かつ140キロ以上

1.菊地脩斗 作新学院 3年 144キロ
2. 小川哲平 作新学院 1年 143キロ
3. 横尾潤 作新学院 3年 141キロ
3. 盛永智也 國學院栃木 2年 141キロ
3. 鈴木空 佐野日大 3年 141キロ

<お礼>

写真の協力、ありがとうございました。
・まっしゅさん(ツイッターアカウント@masch_studio)
・Miyuさん(ツイッターアカウント@89_miiy )

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