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サッカーを通して成長する

私は現在保育園児から中学生までのサッカー指導をしています。
その中で意識している事は
①サッカーを楽しんでもらう事
②サッカーを通して成長する事

この2つがメインになります。

先日「サッカーを通して成長したなー」と感じた選手がいたので、
その選手の事を書きたいと思います。

彼との初めての出会いはイベントでした。
ある施設のスポーツイベントでサッカー体験会を行いその体験会に参加してくれたのが初めての出会いでした、その時のサッカーがとても楽しかったようで後日私のサッカースクールに入会してくれました。

私は挨拶をとても大事にしています、人と出会った時の最初のコミュニケーションであり会話の入り口になるからです。
私としてはサッカーを楽しませ上手にする事と、同等かそれ以上にコミュニケーション能力を育んであげる必要があると感じています。
コミュニケーションは生きていく中でとても大事な要素であり、コミュニケーション能力が高い子はサッカーが上手な場合が多いです。
生活の中で人の話を聞き考え、自分の考えを伝える事が出来るようになる事が最も大事だと思いますし、私たちがサッカーを通して伝えていきたい事になります。

子供達は基本的に始めの方は挨拶出来ません笑
しかし毎回私の方から挨拶をすると自然に子供達も出来るようになり、子供達から挨拶してくれる事が増えていきます。
たまに「挨拶しようね」と軽めに言う事はありますが強制する事はありません。
私と子供達は先生と生徒ではないので、
サッカー好きな近所のお兄さんと思ってもらえるように接しています。
子供達からみたらもうおじさんだと思いますが。。笑

彼の話に戻しましょう。
彼も初めは挨拶があまり出来ませんでしたが数カ月後には自然と挨拶が出来るようになりました、これだけでも立派な成長ですよね。
とても優しいのでスクールにもすぐ馴染み年下の子供達からも慕われていました。
中学になると私のジュニアユースチームに加入してくれて直向きにサッカーを続けています、そんな彼にサッカーを通して成長するとはどう言う事か先日教えられました。

その日のチームスケジュールは、リーグ戦が行われた後にフレンドリーマッチが組まれていたので選手全員参加になりました、リーグ戦はベンチ入りの人数が決まっているので数名ベンチ外になる事になり彼もベンチ外になりました。
ベンチ外になってしまった選手に、後で試合を全員で振り返る事が出来るようにビデオ撮影のお願いをする事がたまにあり、その日は彼にビデオ撮影をお願いしました。
そして帰宅後彼が撮ってくれた試合映像を見るといつもと違う事にすぐ気付きました。

ボールを追うだけではなく遠い場所の時にはしっかりとズームにして見やすくしてくれていました。
早い展開の中でボールを追うだけでも難しいのにズームにしたり戻したりする作業を70分する大変さは容易に想像ができます。
しかもiPadなので普通のビデオカメラより更に大変です。選手に撮影をしてもらう時は「ボールを追ってくれればそれで大丈夫だから宜しくね」
といつも言いますしこの日も彼にはそれだけ伝えました。
しかし彼は私に言われたボールを追う事と+して見やすいようにアップにするという事をしてくれました。
社会人ならこれ120点の仕事ですよね。
彼はベンチ外になって悔しい気持ちがもちろんあったはずです、その上ビデオ撮影という大変な作業まで頼まれ面白くない気持ちもあったと思います。
しかし彼はきっと今の自分に出来る精一杯を考えて皆んなが後で見やすいように大変なズーム作業をしてビデオ撮影をしてくれたんだと思います。
その日のフレンドリーマッチで彼は点を決めました、きっとサッカーの神様は彼の行いを見ていたのだと思います。

彼は最初挨拶もあまり出来ませんでしたが、今では目を見て挨拶をする事が出来るようになりコミュニケーションが上手に取れるようになりました。
周りをよく観察して様々なサポートやチームの仕事を率先して行ってくれるようになりました。
サッカーという団体競技の特性、スタッフ、チームメイト、多くの出会いや成功失敗を経験して自立心を養っているのだと思います。
これが「サッカーを通して成長する」
という事なんだと思いますし、私も改めて考えさせられました。

これからも皆んなの成長を見守っていきます。


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