過去の動画をあげてみました。

https://www.youtube.com/watch?v=0FmwHwJYy4c
2013年blanc。
短くなったり長くなったりするけどおおよそ20分のショーケースです。
Shoeboxでアメリカを周り、EJCでフィンランドに行き、その中で6分と言う枠にとらわれない作品をたくさん見てきました。JJFやIJAを出自とするとどうしてもその枠に全く無自覚にはまっていたのですが、そういうものに触れて「技術を決まった時間に詰め込む」のとは別のことがやりたいなと思って作ったものです。
このころから興味はすでにステージの装飾と構成にあって、「演技が終わった時にステージが完成している」みたいな感じのができたらなあと思っていました。


https://www.youtube.com/watch?v=RlBUbTntewM
2016年REI。
毎年呼んでもらっていた4JFでやったものです。
このころはジャグリングの「幾何学的すぎる」ことがすごく嫌で、(ボールってなんやねんみたいな)ジャグリングじゃない道具を使いたいと思っていました。この前にもペットボトルを使った演技を作ったりしていたんですが、もっと思い切って「もの」を使うにはを考えて、かなり思い切ってやってみたものです。ものの質やイメージを、扱い方で増幅する、それってジャグリングじゃん、みたいなことを考えていました。

どちらも根底にあったのは「ジャグリングには技術のプレゼンテーション以外の面がたくさんあるはず」という確信でした。それを通じてもっと原初的に人間が「よい」と思うポイントを探していきたい、と強く思ったのを覚えています。
長い作品を作ると何がいいって、そういった「パフォーマンス要素」について考えざるを得ないことだと思います。
論文などで扱う以上「ジャグリング」と「ジャグリングパフォーマンス」の違いは?みたいな定義しても僕以外得しないようなことをずっと考えるのですが、それでいうと「ジャグリング技術を人に見せるために、ジャグリング技術以外の要素を取り入れたパッケージがジャグリングパフォーマンス」だと思っています。20分とかのパフォーマンスを作るときって、どう考えても技術だけでは無理で、構成や装飾、何かしらジャグリング以外の要素について真剣に考える必要が強制的に出てくるなと思います。

ここら辺2本で感じたのは、結局「もの」と「体」とで行う空間表現だというくらいの認識にたどり着けました。作るものが大きくなっていけば理解も大きくなっていく感じが面白かったです。そしてそうやって理解の視野を広げていくことがジャグリングという文化の総体のレベルをあげていくのに必要なことだと無意識に信じていて、僕は今でも疑っていません。


https://www.youtube.com/watch?v=SQ0sDM7L9Z4
LOSTSCAPE
ついでに公開しました。
上にも書きましたが、もっとジャグリングというものを広められる、ジャグリング以外の要素、というところから出発しています。ジャグリングの要素である「もの」「体」「環境」を強化するにはどうするのか?→同じ時間経過のある映像じゃないか?ということで映像を入れました。この辺りからより「どうやったら空間(もの体環境のそ)作れる?」みたいな視点になっていきます。


https://www.youtube.com/watch?v=dV-tBF4AzZY
Magnetic Sea

プロモーションムービーですが、最新作です。

これは「ジャグリングの幾何学性が嫌だった」みたいな話から、本当に「もの」に全振りした作品になります。ジャグラーがジャグリングの視点で「もの」を扱うとどうなるのか?というところにすごく興味があってやってみました。振りすぎだろうしジャグラーが見たら「ジャグリングではない」と思われそうですが、「これが僕のやりたかった風景だ」と一番思っている作品です。

そういったかたちで、今は「ものと体の関わりを考える」ということを大きなテーマに、「ものと体の新しい関係性の発掘」=ジャグリング道具ではないものとジャグラーの視点で関わる、「ものと体の関係性の拡張と修飾」=ものとの関わりの中で発生する感覚を増幅できるような映像・照明演出、の2つのシリーズを作っていこうと思っています。

まあそんなことやっててじゃあ結局どういうところにたどり着きたいのか?というのはやはり、「新しい感覚」です。ジャグリングだからこそできる、またはジャグリングをやっていた人間だから持ち得た視点だからこそ見つけられる感覚というのはあると思っていて、そこにたどり着くのが人間を進化させる=新しいものを創作する使命ではないかと思っています。

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