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弓の持つ見えない力

妖怪に対処する神歌の中に、梓弓という言葉が出てきましたね。
(もののけを、引き放してぞ梓弓、引き取りたまえ今日の聞神)

これは元々、巫女がトランスモードに入る際に弦を鳴らす物でした。

それが転じて、弦を鳴らすことで妖魔を射るという蟇目の法になっていったのです。
神道での祓いの一種となりました。

弦を鳴らさずに射ったかのように祭文に組み込んだというものもあります。

たとえば荒神祭文では、

桑の弓、蓬の矢を以て天地四方へ射祓えば、諸魔、障碍神は大海、大地の底へと射落とさん

とあり、必ずしも弓を鳴らすというわけではないのです。

祭文で相手に対処するには言霊を割るという方法もあります。

たとえば狐対処の神歌には

夏は来つ、根に鳴く蝉の唐衣、吾れ吾れが身の上に着よ

これは来つ、根というところはキツネという音を割っているために相手を降伏させようというやり方です。

日本史でも有名な方広寺の国家安康という家康の文字を分けたのも、実際には呪詛であるということが分かるわけです。
徳川方の言いがかりというわけではなく、実際に効果のあるものでした。

弓も相手を矢で倒すだけでなく、音で邪気を祓うなどの使い方もできます。
見える世界の攻撃と見えない世界の攻撃というものがあるからです。
名前を割った文言を書くなど小さなことで問題とは発生してくるものです。
皆さまも見えない世界について一緒に学び、見えないところから人生を良くしていきませんか。


これからも良い記事を書いていきます。