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もてなす、とは、想像力である

「もてなす」は、心から歓迎する気持ちを込めて相手を丁重に扱う意。

今日は、私が研究している「もてなす」についてレポートにまとめました。
もてなす時間について、提案したいと思います。

私が「もてなす時間」の大切さに気が付いたのは、世の中に伝えていきたい自分の仕事について考えているときでした。
自分の人生を振り返ってみると、死に際まで持っていける記憶は、もてなされたり、もてなした時間ばかりだったことに気づいたのです。
そして、そこにあった素晴らしい時間は、”もてなす時間”であった、と言語化できたのです。

相手を丁重に扱う時間

もてなす時間。

「相手を丁重に扱う」時間は、無条件の愛であり、人とのつながりを太くし、人とのつながりを発展させ、コミュニケーションを通して人生を創造する素晴らしい時間です。

私が人生最初のおもてなしを受けたのは、最高に楽しかった花火大会の遊びでした。いつも、たいしてつまらなかった花火大会とビールが最高に遊びの時間に感じたのは、その場を企画してもてなしてくれた相手の無条件の愛だったのです。

例えば、花火大会に友達と行くことにします。花火が好きだから楽しもう、それはただの”遊び”の感情です。
もてなすというのは、友達に楽しんでもらえるように、美味い生ビールの出店スポットを調べておいたり、花火が楽しめるスポットを探しておく、ということです。もちろん自分も楽しむけど、相手がテーマであること。
もし、自分自身がビールと花火が大好きで、相手を差し置いて、出店や楽しめる場所を探すとなるとそれは"遊び"なのです。

ただのデートと何が違うのか?
それは、そのおもてなしによって、その人を好きになったのでもなく、好きだったのでもありません。
距離を近づけるため、イチャイチャするため、ではなく、純粋に相手に花火を楽しんでもらおうという、”もてなす時間”だったのです。
だから、その時間が人生にとってかけがえのない記憶になったということです。
それは、歓迎であり、無条件の愛につながったのです。

なんか上手く言えないねぇ。

好きで一緒にいたいから、花火大会に誘う、下心があるから誘う、動機はそれでいいんですが、そこが焦点ではなく、
思いやり、サプライズ、それも焦点ではなく、
相手にその時間を楽しんでもらう、相手を丁重に扱う時間、それは相手の想像力が最高のプレゼントなのです。

上手く言えた。

その視点で、もう一度花火大会を考えてみると、たった一杯のビールと隠れ家的閲覧ポジションを楽しもうとする心意気の想像力を受け取ったのかもしれません。
その時間が、短編ストーリーになっているような洞察と表現力、その想像力です。

意図的にもてなす時間を作ることは、そこにある人間の想像力を伝えることです。人との関係で、死ぬ間際に思い出すほどの記憶は、その受け取った想像した時間です。

例えば、店選び

もてなす時間を想像する遊び心

通常、もてなす時間は、不安要素が少ない安定した馴染みの店、下調べ済みの店が効果的だと考えます。相手や会話に集中できるからです。

しかしながら、もてなす時間には不確定要素が必要です。
不確定要素は不安定な状態であり、それは感動しやすい状況であるともいえます。不安定な中で確信を求めて共に探り時間を過ごす、それが関係性をリセットし新しい感動を呼び起こし、新しい関係性に展開しやすくなります。

不確定要素とは、相手にとって予定調和ではないということです。
料理の味やおもてなしの想像ができる予定調和では、相手も自分も新しい感動を呼び起こすことはできません。
予定調和を壊す方法は、相手にとって、想定外の店や場所、想定外の料理・飲み物、想定外の話をすること、です。

相手に予定調和ではない状況を作るには、ただの想定外ではなく、相手に合致する想定外を提供する必要があります。
 そのために、日頃から、相手に対する気づきを記録します。もてなした時間の記録、楽しんだ店や感想を記録して、相手に合致したアイデアを考える準備をします。
それは相手と自分の関係性を創造することにつながり、記録することでその相手との感動の沸点を下げることができます。

サプライズの小さな、花束や、こっそりお店の人に頼んでおいて仕込んだメッセージプレートも相手にとっては想定外に繋がるんだろう。自分にとっては想定外じゃないから、関係性は発展しないだろう。。
でもその時の相手の想定外の笑顔を見れたら、それは発展に繋がるんだろう。

記録はいざおもてなしをするときに、役立ちます。
もし、日頃の探究と記録がない場合、予定が発生してから情報を探してもその予定にマッチするいい想像力と情報がなかなか見つかりません。 予定発生後は、検索脳となり、表面的な思考と日時と場所が優先され、その制約の中でベストを選ぼうとする妥協的思考になり、ビビッときた店かどうかが後回しになるからです。
死ぬまで忘れないもてなす時間は、美味しい料理や気持ちのいいサービスという前提条件ではなく、相手への想像力という前提条件の上に、想定外の要素が存在します。

行きたい店ではなく、もてなした店を記録する

行きたい店や場所を記録しても役に立ちません。
記録と使用するタイミングが違うからです。
ベストなストックは、自分が実際におもてなした時間です。
気付き、相手に対するイメージです。

それらの記録こそが別のタイミングで役にも立ちます。

別のタイミングで、実際に記録を活かすには、強力な検索ツールが必要になります。
紙や記憶ではなく、デジタルの手帳でのみ可能となるのです。


どれだけ想像できたかが、結果を楽しめる。

最近、Soup Stock Tokyoの代表が書かれた経営視点の本を読みましたが、その詳細な企画書のストーリーに感動しました。現在、企画書通りの会社になっています。

優秀な経営者の条件

経営学から見ると、優秀な経営者の条件は、二つ、仮説力、そして、経験です。経験とは仮説を検証した経験ということです。
※ 経験がない経営者は、経験のある社員やパートナーが力を貸してくれます。もてなす時間もきっとそうでしょう。

立ち上げのフェーズは洞察力と詳細なストーリー力、経営フェーズに必要なのは仮説力です。つまり、調査・観察と想像力です。それを行動によって経験していく。

これをもてなす時間に当てはめると、
どれだけ想像できるか、そして、経験です。

私の人生で振り返ってみると、相手を洞察でき、楽しんでいるシーンの詳細が想像できた時というのは、いつまでも忘れない幸せの記憶になっています。

1.  フランスの知人のおもてなし。日本を演出する手巻き寿司パーティーを企画。春の桜の枝を飾り、旬の刺身に日本の醤油と青森県産の白ワインが絶対に合うだろうな、と想像して興奮した時

2. 恋の悩みを相談しに来る妻の妹。添加物のない手作りであれば心は自然になり、お腹が満たされることのない少ない量であれば貪欲になり、相談話を楽しんでもらえるだろうなと、想像できた時


その愛が進化するもてなす時間。


最高だった、「もてなす時間」は、その時は気づかないことも多いです。だからこそ、自分の想像力を記憶し、振り返ることは、人生の豊かさにつながります。

ご紹介: ブレークスルーを実現しやすいランダム性

記録によってより相手を想像したら、次は相手に合致した想定外のアイデア、ブレークスルーするストーリーを考えます。
このブレークスルーに大きく役に立つツールとして、Power of Art アートの力を利用したランダムギャラリーがあります。これは、記録したものを時系列ではなくランダムに表示するギャラリーです。これによって、想定外で記録したものを、想定外で表示することで、相手に合致する想定外を発見しやすくなります。

 例えば、私は、自分へのおもてなしとして、自分に料理を作ります。うまくいった料理は手帳に記録します。
これを繰り返していくと、ある日想定外のレシピがなくなってしまい、同じレシピを何度も作るようなタイミングが訪れます。
 こんな時に、ランダムギャラリーで利用することで、新しい想定外を見つけて、思考の壁を壊すことがよくあります。
初体験ではない料理でも、初めて作った感動から別の次元、何度食べても愛してやまない洞察の角度を見つけたりすることができます。
また、飽きてしまって一度料理から離れるという価値観も発見できます。
料理のタイミングに合わせた様々なおもてなしを発見できます。


もてなすとは、想像力を伝えること

人生の豊かさであり、使命である。

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