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夫目線からの出産レポート その1

「夫目線の出産レポートを書いてみたら?」と妻に提案され、早速書いていたのだが、妊娠がわかった直後から書き始めてしまい、とんでもない長文になってしまいそうだった(妊娠初期段階で2000字超えていた)ので、このレポートでは出産直前→出産の時期に絞って記録しようと思う。

絞ったはずなのに、やはり長くなってしまったのでいくつかに分けて書くことにしました。

写真は何の関係もないこの前収穫した山中菜園のトマト。

ちなみにこの記事を書いている時点ではまだ生まれていないのだけれど、書いている記事がどんどん溜まってきたので、シリーズ開始です。


「初産は予定日より遅くなることが多い」と多くの人が言う。


それを最初に聞いた時は「へぇ〜、そうなんですね〜」くらいにしか思わなかったけど、実際に臨月に入り、その日がもう少し、、となってからがやたらと長く感じる。

それまで半年以上も待っていたのに、それがわずか数週間になってからがとにかく長かった。

この時期になると二週間に一回だった検診が週に一回となり、子どもを迎える準備もどんどんと整ってきた。

子どもの物でどんどん部屋が変わっていくのは、テンションが上がる。元々物が少ない私たちなので、一部屋を丸々子ども用の部屋することは造作もないことだったが、あんなに小さいクセにスペースや物はやたらと必要となる。笑える。

6月2日

一週間に一度となった検診の日。コロコロのせいで私は立ち合いどころか、4月から検診にも一緒に行くことができなくなってしまった。

そこで妻に検診の様子をビデオに収めてくれるように頼んでいるのだけれど、どうやらもう少し下がってくるとのこと。そうか。。生まれるまではもう少しかかりそうだ。

臨月に入ると身体は重いけれど、子どもが下がってくることで胃が楽になり、食べやすくなる人が多いらしいが、妻に関してはあまりその恩恵を受けられていなかったように感じる。むしろすごくキツそうな日々が続いた。

仕事から帰って話を聞くと「きつくて午前中ずっと寝てた」「お昼食べて寝て、気がついたらテツさんが帰ってくる時間だった」的な日々が続いた。

誰だ、臨月が楽だと言ったのは!むしろキツそうじゃないか!

そんな日々なので、早く出てこい〜〜〜〜!という気持ちが強くなる。予定日は6月18日。この先二週間以上、体力が奪われまくってからの出産は、、大丈夫かなぁ。。

6月10日

今日も検診日。何となくだけど、先週と比べるとお腹が下がってきた。写真で見比べてもそれが顕著に見てとれる。

実はこの数日前「陣痛来たかも!」と深夜2時頃から数時間に渡ってカウントしたのだけれど、空振りに終わっていた。

この日も検診に一緒に行けなかったので、妻の報告を聞くといわゆる「おしるし」と呼ばれる出産が近付いているサインも出て(それが無い人もいるが)、子宮口が3cm開いているとのこと!出産時は10cmにも開くらしいので、全開まではまだだけれど、3cmっちゃぁ大分開いているやん!

数日前の「陣痛来たかも!」がもしかしたらそのきっかけだったのかも知れん、、ただの推測だけど、、なんてことを思いつつ、これはもしかするともしかするぞ!

急にソワソワしてくる。色々なものが手に付かないほどソワソワしてくる。

そこでもうその日が来てもいつでも対処できるように、その次の日からお客さまにはご予約を調整していただくことにした。宣言の解除後にせっかく戻ってきていただいたお客さま立ちには非常に申し訳ないが、何かが起きてからでは遅すぎる…。ただ前々からその可能性を伝えていたし、こちらのお客さまは状況を重々理解してくださる方々ばかりなので、むしろ励ましのお言葉をいただき、さらに従業員も私の穴を埋めてくれた。とても助かった。

6月11日

その検診の翌日である。

「いつ来てもおかしく無い!」と言われるとそれがいつかいつか、、やきもきする。

時折「イタタたた、、、」となるものの、すぐに病院に!という頻度では無い。ちなみに病院からは陣痛が5分〜7分ごとに起きるようになったら病院に、、と案内されているが、20分に1回程度、それが無い時もある状況で病院に行っても「まだですね」と帰されるらしい。

ただその夜。妻の様子がおかしい。

「子どもがあまり動いていない」

最初に胎動を感じたのが1月21日のことだった。ラッキーなことにその瞬間に私もその動きを感じることができた。それ以来、順調にお腹の中で暴れ回っていたのだが(外から見られるくらい、大きく動くことも多々。男には味わえないその感覚。うらやましかった)、この日の夜はちょっと様子がおかしいとのこと。動きが明らかに小さく、そして何より少ないのだ。

胎動は30分に10回動きを感じることができたらあまり心配いらない、とのことなのだが、この時は30分計っても6回程度。

出産前には胎動が小さくなったり少なくなったりもするらしいが、この時の状況はそれとは少し様子が違うようだ。

急に不安が押し寄せる。

自分のことであれば「これはやばいやつだ」「大丈夫」の判断は割と正しくできると思うが、何せ相手は「お腹が空いた」という感情すらまだ知らない子ども。しかもまだお腹の中にいる。

すぐに産科に電話して判断を仰ぐと、もしかするともしかするのですぐに病院に、とのこと。

前々から入院セット用意していて良かった。当日に入れるものもリストにしていたので、それらを粛々とパックして病院へと向かった。

夜の10時頃だったけれど、この日は雨風も強く、視界も悪い。

道すがらで事故るわけにもいかない。いつも通りの安全運転で…。

とは思いつつもやたらと早口になる。どちらかというと焦っていたのは確実に私の方だった。苦笑

分娩室に続く廊下の前までは私も一緒に行ける。

看護師さんたちに妻の荷物を預け、祈るような気持ちで妻の後ろ姿を見送る。

次に会えるのは一週間後かも知れない。妻も子どもも無事でありますように!

ただ入院が即決定、というわけでは無いので、その判断が下されるまで車の中で待機していた。

時折入る妻からのアップデート。

「心臓は元気に動いている」

「起こすのに振動を与えた」

「あまり動かない」

もうこのメッセージを受けた時には「緊急帝王切開」という言葉が頭に浮かぶ。


お願いだ、、無事でいてくれ、、


そして「動かない」メッセージから10分後。この10分、本当に長かった。




「爆睡してたっぽい」





何度も機械を使って起こしていたらしいけど、我関せず、と爆睡を続けていたらしい。

睡眠のペースを崩さないあたり、私に似ているのかも知れない。

と今となっては笑えるけれど、この10分は生きた心地がしなかった。


何が起きても寝続ける。大物の予感。笑


まだ生まれてこない。「夫目線からの出産レポート その2」に続く。

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