面接試験で気をつけるべき質問の3パターン

大学入試はもちろん高校入試、中学入試でも近年増加傾向にある面接試験。今回はその中でも特に気をつけて答えるべき質問の3パターンを挙げて、傾向と対策をお話します。また、入試だけではなく就活等でも役に立つ記事となると思いますので、面接試験全般に向けた内容となっています。

(1)尊敬する人物はいますか?
 面接試験の典型的な質問で、「尊敬する人物は誰ですか?」というものがあります。この質問、何も対策をしていない高校生に尋ねると十中八九、「両親です」や「祖父です」と返ってきます。しかしながら、尊敬する人物で身内をあげるのは基本的にNG。なぜなら、育ててくれた両親に感謝をして尊敬の念があるのは当たり前だし、そういう家庭的に恵まれているのかを面接官は聞きたいわけではないからです。ここで面接官が尋ねたいのは、あなたが目指している人物像や人格を知りたいということ、その人物をどうセレクトするかという視野の広さとセンスです。
 この点から考えたとき、セレクトする人物にも気をつかう必要があります。最近の高校生だと(特に男子生徒)は、メジャーリーガーの大谷翔平選手を挙げる子が多い印象にあります。悪くはないですが、ベターではないと個人的には思います。理由は、ベタすぎるからです。面接官は何人もの面接をしていて、はっきり言って疲れてるし、飽きています。その時に、あまりにベタな人を挙げて、容易に想像できる答えを言うことは、マイナスにならないことしか利点がありません。やはり、少し凝った人物、面接官が知らないであろう人物がベストだと思います。
 さらに言えば、私が指導するときは、できるだけ同世代か年下をセレクトすると印象が残りやすいという指導をします。今まで見聞きした例で言うと、中島芭旺さん(『11歳の哲学者』の著者)、近所の5歳の子ども、などを挙げた生徒がいましたが、どれもすごく印象に残っています。

(2)自分の長所と短所は何ですか?
 「あなたの長所と短所は?」も質問も注意すべき質問です。面接対策をしていない高校生は、素直に短所を言ってしますが、これはNGです。なぜなら、面接試験は自分をアピールする場なので、マイナスになることは言う必要はないからです。圧迫気味の面接試験であればマイナスなことを言ってしまうと必ずツッコまれてしまいます。
 長所と短所はコインの表裏のような関係です。ある視点で言えば長所だけど、違う視点から見れば短所なんてことは往々にしてあります。大事なのは、2つ。
 第一に、長所とかけ離れた短所を言わないこと。短所を長所と絡めずに言えば、本当に欠点を言ってしまうだけで、一切のフォローができなくなります。例えば「何事にも一生懸命頑張れるところが長所です。短所は、丁寧さがないと言われるところです」と言ったとしたら、一生懸命頑張るのに丁寧に物事を進められない人と捉えられ、マイナスになってしまいます。致命的なのは、丁寧さを改善する解決策すら見えないことです。例に出した「何事にも一生懸命頑張れる」を長所として言いたいなら、反対のことを考えればいいので、「一生懸命になりすぎると周りが見えなくなる」を挙げるといいと思います。短所はあくまで長所を違った面から見たらマイナスに映ることなのでその点を意識するといいと思います。
 さらに、短所の言い方にも気をつけるべきで、短所は事実だけを事実としてだけ伝えることを意識して欲しいと思います。こうすることで、短所自体があなたの所属から離れる効果があります。例えば、何事にも一生懸命に取り組むことができることを長所に挙げ、周りが見えなくなることが短所だと考えるなら、言い回しとしては、「確かに、一生懸命に取り組むと1つのことに集中しすぎて周りが見えなくことがあると考えられるかもしれませんが、私は広く視野を持とうといつも心がけています」となります。一言も「私は周りが見えなくなる短所があります」とは言ってませんね(笑)このような感じで、自分の短所は言わずに乗り切りましょう。

(3)得意な科目、苦手な科目
 この質問も準備不足の高校生であると素直に苦手な科目をいってしまい、どう苦手かまで丁寧に解説してしまいます。これでは、自分をアピールする面接の場でネガティブキャンペーンをしてしまうことになります。
 ポイントなのは、得意・苦手と好き嫌いは違うということです。だから、苦手教科でもその教科が好きで、今後もチャレンジしていきたいと伝えればいいんです。具体的には、以下のような点について気をつけて言えばいいと思います。
苦手なのはテストの点数が取れない、という点のみにする
・テストで点数が取れない、という事実のみを伝える
苦手だけど好きな教科であると言い切る
・苦手教科のどういうところが好きなのかの具体をしっかり示す

 以上、受験生が失敗に陥りやすい質問を3つ挙げて解説してきましたが、共通するのは、面接試験は自分をアピールする場である、という点です。他の人と同じことを言ったり、自分のネガティブなところを話しても、面接官にあなたの魅力は伝わりません。しっかり、自分と向き合って、あとはちょっとしたテクニックを駆使しながら、面接試験であなたの魅力を伝えてきて下さい!


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