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貧乏神と福の神

子どもに活字慣れしてほしくて、図書館でいつもいろんな絵本を借りてきてなんとなく家の棚に置いている。自分から読んでくれることもあれば、私が読み聞かせなければダメなことも。

それでも、地道に続けているうちに、あまり本を読まなかった長女も少し本に興味を持ち出した。

幼稚園ぐらいまでは読みきかせ頑張ってたんだけど、全然本に興味持ってくれなくて諦めてた。もしかして、少し早かったのかもしれない。
それとも、母にここ最近で読書習慣がついて、スキマ時間があれば本を開いているのも関係あるのかな。よく、子どもに勉強させたいなら親が子の前で勉強する姿を見せろと聴いたことがある。確かに「勉強しろ」って言うだけで親はダラダラスマホいじってるんじゃ説得力はない。

何にせよ何事も地道に続けるって本当に大事だ。

それで今回借りてきた絵本。
コレが本当に良かったので、紹介したい。
日本昔話の中では定番みたいだけど私は初めて知った。


絵本で話も短いので全編あらすじネタバレします。

あるところに貧乏神が取り憑いた貧しい家がありました。
そこに住む夫婦はとても働き者でした。

毎日毎日、真面目にせっせと働くものですから、貧乏神はこの家に居づらくなっていきました。

そしてついに、この家に福の神が来ることになりました。
福の神が住み着いたら、貧乏神は家をでなければいけません。

何年も住んだ家を出ることが悲しくて、貧乏神は泣きました。
その泣き声を聞いて、夫婦は何事かとその声の元へ行きました。
夫婦は貧乏神に出会い、話を聞きました。

夫婦は家に貧乏神がいたことを知って少しがっかりしましたが、可哀想になって、貧乏神に美味しいご飯を食べさせてあげました。
貧乏神は優しくされたことが嬉しくて嬉しくて、沢山おかわりをしました。
夫婦はそれを見て嬉しくなりました。
そんなところに福の神がやってきます。

福の神は貧乏神を追い出そうとしましたが、出ていかないと抵抗しました。
でも貧乏神の力は弱っていて、福の神はびくともしません。

そんなとき。夫婦が貧乏神を応援して、3人は、力を合わせて福の神を追い出してしまいました。

追い出された福の神は、まさか自分が追い出されるとは思わずびっくり。
貧乏神は、夫婦と一緒に仲良く貧乏に暮らしましたとさ。


なんか、すごい好き。
貧乏になりたいわけじゃないんだけどさ。

目の前で、ずっと住んでいた家から追い出されるのは悲しいと嘆く存在がいたときにその相手に美味しいものをごちそうして一緒に笑えるって凄く良い話だなと思った。

お前は出ていけ!ってあっさり貧乏神を追い出して、福の神を笑顔で受け入れたとしたらこの夫婦はどうなったんだろう、とか。

限られたお金の中で、食べられる精一杯のものを食べて、その生活で一緒にいる人と笑えるってどんな福より福なんじゃないのかって思ったり。

裕福と幸福は、別なところにあるんじゃないだろうか。

もちろん生きていくことにお金は必要だけど、お金より大切なものってあるよなぁと、そんなことを考えさせられた絵本でした。

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