泊まる僕

僕はビジネスホテルに泊まることが好きだ。
趣味と言っても良いかもしれない。県外にライブに行く時なんかは必ず泊りで行く。
日帰りで帰れる距離だとしても泊まるようにしている。

ホテルを選ぶときに重要視しているのは目的地までの距離と清潔さだろうか。
後は人とどれだけ関わらないかという点もある。
どういうことかというと最近では事前チェックインやセルフチェックインそして無人ホテルまであるので全く人と関わらないことが出来てしまう。
人見知りなため人と関わらなければ関わらないほどいいことやセルフチェックイン機のような最新の機器に触れるのが好きなのでホテルを選ぶときに重要視している。

他にも休みの日に電車で20分くらいの場所にあるホテルに泊まることがある。
もうホテルに泊まることが目的になっているので特にどこかに行くわけではない。
このエッセイも実はホテルで書いているのだが作家がホテルに缶詰め状態で書いているあれを体験しているのだ。
僕は休みの日を使い作家体験をしているのだ。正直とても人に言えるような趣味ではない。
ホテルを選ぶ際に求めているポイントは他にもあり、テレビでYouTubeが見られるとか電子レンジがあるとかバス・トイレ別なんかも良い。
今言ったことが全て備わっているホテルは滅多にないのだが実は今僕がこれを書いているホテルは全て備わっており僕にとってとても理想的なホテルなのだ。
ここのホテルは無人ホテルでありチェックインもスマホで事前に出来、入口のタブレットでQRコードを映すだけで完結。部屋にはYouTubeが見られるテレビもあり、電子レンジもあり、バス・トイレ別だ。
部屋の鍵も無くパスコード式なので外へ出るのにいちいち鍵を持ち出す必要も無い。僕にとって理想的過ぎるホテルだ。正直欠点などない。

僕はこの2泊3日のホテル缶詰め作家体験生活をより良いものにしようと夕食に某配達サービスでお寿司を頼んだ。
だがただお寿司を楽しみに待ち構えていた僕の身にとんでもないことが起こっていたのだ。
醤油が無いではないか。
お箸は二膳、穴子のたれ一つ、わさび四つ、醬油無し。
そんな馬鹿な。
こんなわざとらしい台詞を思わず口に出してしまったではないか。
流石に醬油なしではお寿司は食べれないのでコンビニに行くことにしたのだがこれがまた厄介なのだ。
コンビニには魔物が潜んでいることを僕は知っているからだ。
帰ってきた僕の持っているレジ袋にはカップ麵の油そばが。またやってしまった。
どれだけ注意してようと気づけば油そばなるものを部屋に持ち帰ってきてしまう習性をもっているので、できればコンビニには行きたくなかったのだが醤油が無ければ行かざるを得ないだろう。
そして数日後自分が乗った体重計を見た僕は醤油を入れ忘れたお寿司屋の店員さんの顔を想像し悪態をつくのだろう。




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