新田哲史

読売新聞記者、PR会社を経て独立。企業や政治の広報PRプロジェクトに参画後、2015年…

新田哲史

読売新聞記者、PR会社を経て独立。企業や政治の広報PRプロジェクトに参画後、2015年〜20年、アゴラ編集長。2016年ソーシャルラボ創業。報道アナリストとしてネット世論や政治の動向分析を行う。著書に「蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?」(ワニブックス)など。

最近の記事

未上場企業に教訓?東京ヴェルディ「乗っ取り」騒動

日経ビジネスオンラインによると、Jリーグ2部(J2)の東京ヴェルディがコロナ禍で経営危機に陥ったのを機に、経営陣と株主の主導権争いが起きているらしい。読売記者時代、地元の支局に勤務し、ヴェルディのことは女子チームのベレーザをはじめよく取材していただけに、よもやの事態に困惑している。 「ステルス株主」出現で紛糾 Jリーグ創設当初、三浦知良、ラモス瑠偉らを擁した往年のスター軍団も、2008年に2度目のJ2転落から低迷が続くが、経営破綻が現実味を帯びるのは、日テレ撤退の翌2010

    • ステイからの「出口戦略」小池都知事の変わり身と公明党の影

      コロナ渦中に政局的な話をすることは時節柄いやらしさもあるが、政治的にウブな人には今回の拙稿は読まないことを勧める。しかし、政治家のリアルを敢えて語ることは、有権者の投票判断のプロセスに重要だと思うので敢えて空気を読まずに書く。 大阪に一歩先んじられた「出口」アピールここ数日、私は小池都知事の対応が不思議でならなかった。“崖から飛び降りる”のが好きな小池氏にしては、よく言えば慎重、悪く言えば出足が鈍く見えたからだ。 それは「出口戦略」に関して、大阪府の吉村知事が一足先に「出

      • 日経はなぜ、中国の日本への選挙介入の可能性を書かないのか

        日経新聞がきのう(8月18日)の一面トップで、中国が外国への政治介入を狙い、SNSを通じた情報工作や政治工作に乗り出した疑いを報道した。ロシアによるアメリカ大統領選への介入の先例があったことや、中国軍が高度なサイバー攻撃技術を擁しアメリカからの軍事技術盗み出しを指摘されてきたことから驚きはなかったが、産経ならともかく経済紙である日経が「疑惑」を報じたことには意外さもあってインパクトはあった。 記事では中国が「試験」的に政治介入したとみられるカンボジアの話などを取り上げ、台湾

        有料
        100
        • 夏の甲子園:大再編のチャンスを逸し、しぶとく1世紀

          夏の高校野球の地方大会が、佳境に入りつつある。今年は甲子園で行われる選手権の100回記念大会とあって、朝日新聞も必死に盛り上げるだろう。しかし毎年のように炎天下で、自治体が「運動は原則中止」などと熱中症への注意を呼びかけているというのに、酷暑で連日のプレーを強制し、特に投手については肩を休める間も十分とらせてもらえない実態は変わらない。 野球記者時代に大会を取材した2007年、同時期に大阪で行われていた世界陸上は、早朝と夕方以降に競技を行うのが原則だった。「世界基準」でみれ

          有料
          250

        未上場企業に教訓?東京ヴェルディ「乗っ取り」騒動

          こんにちは、おっさん。これからも、ニッポン。43歳の挨拶に代えて

          きょうで43歳になりました。平成最後の誕生日は、まさに平成を震撼させた大事件に区切りがつき、日本国政府が良くも悪くも強烈な記憶を刻んでくれたので、ちょっと恨めしいです。 新聞社を脱藩して8年。サラリーマンを辞めて5年。プログラミングもデータ解析も英語もできない人間がよくもまあ、どういうわけ生き残って、家庭まで持ち、会社まで作ったのは「奇跡」としか言いようがありません。これも日頃からみなさまの温かいご支援のたまものです。 それでも人間贅沢なもので、幸せの最中にいると、ついつ

          こんにちは、おっさん。これからも、ニッポン。43歳の挨拶に代えて

          新潟知事選で露見?安倍政権の命運に関する枝野立民の“本音”

          6月10日投開票の新潟県知事選は、与党支援の花角英世氏が、野党5党推薦の池田千賀子氏に競り勝った。新潟の大型選挙は近年、野党優勢の情勢だったとはいえ、花角氏が負ければ秋の自民党総裁選での安倍首相の続投に黄信号がともる可能性も少なくなかっただけに、安倍政権退陣をもくろむ野党側にとっては、悔やまれる結果だったように思われる。(画像はフジテレビ「ホウドウキョク」より引用) ところが新潟の選挙戦結果をめぐり、複数の政界関係者と意見交換していると、そうした一般的な見方とは全く異なる話

          有料
          100

          新潟知事選で露見?安倍政権の命運に関する枝野立民の“本…

          小泉進次郎がネトウヨに嫌われ始めた理由

          自民党の小泉進次郎・筆頭副幹事長(写真は復興庁より)の人気は相変わらず高い。共同通信が3月に行った世論調査で、「次の首相にふさわしいのは誰か」を尋ねたところ、石破茂氏に次ぐ2位に浮上した。安倍晋三首相を3位に押しのけたのは、モリカケで政権支持率が急落した要因があるとはいえ、閣僚未経験の37歳になったばかりの青年議員の政権マネジメント能力は未知数だ。 人気の要因は父、純一郎元首相譲りの甘いマスクと歯切れのよい弁舌にあることは誰もが認めるところだろう。特に、党や政権の多数派が推

          有料
          200

          小泉進次郎がネトウヨに嫌われ始めた理由

          プロ野球界にもある“表の国体” “裏の国体”

          2018年のプロ野球が開幕した。ロッテファンとしては昨年の最下位から井口新監督で挑む雪辱のシーズンがどうなるか、あるいは巨人に10年ぶりに復帰した上原浩治投手の活躍が気になるところだが、ちょうど、そのタイミングで、アゴラ研究所の池田信夫所長のメルマガで「表の国体」「裏の国体」に関連した話題をとりあげていたこともあり、日本の野球界のガバナンスのあり方について改めて気づかされることがあった。 「国体」は、国を治めるありかたを評する政治思想の言葉だ。たとえば、前述の池田氏がしばし

          有料
          150

          プロ野球界にもある“表の国体” “裏の国体”

          財務省とは別件でも、マスコミを使って安倍政権を追撃するのは誰か

          財務省の決済文書の改ざんについて、朝日新聞が報道してから、私が連日、アゴラでその挙証責任を追及してきたものだから、どうやら私が「安倍政権擁護ありき」で書いていると誤解している人たちが多いようだ。あらためて政治とジャーナリズムの問題が一般的に理解されづらい世界だと思う。 なんども書いてきたことだが、公文書の改ざんは民主主義社会において絶対にやってはならないことだ。もしそれが野党や朝日新聞が疑ってきた(≒願望してきた)シナリオどおり、安倍首相や麻生財務相が改ざんを支持したという

          有料
          200

          財務省とは別件でも、マスコミを使って安倍政権を追撃する…

          ネット時代も旧態とした特捜部報道の読み解き方

          リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は3月2日、受注調整に関わっていた大手ゼネコン4社のうち、大成建設の元常務(現在は顧問)と、鹿島の土木営業本部の専任部長の2人を独禁法違反(不当な取引制限)容疑でそれぞれ逮捕した。 特捜事件のニュースにあまり関心がない人が速報を見たくらいでは「どうせまたゼネコンがいつもの談合をやっていたから自業自得だろう」としか思わないだろう。 ところが今回、大成は逮捕者が出た直後にだした適時開示で「到底承服しかねる」などと、な

          有料
          250

          ネット時代も旧態とした特捜部報道の読み解き方

          “古い自民党”復活が都市部の若者に嫌われるリスク

          昨秋の衆院選当時にも話題だったように、世代別の政党支持率を探った世論調査での10〜30代の自民党支持率の堅調さが指摘されている。今年に入っても、沖縄県名護市長選で、地元テレビ局の出口調査で50代以下が与党推薦の新人候補者支持、60代以上の高齢者は左派勢力側の現職支持とくっきり分かれたことが注目された。 若い世代の自民党支持の傾向は、右肩下がりの時代、雇用の流動化が進むなかにあって、安倍政権の経済政策が一定の成果をおさめているという認識が広がっていること、対する野党が離合集散

          有料
          200

          “古い自民党”復活が都市部の若者に嫌われるリスク

          電波改革から生まれる?新しい選挙ビジネス

          安倍政権の電波制度改革に対する姿勢は、予想以上に本気モードのようだ。(写真は首相官邸サイトより) 通常国会の施政方針演説では、史上初めて電波改革が盛り込まれた。「生産性革命」で行政の生産性向上を訴えた中で、このように明記された(太字は筆者)。 (略)…新たなイノベーションを生み出す、規制・制度改革を大胆に進めます。ビッグデータ時代に対応し、行政が保有する様々なデータから新たな付加価値を生み出すため、公開、民間開放を原則とします。通信と放送が融合する中で、国民の共有財産

          有料
          250

          電波改革から生まれる?新しい選挙ビジネス

          鎮火できない慰安婦問題:マーケティング視点から解決策を模索

          大阪市とサンフランシスコ市の姉妹都市解消、韓国でのトランプ接待時の元慰安婦登場や慰安婦の日制定など、慰安婦問題は相変わらず、燻り続けている。80年代に吉田清治がつけた種火にガソリンを注ぎ込んで、いまなお世界各地で燃え続けるに至らしめた朝日新聞の歴史的責任は重い。 朝日新聞社内では、2014年9月11日に木村伊量社長が虚報を認めて辞任したことを「落城」という人もいるそうだが、けさのアゴラでも書いたように、大将首を差し出す表層的な事象にとらわれて、国際社会に与えた影響の総括とい

          有料
          200

          鎮火できない慰安婦問題:マーケティング視点から解決策を…

          有名女優がポンと50万。あの左派政治家の収支報告書を見てみた

          立憲民主党の辻元清美国対委員長がさきごろ炎上した。辻元氏が、同党の議員が自民党議員との酒席を禁止する方針を打ち出したと読売新聞(11/4日付電子版)が報じたためだ。すでにネットで記事は消えているが、残っているデータではこのような内容だった。 立憲民主党は、党所属議員と自民党議員の夜の飲食を見合わせる方針を決めた。 自民党との対決姿勢を打ち出す一方で、夜の酒席を共にするのは、国民の理解が得られないと判断したようだ。自民党との対決姿勢を打ち出す一方で、夜の酒席を共にするのは、国

          有料
          200

          有名女優がポンと50万。あの左派政治家の収支報告書を見て…

          ファクトチェックという新たな「ポリコレ」

          総選挙が終わった。「政治とメディア」という視点でみたとき、テレビ政治の使い手であった小池百合子氏が失速したことで、本質的な政治論議に1㍉でも近づいたのではという期待もあるが、もう一つ、この衆院選に際してメディア側の取り組みで目を引いたのは、大手のネットメディアによるファクトチェックの取り組みだった。 政治家の発言内容などを検証するファクトチェックへの取り組みは、バラク・オバマが初の黒人大統領となった2008年の大統領選を機にアメリカで急速に発展した。 いわずもがな、世界最

          有料
          200

          ファクトチェックという新たな「ポリコレ」

          3大都市知事が国政関与:置き去りになる地方政治の取材体制

          希望の党代表の小池百合子東京都知事の仕掛けた政変は、中央政界の野党再編にとどまらず、地方政治の風景も変えつつある。小池氏は9月30日、大阪府内で、日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事、愛知県の大村秀章知事と会談し、選挙協力する方向で一致した。 選挙協力といっても、東京・大阪圏内での候補者住み分けで、全国的には希望と維新の候補者がぶつかることもある限定措置。軍事同盟というよりも、双方の本拠地への“不可侵条約”というトーンが強く、会談前に一部で憶測があったように、3知事による衆

          有料
          200

          3大都市知事が国政関与:置き去りになる地方政治の取材体…