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「失礼じゃない?」の余韻

TBS「A-Studio」のゲストが、内田有紀さんだった。
のっけからサブMCの藤ヶ谷君が「めちゃめちゃきれい」みたいなことを言って迎え入れ、「出にくいですよ~」と華やかに笑う、完璧な内田有紀ぶりでの入場&トークだった。

元俳優?のパートナーさんが、現マネージャーさんで、なんでも話せるし、指摘してもらえるし、今の内田有紀さんを二人三脚で作ってきた、というお話しをされていた。

内田有紀のだんなさんって?と思って調べると、過去に吉岡秀隆さんだったんだ。ああ、「北の国から」でいっしょだったのかな。で、今の人は?

ヤフーの検索窓に「内田有紀」と入れると「内田有紀 マネージャー」と出る。調べる。ああ、柏原崇さんぽい。確かに、この方、なんで一線を退かれたんだっけ? 傷害事件、離婚、ああ、そうだったかな。今いい状況で仕事をしていらっしゃるなら、よかったよな。しかし「白線流し」は伝説的なドラマだよな、ちゃんと見てなかったけど。

ノリノリで話す内田有紀さん。かかりつけの整体院の先生も出ていらっしゃる。「えー」、と言ってるけど、ある程度わかってのことだよね。自分のかかりつけを紹介するのも、サービス精神だと思う。視聴者が、いろんなチャンネルや、スマホや、やることがあるなか、貴重な時間を「A-Studio」にベットしたわけで、そんなわたしらが離脱せず、興味を持ちそうな話を、ある程度オープンに、話して、見せてくれるんだよね。

マッサージ師さんは、何かのメディアで見たのがきっかけで、私も一度、いったことがある。恵比寿だったかな。普通よりは高いので、リピートしなかったけど、一般人でも行けないことはない整体院だった。テレビ的にちょうどよい庶民派で、カメラの前でのパフォーマンスも上手い人選。

番組では藤ヶ谷さんが顎関節あたりのマッサージを受け、軽くなった!と驚きの声。MCの笑福亭鶴瓶さんが、ベッドに寝かされてマッサージ。ちょっとつらそう。演出、無理させてないか?

トークに戻り、マネージャーとの二人三脚を改めてほめたところで、鶴瓶さんがちょっと唐突気味に「もう帰れ」とおっしゃった。ゲストトーク最長記録なくらいの勢いで内田有紀さんがしゃべっていたらしい。しゃべりすぎたことにハッと気づいた内田有紀さん、「帰ります」なんて笑ってトークは終わり。「ありがとうございました」と華やかな笑顔で。

鶴瓶さんが先にスタジオを後にし、内田有紀さんもあわてぎみで退出する際、有紀さんがセットの向こうへ引いたところで、「えー、でも帰れって、失礼じゃない?」と言っていた。その声が編集に入ってた。

鶴瓶さんが長くMCを続ける人気のトーク番組。アシスタントは何人変われど、鶴瓶さんはもう何年もやっている。事前取材もあるし、かける時間は長かろう。しかも収録はたぶん、1日に複数回分、撮るに違いない。ということは、複数のゲストと、たっぷりトークをされるということ。30分番組だけど、内田有紀さんのように1時間40分?もしゃべり続けると、聞くだけでも、実際には疲れるに違いない。てゆーか、ディレクターさんは時間を区切ったりしないのかな。ある程度、MCさんにお任せなのかな。鶴瓶さんは、NHKの「鶴瓶に乾杯」もあるし、相当お忙しいだろう。加えて、いくらお元気にみえても、ご高齢だ。複数撮り、長すぎるしゃべり、公開マッサージ。考えるだけでも疲れてしまう。

内田有紀さんのような方は、きっとどこに行っても特別待遇、大歓迎が当たり前なのだろう。そこに、もともとよくしゃべる傾向があり、サービス精神も、仕事への情熱も、いい感じで盛り上がっているご本人がいらして、良かれと思って、気持ちよく話をされる。相手の時間をとりすぎて、ほんとはMCもスタッフも疲れている、とは思わなかったのかもしれない。内田有紀さんだって、ドラマにPRにとお忙しく、お疲れだろうに、「A-Studio」だしと、疲れを見せず、劣化とかいわれないように、万全の状態でいらっしゃったのかもしれない。

で、最後の「失礼じゃない?」の余韻。
今みた、ひまわりのような満面の笑顔と、華やかなトークの30分と対象的に、「女優の表と裏は違う」という話が頭をよぎる。
率直とか、オープンとか、自然体とか、よい方に考えようとしてもやはり、マイナスなイメージの方が勝つ。
失礼というよりも、そんなことを言わせてしまうほどMCを疲弊させた、気づかずしゃべり続けた内田有紀、という印象が残る。

1時間40分?ものトークを30分に編集する際に、たくさんの話を切り落としたのだろうに、最後のひとことを入れた制作者側の思いを想像する。
人柄がわかっていいじゃない笑、という無邪気な感じではなくて。