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大雪の関東 ~埼玉の雪景色を見に行く

今年度の仕事が終わりをむかえ、久しぶりに旅に出ようと家を出る。
さて、今日はどんな旅にしよう。
できれば今マイブームの「関東の国府・国分寺巡り」の最後にあたる、「安房国分寺」(千葉県館山市)に向かいたいのだが。
午前中ダラダラしていたため、今から出ると館山到着が午後5時あたりになりそうな。
警報レベルの大雪が来ているが、雪の房総半島を見に行くのも良いよなと阿呆なことを思ったけど。片道2000円以上でひたすら長時間電車に乗り、暗がりの中遠いどこかを彷徨い、しかも電車が止まり帰ってこれなくなるかもしれない危険(関東の、しかも千葉の雪なんてたいしたことないと甘く見ていました)。また次の機会だなと諦めた。

じゃあどこ行こう、また軽く我が地元の埼玉を巡るか。
月曜なので僕本来の趣味である博物館・資料館巡りも基本的に休館につきできない。
ただ電車に乗って一周するのも良いな、できれば埼玉の辺境西武北部を。
ということで、いつもの東武東上線にとりあえず乗ってみる。

けっこう雪がすごくなってくる。

埼玉も良い感じで吹雪いてきて、端っこのほうが雪化粧を施してきた。
…よし、今回は埼玉世界の車窓から、埼玉の雪景色を記録してみようと決めてみた。


不要不急の外出はなるべく避けましょう

川越を超えていくと、埼玉ならではの冬の閑散とした農用地田舎ぶりの雪景色が見れるだろう。
先日も訪れたが、また坂戸から東武越生線に乗り換えて、越生の風光明媚田舎ぶりな景色の雪の様子を眺め見るのも楽しかろう。
いややはり、東松山から森林公園の先に見えてくる山々超田舎の雪景色も見たいな。なんなら、小川町で初訪問のときに閉店時刻過ぎたため入れなかった「道の駅・おがわまち」に行きリベンジ、買い物していくか。

そうこう思っているうちに、あっという間に快速急行の終点・森林公園駅へ。
想像以上に吹雪きはじめ、想像以上の積雪になっていくことにテンションが上がってくる。

川越と、東松山~森林公園までは荒川沿いかつ鉄道沿いのベッドタウンであるが、
森林公園からカーブして西に突入していくと山の中であるイメージ。

小川町に入っていくと、「ここは新潟雪国か!?」と思うような豪雪地帯に。
南関東である都内と比べて、やはり北部の山地のあたりは雲を遮るために雪が多く降るのか、それとも単純に関東全体の豪雪レベルが上がってきたのか。車内の窓から撮影する人不審者は、僕以外にもいて安心しました。
(いいかげん、車内を撮影するのでなく、車外を撮影するぐらいは許される行為として認識していいですよね、僕の気持ちがチキンな弱いだけかな。)

小川町駅に到着。
ちなみにこれは、去年の3月に初めて小川町を散策した写真です。
春のうららかな季節に、山々に囲まれ長閑のどかな小川町の散歩は楽しかったです。

世界無形遺産にも登録された和紙「小川和紙」の産地である。

はい、どーん。2月5日記録的関東大雪警報のこの日。圧倒的豪雪でした。

初めて訪れた去年3月、目的は散歩と、小川和紙に触れてみたいということと、あるアニメの聖地だったこと。
山地のふもとの、槻川が流れるキレイな景色を散歩で楽しむことができ、川好きな僕にとって大好きな町になりました。

アニメ「のんのんびより」のモデルの学校は今でも保存されています。

今回、降りる駅を小川町にしたのは、去年のリベンジを果たしたかったこともある。
「道の駅 おがわまち」で蕎麦を食べたかった(大の蕎麦好きです)。
隣接する「埼玉伝統工芸会館」では「紙漉き体験」もできるようだが、極度のコミュ障である僕はそんな体験おこがましいので、せめて小川和紙について何か触れたり知ったりしたかった。
けど、出発が遅かったのと、思いのほかアニメの「のんのんびより」の聖地を満喫しすぎたかで、先述のように道の駅は16時過ぎて閉まっており、そもそも伝統工芸会館は月曜休館日。
今日も月曜なのだが、今ならまだ道の駅ぐらいは開いているのだが、

去年3月にて尽く閉まっていた道の駅と伝統工芸会館。

もう15時過ぎだし、16時に閉まるし、歩くと25分かかるし、あと5分くらいでバスが来るようだが、帰るときに歩くのも困難そうなので、今回も諦め地元のヤオコーで買い物することにしました日和った

駅の周りは万葉集の和歌のパネルがたくさんあります。
日本初の万葉集の注釈書を編纂した僧「仙覚」が、鎌倉幕府4代将軍頼経の命令で「難解な万葉集を後世に残すため」と、67歳でこの地にて「万葉集註釈」を完成させたとか。
去年3月に「和紙の町・小川町」らしい、和紙の原料であるミツマタについて歌ったパネルを撮影しました。
ほとんどのパネルが雪をかぶっている中、
このパネルは見ることができました。
何かの縁なのでしょうか、撮影しておこう。

埼玉県の御当地スーパーマーケットである「ヤオコー」は実は、小川町の生まれだ。1890年の明治は最初の衆議院で選挙が行われ帝国議会が始まった年に、青果を扱う八百幸商店が生まれ、1950年代の高度経済成長期にスーパーマーケットとなった。
さらに小川町はヤオコーだけでなく、あの「安いが探せばそこそこ良いものがある」で有名な大型衣料店の出身地でもある。
さあ、何の店でしょうか。

そう、「しまむら」ですね。1923年、日本初の普通選挙(納税制限がないが25歳以上の男子だけ)が行われた五年前に、小川町で「島村呉服店」が開業。
そう、関東大震災がおきた年でもあり、去年2023年で100年目だったのです。

僕の近所にもあるヤオコー。地元の野菜が売ってないかなと思ってヤオコー小川ショッピングセンター僕は勝手に心の中で「本店」と呼んでるにて買い物をするが、積雪のため入荷が一部途絶えたか多くの人が買い込んだか、めぼしそうなものは売り切れたようで、せめてキノコばかりを買い込んだ。長野のエノキタケ、そして埼玉の黒マイタケ(僕の近所の飯能産でしたが)、サトイモとセリと、きりたんぽ買おうとしたけど最近ダイエットで夜の米を断っているため躊躇、まだ15時半なのに3割引きのお刺身などを購入。
ダイエットの時は鍋はおいしく食べれますね。

天罰が下る!

次第に積雪量がヤバくなることに気づき始め、電車の状態がどうなるか心配になる。都心である池袋を結ぶ東武東上線は平常運転だが、ローカルな八高線(東京八王子と群馬の高崎を結ぶ)は積雪被害を受けてはないだろうか。

なんせ、こんなホームの扱いだ。
左は東武東上線、右は八高線。しかも八高線は1時間に1~ラッシュ時かには2本、1本も来ない時間もある。ホームは窓際族の社員のように小川町駅の奥に追いやられるように設置され、屋根すらもなく、何だか雑な扱い。
ふと、「家督も継げないくせ、家長となった兄の家に居候となり奴隷扱いの上に腫物扱いの次男(おじろく・おばさ)」を思い出すかのようだ。
また、「出来の良い子を尊重し出来の悪い子をぞんざいにする親」、いやもう止めておこう。

自宅に帰るには八高線から小川町→東飯能の方が早いのだが、あいにく知らぬ間に15時56分の電車をスルーしたようで。
次の電車が16時48分、あと40分。川越から川越線で迂回していこうかと思ったけど、八高線の景色も見たかったので待つことにした。

八高線の様子をスマホで探るが、金子~箱根ヶ崎間でポイント点検か何かで運転見合わせ中だと。
それ以外は元気なようでなめてかかってた、とりあえず東飯能まで行けるようなので、のんびり待つ。
思えばただ雪を見るだけの無策。早く帰宅しても何もすることないもはや今年度も終わったし、「高麗川まで30分だから、早くて18時、遅くても19時くらいだろう」と油断していた。
10分くらい遅れて、八高線の高麗川行きが来たので乗り込む。
「高崎から雪の中よく来たねぇ」「八高線の車両のローカルぶりが東武東上線よりも素敵に感じる」「しかも車内トイレもアリ」など思いながら、八高線で見える雪景色にワクワクする。

寒空の下のホームと違い、暖房が効いている車内に和む。しかし、窓ガラスが曇っているのか質が悪いのか、時間的に暗いのか。
まあ、こんな感じなのだが、これはこれで水墨画的というか、何だか面白く思えた。

明覚駅。ドアが開き、人が降りたところで撮影(下二枚目)。
もはや不審者と思われても開き直りつつある僕。やがて異常者として通報されないように気を付けます。
ああこの山間部、良き。外に出て取り残されたら次の電車は少なくとも1時間後だろうから、絶対に外に出ないようにビビり腰で撮ったため、キレイじゃないなあ。

山の中なので、たまに木々にバチバチぶつかる音が聞こえます。

川に執着がある僕としては、都幾川は撮影しなかったが、雪の越辺川(上の写真の右下)は撮れた。合ってるよね? たぶん越辺川って文字が見えたし。高麗川じゃないよね。
都幾川は東へ流れ東松山市で越辺川と合流する。高麗川も東へ流れ、坂戸市で越辺川と合流する。
越辺川も東へ流れ、川越の北東(川島町の南)で入間川と合流する。
我が地元の入間川も、川越の東で荒川と合流する。古来、これらの川は舟運で「西川材」などの木材を輸送するなど、今で言うと幹線道路のようなもので、川は埼玉の発展に欠かせないものだが、この記事では雪景色を送るだけですので語りません。
さて、問題です。この「越辺川」、何と読むでしょうか。

答え。越辺川おっぺがわ都幾川ときがわ」「高麗川こまがわ」です。
「高麗」も朝鮮半島など大陸との関わりが深いところですが、ここでは語りません。

高麗川駅に到着しました。
ここから雲行きが悪くなるって、もうヤバイ段階ですけども。
Yahooリアルタイムなどでは、運転見合わせが解かれたような雰囲気だったんです(たぶんそんな情報を見たので安心していた)。
しかし。
ちなみに今現在6日の早朝にこの記事書いてますが、この「関東での記録的大雪」「ここ数年で最大級」。
「一難去ってまた一難」の連続だったらしく。5日夜から6日午前まで、何度も同じ鉄道の同じ区間で「運転見合わせ」が相次いだようで。
やっぱ、不要不急の外出は避けるべきですね。さすがにこの時は「ああ家でぬくぬく、こういうニュースを当事者外の傍から、こういう災害級にも用事があり動かざるを得ない外出者を、生温かく見守るのが勝ち組だったのか…ort」と後悔してました。
今は良い思い出として描いていますが。
何を言いたいかというと、「木にぶつかり電車が死んだ」ようなんです。

高麗川駅前。こんなに積もるとは…

まず、17時半に高麗川駅に着き、東飯能駅に向かうための八王子行きを確認したら、「17:54 八王子」とあり。しかし、車内アナウンスにて「電車の遅れで、18時15分になる見込み」とあり、やがてそれが「(何かに)木が刺さり」やら「倒木の影響で」やらで、突然の「運転再開の見込みは立ってません」にすり替わっていた。

結局、そろそろ1時間ぐらいたつ18時20分ごろの「運転再開の見込みは立ってません」アナウンスにより、僕はかねてから検索していた「高麗川駅から飯能駅までのバス」に乗り込む決意。バス停にはけっこう多くの人がいる。
八王子東京やら川越線に直通しているため川越や大宮方面埼玉の都会にも向かうため、都会へ向かう人々を尻目に、西武池袋線沿いの田舎者勝ち組の僕は高麗川駅を去ることに成功しました!!
ちなみに、八高線は結局その後、「大雪のため小川町~高麗川間が運転見合わせ」などYahooトレンドを見ても紆余曲折、通っては止まるなど繰り返しながら基本的には「死んでいる状態」が今朝まで続いたようで。
八高線ユーザーの阿鼻叫喚の声がYahooトレンドにおけるTwitter(今はX)にあのあと、そして今現在まで続いているようでした。皆様お疲れ様です。
「風吹けば かならず止まる ○○線」と現代社会においてもふとしたときに脆弱になる、こういう電車の不通問題。解決するものなのでしょうか。

19時ごろ、飯能駅に到着!!
やった、勝った!! と思うでしょ。


はい、どーん。

知ってた。けど現実目の当たりにする絶望感もありました。

「運転再開の見込みは、立ってません」のようです。改札前に立ち尽くす多くの人々。
僕はしばらく、飯能駅の地下のスーパーで買い物したり、本屋や100均を物色し、ついに前向きにこの状況を楽しむために駅構内で飲酒始めました。

西武池袋線、やっと20分前頃にて「20時10分運転再開の見込み」と。
20時ごろ、電車に乗り待つも。やはり「運転再開のめどは立っています」「もう少々お待ちください」ばかりアナウンスされながら、待つこと30分。…20時40分ごろ、ついに動き始めました。
まあ、ノロノロ運転だし。挙句に途中で緊急停車。
「稲荷山公園で非常事態を知らせるボタンが押されたため」とアナウンス。
しばらく停車し、ついに21時過ぎに帰宅できました。
どんな状況でも無駄な愚痴を一切吐かず、苛立ちながらも静観している乗客の方々が印象的でした。アナウンスする西武鉄道の方々も必死だったのでしょう。
僕は昔から被害妄想癖が強いためか、最悪のケースを妄想しちゃうのですけど、もういつ「もう本日中の運転再開は見込めません」と電車の電気も消される状況になるのか、考えてしまったが。

今となっては楽しかったのですが、自然災害時に物見遊山に行こうとすると、ヤバいことになる一例としても晒しておきます。
映画のゴールデンカムイ観に行けばよかったか…  いや、映画はいつでも観れるし、これはこれで楽しかったか。

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